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雪崩リスクマネジメント

(2004/12/1 ブルース・トレンパー著 日本雪崩ネットワーク訳 山と渓谷社)
雪崩リスクマネジメント

雪崩に関する最新の本です。ただ訳者も指摘していますが、「最新」を売りにしている本ではありません。これは現在最もメジャーとなっている『決定版雪崩学』(旧タイトルは最新版雪崩学) を意識してのコメントだと思われますが、雪崩の原因、説明に関しては大差ありません。ただ、この本では雪崩の分類で全層や表層という分類の仕方はしていません。

最大の違いは "10章 ヒューマン・ファクター" の項でしょう。雪崩はあくまでも雪崩であり、雪崩に巻き込まれる最大の原因はヒューマン・ファクターであり、誤った判断に至る過程に関する考察が、著者のこれまでの経験を基に書かれています。この章だけはかなり科学的ではなく、哲学的ですが、万事に通じる最も重要な項目かもしれません。

その他の違いとして、『決定版雪崩学』では雪崩全般に関して体系的に書かれているのに対し、この本では事故が最も起きやすい、乾雪の面発生雪崩を中心に書かれています。また切り口も、地形、気象、積雪、安定性など違ったものになっています。

文章も語り口調で書かれているので読みやすく、例えが多いので理解もしやすいです。反面頭の中を整理するのが少し大変。変なユーモアもあったりと、非常に面白かったので一気に読んでしまいました。ただ 1度読んだだけでは駄目でしょうし、実践に結び付けなければ意味がありません。

学生時に雪崩の事故で先輩を亡くしたのを皮切りに、その後数人の知人を雪崩の事故で亡くしました。当時の部活で雪崩に関してうるさく言われていたため、集められる資料はできるだけ集めて目を通し、新しい本やビデオが発売されれば即購入して毎年目を通すようになりました。雪崩講習会にも数回参加していますし、毎年ビーコンの練習もすれば、斜面に雪穴を掘る作業もしてきました。それでもやっぱり雪崩に関してはいまいち良くわかりません。斜面があって積雪があって、弱層があれば雪崩れるということはわかりますが、それだと雪山に入ることはできません。

それほど雪山の経験があるわけではありませんが、これまで雪山に入る場合は、過去にその斜面で雪崩が起きているかどうかを最大の判断基準として、弱層テストは 2の次になっており、何のために雪崩の勉強をしているのかわからない状態になっていました。

去年からバリエーションや山スキーの世界にも触れ始め、今年からは本格的に冬季クライミングも展開していく予定なので、そういったいい加減な判断で雪山に入るのは非常に危険だと思われます。

ちょっと遅いですが、今年はもう一度根本からしっかりと雪崩に関して勉強し直したいと思います。

蛇足ですが、帯に日本の雪崩学の権威である若林隆三(旧姓新田)教授のコメントが出ているのですが、ずーっと新田先生だと思っていたのですが、最近になって "若林" に姓が変わったのでしょうか?


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コメント (3)

> Naokiss さんお久しぶりです。
新田先生と同じだったとはうらやましい限り。去年講習会を聞きに行きましたが、面白い先生でした。今年もコンペはおにゃんこともどもよろしくお願いします。

> いたぽんさん
"過去にその斜面で雪崩が起きているかどうか" というのは、『決定版 雪崩学』の巻末の発生地点地図の該当箇所かどうかということです。もちろんそれだけの判断は危険です。真剣に取り組んで行きたいと思っています。

これは良い本ですね。とても勉強になりました。

>過去にその斜面で雪崩が起きているかどうか
というのは非常に危険だと思います。
雪崩が起きたかどうか、ちょっと雪が降ればわからなくなって、
雪崩が頻繁に起きていても、人間は知らない斜面というのはあるし、(「ドキュメント雪崩遭難」参照)
樹齢数十年という大木が倒れる雪崩もあります。(その規模の雪崩は数十年起きていなかったと言うこと)

かと言って弱層テストばかりしていて地形や、積雪の状況をちゃんと観察し考えないと、木を見て森を見ずです。
弱層テストは、お守りでもなければ、事故の言い訳でもなくて、判断の材料の一つに過ぎないことを忘れている人は多い気がします。

去年のアイスコンペで会ったNaokissです。
お久しぶりです。

新田隆三先生は北大林学科出身で,ぼくと同じ所です。
もともと若林だったのが養子入りして新田になったらしいですが,
また戻ったというのは知りませんでした。
うちの先生方から彼の逸話もちらほら聞いてますよ。

アイスコンぺ楽しみですね♪
えのきど。さんの精力的なクライミングっぷりを見ると,
今年はいい結果のこせそうですね。
ぼくは逆に体重も体脂肪率もアップしてるくらいなので。。。

アイスシーズンの開始が楽しみです♪


 
 
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