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クライミングニュース(2008/9/5)

# 毎月 5日、15日、25日と定期的にクライミングニュースをまとめていく予定です。

当初は月 1回を考えたのですが、ニュースが多すぎてとても追いつかなさそうなので、月 3回にしてみます。ただ、個人レベルでいつまで継続できるかわからないので、ベストエフォートいうことでお願いします。

ジャンル分けは難しいのですが、高所、アルパイン、フリー、コンペ、その他で分けていこうと思っています。

高所はヒマラヤ、カラコルム、アルパインはヨーロッパアルプス、南米、ロシア、アラスカなど、氷河より上でのクライミング。氷河のない日本では、正確には意味が違ってくるのですが、日本の山岳エリアでのクライミング(通称本ちゃん) もここに含めます。

フリーはボルダリングも含みます。コンペに関しての説明はいらないですね。



トピックス
■ 高所
7/17 Koreans Climb Meru Big Wall
8/25 Muztagh Update: Miskovic Rescued, Kozjek Still Missing
7月-8月 ー山野井通信ー
■ アルパイン
8/21 Lama and Verhoeven create Desperation of the Northface, Sagwand, Zillertal Alps
8/24 Update: Avalanche Takes Eight on Mont Blanc du Tacul
6/25-8/25 All the Alpine 4,000m
8/29-30 Swiss Redpoint Eiger's Hardest Free Climb
9/2 Alex Huber on Fire: Free Solo and New 5.14s
■ フリー
9/1 Another 8c+ from thirteen year old Flaugergues
8/? Erbesfield-Raboutou: 5.14a at Age 45
■ コンペ
8/28-31 世界ユース選手権 速報 女子は2つの金メダル!!
■ その他
Tin Shed



■ 高所
◇ 7/17(登頂)
Koreans Climb Meru Big Wall (Climbing Magazine)
A Korean team has climbed the northeast face of Meru South (6,660m/21,850'), adjacent to the well-known Meru Shark’s Fin in India’s Garhwal Himalaya.

韓国隊(The Korean Extreme Rider Alpine Club) はインドヒマラヤ・ ガンゴトリ山群のメルー南峰(6600m) 北東壁・通称 "シャークスフィン" を未踏ルートから登り、Gate to the Sky(VII A5 5.10) と命名しました。

韓国隊のルート
韓国隊のルート(Gate to the Sky (VII A5 5.10))

登攀メンバーは Kim Sae-joon、Wang Jun-ho、Kim Tae-man の 3名で、Fixロープを使用した包囲法で行われました。

C1(5570m) から C2(6150m) まで 10日以上かかかり、その先のヘッドウォールの 10ピッチでも 9日間、もっとも厳しかったピッチ(ED / A5) では 20時間近くかかったようです。

山頂にアタックをかけた 3日間は全くの食料無しの状態でのアタックになるなど、天候にも悩まされ、かなり過酷な登攀だった模様。

ロープ、ボルト、リベット等かなりの量の残置をしてしまったようですが、相当に凄い登攀だったことが伺えます。もし登攀記が出たら是非読んでみたいなぁ。彼らはメルー 第 4登になるのかな。

メルーといえば、2006年に馬目さんら松本 CMC隊が 4度目のトライの末に落としたことで有名になりました。

m080905-8.jpg
1、2 が 2001年のロシア・Valeri Babanov のライン。3が 2006年の松本 CMC隊のライン、4が 2006年のチェコ隊のラインです。

参考情報
誰も墜落を避けることができない ~韓国隊メルー峰北壁の記録~ (月山で2時間もたない男とはつきあうな!)



◇ 8/25
Muztagh Update: Miskovic Rescued, Kozjek Still Missing (Alpinist)
スロベニアのクライマー・Pavle Kozjek(49) が、パキスタン・カラコルムのムスターグタワー(Muztagh Tower / 7284m) で行方不明になりました。

詳細はこちらのエントリーを参照してください。



◇ 7月 - 8月
ー山野井通信ー
山野井通信によると、山野井泰史さんが、この夏にキルギスタンで 50日間のクライミングトリップをされていたそうです。

ハンテングリ(7010m) で高所順応をした後、カラフシン・アクスウ谷に移動して、ロシア正教100周年峰セントラルピラミッドという山でビッグウォールクライミングをしています。大内尚樹さんらと行かれたのかな。

ハンテングリの位置

大きな地図で見る

しかしこの久しぶりの低酸素体験から、少しはまだ体が動けると自信がついたので来年の春くらいにアルパインスタイルでヒマラヤの壁に再び挑戦しても良いかなと漠然と思ったりしていています。

wktk!!

