梅里雪山―十七人の友を探して
(2006/2 小林 尚礼著 山と渓谷社)

少し遅くなりましたが、ようやっと読みました。非常にいい本でした。
1991年に中国の梅里雪山で 17名が亡くなった雪崩遭難事故。著者の友人も多数含まれており、この山と深く付き合うきっかけになった事故。
1996年、自ら遠征隊を組織して梅里雪山へ。初登を狙い、一登山者として山に入り、初めて梅里雪山とまみえる。この遠征で地元の人々との摩擦が起き、聖山とはについて考えるようになる。
1998年、事故後 7年が経ち、一部の遺体が氷河から発見される。会社を辞め、その後遺体捜索に専念する。その間に、一層聖山に対する興味が深まり、聖山巡礼の旅にも 3度出、現在に至る。
遠征隊として訪れた時と、聖山を理解した時での心境の変化の差は大きく、遠征で登れなかったときは「登攀隊長の首を替えてでも登りたい!」「この悔しさは決して忘れない」とまで言ってるのに、最後には「聖山とは、生命の源である」「登ってはいけない」と変わっている。
この本では聖山が特殊な存在であるような書かれ方をしていますが、決してそんなことは無く、スケールは違いますが、日本にも存在する信仰です。もともと日本では八百萬の神がいると信じられており、取り巻く自然環境には何にでも神が存在しているという、プリミティブな信仰があります。現在の日本人がすっかり忘れてしまっている信仰を、著者は梅里雪山で認識した次第です。
自然を舞台に遊ぶ人は、もっとその辺を認識する必要があると思います。
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