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富士山を汚すのは誰か

(2008/5/10 野口健著 角川書店)


最近出た富士山関連の親書をもう 1冊。"アルピニスト" という肩書きは相変わらず納得できないが、これはいい本。

エベレストおよび富士山でのゴミ拾い、環境問題について、著者のこれまでの経緯、経験を書いた本。一登山者から山の上でゴミを拾うようになるまでが事細かに書かれています。

ごみと人間の意識についていろいろ書いていますが、何度も出てくるフレーズ

p15
ごみというのは、不法投棄のような一部のケースを除けば、悪意があって捨てるのではない。意識がないから、捨ててしまうのだ。

これはどうなの?

自分自身を振り返った場合、昔から「ゴミはゴミ箱へ」と小学校でも親からもさんざん言われて来た。常識というか最低限のマナーじゃないの? それとも昔は違ったのかな、時代の問題? って著者と 3歳しか違わないし、育った環境の違い?

もちろん、8000m峰の初登頂時代においては、登頂アタックは死に限りなく近い行為であり、登頂第一でゴミは二の次だし、公害が各地で問題になり始めていたとはいえ、当時はまだ "環境問題" という言葉自体が存在していなかっただろう。

そこから時代が進み欧米の登山隊を始め、ゴミをゴミとして意識する隊が増え始め、彼が清掃登山を始めると共に、シェルパ達ですらもゴミを意識するようになり、現在、ゴミを残していくのは韓国、中国の隊だとのこと。

極地法 = ゴミが多い、アルパインスタイル = ゴミが少ないという見方も面白い。そのため、日本隊の残すゴミは多かったようである。



"富士山がゴミだらけで汚い" というのは海外の登山家の間でも有名だったらしく、そこでエベレストから日本に目を転じ、富士山でも同様の活動を始めた。

手段を問わず、スポンサーや政治家を使い、現状では目につく範囲のゴミはおおかた無くなっているという。

p86
世間に何かを訴えるには、自分たちの心のなかだけでやっていてもしょうがない。何かを変えたいのであれば、そのメッセージをきちんと人に届かせなくてはならない。どんなにすばらしい考えも、正しい方法も、人に伝わらなくては単なる自己満足になってしまう。

p157
理想論はかっこいい。だが、生きていくことは理想論だけではどうにもならない。いま、現実のなかで何ができるか、そのバランスの問題として考えていかないことには、環境問題というのは具体的に進んでいかない。

理屈はわかっていても、誰かが率先して動かないことには何も始まらない。やり方はかなり強引だったりもするけど、結果的には比較的うまくいっている。彼の PR 能力は非常に高く、うまい。

現状の富士山をより良くするためには、ただゴミを拾うだけでは、現状維持にしかならず、根本的な問題解決にはならない。

ここからさらに 1歩踏み込んで行くとなると、入山者数を減らさざるを得ず、観光収入で生計を立てている地元経済に多大な影響が出る。この点をどのように解決するかが今後の最重要課題になってくるだろう。

関連リンク
野口健公式WEBサイト

関連エントリー
落ちこぼれてエベレスト (2004/7/19)
登ってわかる富士山の魅力 (2008/5/14)


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