# 9/12
翔太@タジキスタン さんからコメントもらったので追記。

タジキスタンで、Tommy Caldwell 一行が拉致、監禁された事件に関しては『オーバー・ザ・エッジ』という本にまとめられています。クライマーが書いてるノンフィクションとしてはかなりの良本なのでオススメです。タジキスタンでのクライミングを考えている方はコメントを参考にして下さい。




■ アルパイン
◇ 8/21
Lama and Verhoeven create Desperation of the Northface, Sagwand, Zillertal Alps (Planetmountain.com)
David Lama from Austria and Jorg Verhoeven from Holland have carried out the first ascent of "Desperation of the Northface", an 820m line with difficulties up to 7b on the Sagwand (3227m) in the Zillertal Alps, Austria.

リードのワールドカップで表彰台の常連である、オーストリアの David Lama とオランダの Jorg Verhoeven がオーストリア・ Zillertalアルプスにある Sagwand(3227m) で Desperation of the Northface(7b / 17ピッチ / 820m) というルートを初登しました。

Desperation of the Northface(7b / 820m)
Desperation of the Northface(7b / 820m)

彼らはコンペ or 高難度ショートルートというイメージだったのですが、こういったアルパインのルートも登るんですね。結構意外です。

高難度グレードの最年少記録を数々塗り替えているチェコの Adam Ondra も 14台の高難度アルパインルートを何本も登っているので、今後はこういった流れが来るのかも知れません。



◇ 8/24
Update: Avalanche Takes Eight on Mont Blanc du Tacul
8/24 に、フランスの Mont Blanc du Tacul(モンブラン・デュ・タキュル/4248m) の登山道を雪崩が直撃し、8名が行方不明になりました。

詳細はこちらのエントリーを参照してください。



◇ 6/25 - 8/25
All the Alpine 4,000m (BMC)
Diego Giovannini and Franco 'Franz' Nicolini have recently completed the first non-mechanized link up of all 82 Alpine 4,000m summits that appear on the UIAA's official list.

Diego GiovanniniFranco Nicolini のイタリア人ペアは UIAA のリストにあるヨーロッパアルプスの 4000m峰全山 82峰を人力のみで 60日間で縦走し、2006年に Miha Valic が確立した 102日という記録を大幅に更新しました。

Diego Giovannini と Franco Nicolini のイタリア人ペア
Diego Giovannini と Franco Nicolini のイタリア人ペア

難易度的にはこちらの方が全然上ですが、意味的には日本百名山のピークハントと変わりません。日本百名山を人力のみでの縦走はいまだありません、というより、海を越えるのは公的機関を利用せずに、一般レベルでやるというのはちょっと無理ですね。



◇ 8/29 - 30
Swiss Redpoint Eiger's Hardest Free Climb (Climbing Magazine)
Switzerland’s Stephan Siegrist and Ueli Steck have completed a team-free redpoint ascent of the Eiger’s hardest free climb: Paciencia, a 23-pitch 5.13b on the north face.

Stephan Siegrist と Ueli Steckペア
Stephan Siegrist と Ueli Steckペア

スイスの Stephan SiegristUeli Steckペアは、アイガー北壁に最難のフリールートを開拓しました。ルート名は Paciencia(23ピッチ / 900m / 5.13b)。ミニマムボルトでの開拓というのが素晴らしい。

Paciencia (23ピッチ / 900m / 5.13b)
Paciencia (23ピッチ / 900m / 5.13b)

ちなみに Ueli Steck は今年の 3月に、アイガー北壁をソロで 2時間 47分 33秒で駆け抜けるという記録を樹立しています。

Paciencia (23ピッチ / 900m / 5.13b)
Paciencia (23ピッチ / 900m / 5.13b)

また Stephan Siegrist の方もアイガー北壁に La Vida el Silbar というフリールートを 2001年にアメリカ人の と開拓しており、この開拓の模様は autoroute という DVD に収録されています。他にも貴重な映像満載で、この DVD は結構好きなんですが、日本ではもう入手できないのかな?

autoroute



◇ 9/2
Alex Huber on Fire: Free Solo and New 5.14s (Alpinist)
Alexander Huber recently completed three bold accomplishments in Europe: a 400-meter free solo—climbing unroped both up and down—of the Swiss Route (5.10c) on the Grand Capucin, and two new ground-up 5.14a routes in the Tyrolean Alps.

