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富士山 2日目 : 富士山火口壁サミットフォール

夜半から風が強くなり、朝までずーっと強風が吹き荒れており、テント撤収時にはポールが歪んでしまっていました。

天気は明らかに下り坂で 7時頃からガスり始め、視界は終日 20m 程度。この視界の悪さに今回はかなり苦しめられました。

まずアプローチが全然わかりません。とりあえず馬の背の手前、コノシロ池の先辺りで火口に下り火口壁の下の方を昨日サミットフォールがあったあたりを目指してトラバース。

火口内をトラバース
火口内をトラバース

視界が悪いので現在地もわからなければサミットフォールの場所も良くわからず、とりあえず上の方を見ながらトラバースして行きました。昨日撮った写真はサミットフォールの拡大写真しかなく、写真を見ても現在地を把握できませんでした。火口全景を撮っておけばよかった。

右往左往しつつも、1時間 10分ほどでサミットフォールに到着。ガスっていて上の方が見えないものの、とりあえず 1P目は登れそうな感じだったので取り付きました。見た感じでは予想以上に立派な体裁ではあるものの実際はぼろぼろでした。

サミットフォールを見上げる
サミットフォールを見上げる

【サミットフォール 1P目 : かーばたリード】
資料は『岩と雪 117号』のトポのみ。が、出だしからトポ通りのラインは取れず、登れそうなところを選びながら右に左に蛇行しながら登って行きました。氷はスカスカで脆く、細いつつららの集合体が岩から垂れ下がっているだけで、厚めのアイスキャップ(?) を拾いながら登っていき、スクリューもスカスカで余り効いている感じはなく、ところどころに露出している岩のクラックにエイリアンが有効でした。

1P目リード中
1P目リード中

20m 程ロープを伸ばした辺りでガスでリードは完全に見えなくなり、崩壊したつららの落下で登っているのが確認できる感じでした。35m ちょっとロープを伸ばして 1P目終了。

フォローで上がりましたが、とにかく氷が脆く、蹴り込んだスタンスがどんどん崩壊して行き、注意しないとホールドごと持っていかれる感じでした。

1P目フォロー中
1P目フォロー中

ビレイ点はカムとハーケンで作成。さて 2P目はと考えて周りを見回すも、絶望的。左には氷が薄くて全く行けず、上を見ても薄いつららが垂れ下がっているだけで、岩がところどころ露出しており、つららを壊しながら岩を繋いでいけば可能性はあるのかもしれませんが、それだと氷を登りに来た意味がないし、傾斜もかなりあるので難しい。あとは右に行くと言う選択肢だったのですが、こちらも氷が薄く、登って行くのは結構厳しい感じ。10分ほど悩んだ挙句、今回は断念して降りることにしました。

2P目を見上げる 絶望的
2P目を見上げる 絶望的

ハーケンを 1枚打ち足して、捨て縄で懸垂して取付に戻りました。残置無念。懸垂しながら少し離れて上を見たところ、さっきのビレイ支点から右に上がらず、そのまま右にトラバースすればやや傾斜が緩い箇所があったので登れたかもといった感じでした。

取付に降りてからも相変わらずガスガスなので、帰りも結構難儀し、上がるところを間違えたらしく、気がついたら山頂に出てしまいました。

一応山頂へ
一応山頂へ

神社脇にデポしてあった荷物を回収して、アイゼンつけたまま、雪渓を繋いでそそくさと下山しました。

終日ガスガスで視界は 20m
終日ガスガスで視界は 20m

天候は終日曇りだったことも有り、気温が上がらずシャワークライミングになることもなく、火口内だからか風もなく、条件はよかったと思います。せっかく凍っていたのにもったいない。たぶんこういった数少ないチャンスをモノにできるかどうかがクライマーの実力なんだと思いました。視界が悪くてルーファイが上手くできなかったと言うこともありましたが、まだまだ経験、技術力不足。ロケーション、氷の条件も面白いのでまた来シーズントライしたいと思います。

赤線が今回登ったライン 青線は登れたかもというライン
赤線が今回登ったライン 青線は登れたかもというライン

短かったですが、これで今シーズンの当方の日本での雪山シーズンは終わりました。また来年。まだ半年経っていませんが今年の山行日数がすでに 50日を越えました(52日)。学生の時以上のペースに自分でもびっくり。

今回、サミットフォールをトライするに当たって、西ヤンさんにアドバイスをいただきました。有難うございました。

以下の Web サイトで毎日気温をチェックし、今週も気温がプラスに転じることがなければサミットフォールは一層発達し、ラインを選べれば登れる状態になっていると思います。狙われている方は今がチャンスです。是非トライしてみてください。

富士山(フジサン) 毎正時の観測データ
http://www.data.kishou.go.jp/maiji/data/47639.html

行動記録
07:00 神社脇出発
08:10 サミットフォール取付(-5℃)
08:25 クライミングスタート
11:10 2P目スタート(-2℃)
12:00 富士山山頂剣ヶ峰
12:30 神社脇
14:30 5合目


 
 
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コメント (7)

大滝完登に加えて、そんな収穫もあったんですね>G13さん
僕は屏風で、スカイフック・エイリアン・フィフィを集団で葬りました。拾う方に廻りたいです。

佐梨奥壁3スラ、22Pですか。体験してみたいです。厳冬期黒部も、行ける実力を身につけたいです>G13さん,himalayaさん

himalayaさん、挨拶遅れて申し訳ありません。いつもコメント拝見して、思いを膨らませて貰っています。
実力も知識も努力も、えのきど。さんの方が上です。真に強いですし、何より、努力されてると思います。僕はただ、えのきど。さんにチャンスを与えて貰っている側です。

佐梨川奥壁>3スラで22ピッチあります。ビレイ点すらないから、敗退はできないと思ったほうがいいです。(敗退すると、恐ろしいスピードで手持ちのハーケンがなくなりますから。)

正月の横断はシビアだよ。天気悪くても、どんどん進まないと、悪天でつかまっちゃうし。

かーばたさん、どうも。焚き火テラスで拾ったのは金物。ボルト18本、ハーケン10本です。これに勝手に勇気付けられて突撃しました(アホです)。結局使わず、そのまま持って帰ってきました。今、資産家ですよ。これだけで1万円以上ですから。
紛失したのはATC。I滝の登りで投身自殺しました。おかげでその後は基本的には半マストで確保、懸垂。

最近のクライミングの成果はすべてパートナーあってこその成果です。技術的にも経験的にも、体力的にもパートナーのかーばたさんの方が上でして、当方はただ記録を発表してるだけに過ぎません。

> himalaya さん
厳冬期の黒部横断はヒマラヤよりシビアなんですか? 厳冬期だと正月前後しか休みの都合で行けませんが、今度トライしてみたいと思っています。横断は S字峡周辺以外だと黒部川を渡るのがかなり大変だと思います。スノーブリッジがある残雪期ならまだしも、厳冬期の腰や肩までの黒部川渡渉の記録を読んでぞっとした記憶があります。また渡渉ポイントまでのアプローチもかなりハードですよね。

> 左梨奥壁
写真で見ただけですが、物凄くでかいですよね。谷川よりでかいかな? どのスラブになるかはわかりませんが、多分そのうち行くとは思います。

池ノ端乗越でお会いしましたかーばたです>G13さん
黒部お疲れ様でした。何を拾われたんですか??

佐梨奥壁、初めて聞きました。でかい氷があるみたいですね。
サミットフォールは、デリケートなアイス・ミックスに慣れておらず、ビビってしまいました。。来シーズンリベンジです。

佐梨奥壁は、今の時期は3スラの上部、4スラ上部に雪渓が残っておるので、ちょっと厳しいですね。へんなもんおちてくる可能性が高いです。梅雨直前がいいはずですが、今年は新潟の雪は非常に多いので、かなり微妙なところ。前に行ったときは足をブヨにやられて大変でした。

氷のことがよくわからない私には1P目は登れて、2P目が絶望的な違いがわからなーい。

それにしても貪欲に登りますねー。
早く全部更新して。
・・・鬼の一言。

最近の、えのきどさんのクライミングは、凄いですね!
富士山の火口壁は、超マニアックですね。さすがに、ここは、登ったことはありませんでした。
ちょっとのぞいた感じでは、キリマンジャロのブリーチ・ウォールを小さくした感じですね。
面白いところに、目をつけましたね。

毎週のように、連続で、疲労の方は、大丈夫ですか?
冬期黒部の横断は、多くの、アルパインクライマーの、大いなる目標ですもんね。
一度だけ、冬期横断したことがあります。ちょっと、ルートは違いましたが…別山スラブ状ルンゼ〜南尾根〜八ツ峰〜チンネ〜池ノ谷〜小窓尾根
これは、ヒマラヤより、シビアでしたよ。トンネル使っちゃったから、完全な横断ではないですが…

次は、佐梨川奥壁でしょうか? あそこは、一度だけ登りましたが、いろんな意味で、スゴイですね。
梅雨入り前の、雪渓が発達している今は、チャンスですね。


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っていう最彼なブログです。

1991/4
高校山岳部で山歩き開始。
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