Alexander HuberGrand Capucinスイスルート(5.10c / 400m) をフリーソロで登り、同ルートをフリーソロで下降しました。フリーソロでの下降というのは珍しい記録です。

Alex Huber on Fire: Free Solo and New 5.14s
Alex Huber at Grand Capcin

また、Huber はチロルアルプスで Sansara (5.14a) と Feuertaufe (5.14a) という 2本のスポートルートを開拓しました。



■ フリー
◇ 9/1
Another 8c+ from thirteen year old Flaugergues (UKC)
the thirteen year old French climber, Geoffrey De Flaugergues has just completed his second F8c+. The youngster from Chambery has climbed the route Declac at La Balme.
フランスの Geoffrey De Flaugergues は彼自身 2本目となる 8c+(5.14c) を登りました。ルートはフランスの La Balme にある Declac というルートです。彼はまだ 13歳です。

Declac をトライ中の Geoffrey De Flaugergues
Declac をトライ中の Geoffrey De Flaugergues

1本目の 8c+ は今年の 2月にスペイン・Santa Linya の La Novena Puerta というルートで、8月にはスペイン・Rodellar の Esprit Rebelle という 5.13d のルートをオンサイトしています。末恐ろしや。

Declac を登ったときの映像

参考情報
13歳で8C+ (14C)・・・・てさ (La Vie d'un Guide)



◇ 8/?
Erbesfield-Raboutou: 5.14a at Age 45 (Climbing Magazine)
Fifteen years ago Robyn Erbesfield-Raboutou was the third woman to climb 5.14. Now she’s just completed another 5.14a (8b+) near her summer home in France.

15年前に女性として世界で 3人目となる 5.14 を登った Robyn Erbesfield-Raboutou が、45歳の今年、フランス・St. Antonin Noble Val にある Bad Attitude という 5.14a のルートを登りました。

先に紹介した Geoffrey の記事とはちょうど対称になる記事です。彼女は 1990年代に 3回ワールドカップで優勝しており、1993年に 5.14 のルートを 2本登っています。

ちなみに彼女には 2人の子供がおり、10歳の息子は既に 5.13a を登り、7歳の娘は 5.12a を登っているそうです・・・。旦那ももちろんクライマーで、一家そろってクライミングを楽しんでいるようです。



■ コンペ
◇ 8/28 - 31
世界ユース選手権 速報 女子は2つの金メダル!! (JFA)
* 8月28日~31日の4日間にわたりオーストラリアのシドニーで行なわれた世界ユース選手権に、日本は過去最大の20名が出場。女子では野口啓代がジュニアで、小田桃花がユースBで優勝した。

世界ユース選手権に関してはこちらのエントリーを参照してください。写真を少し追加する予定です。

また、野口選手は Blog にて、これまでに参加してきたワールドユースに対するまとめ記事を書かれています。一読の価値有りです。

6年間のWorld Youth Championship (★NOGUCHI AKIYO★)

野口啓代選手
野口啓代選手

小田桃花選手
小田桃花選手

堀創選手
堀創選手



■ その他
Tin Shed
Tin Shed

パタゴニアの Webサイトで "Tin Shed" という企画サイトが作られ、何点か動画がアップされているのですが、今年の 6/9 にあの Rhapsody(E11) を第 2登した Sonnie Trotter が Rhapsody を登ったときの動画が公開されています。

Sonnie Trotter も Dave に負けず劣らずのロングフォールをしているのですが、何度見てもいいものではないですね。


他にも Steve House、Vince Anderson、Marco Prezelj らの2007年の K7遠征、Steve House のギアの説明などの動画が見れます。

関連エントリー
クライミングニュース(2008/8/25) (2008/8/25)


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コメント (2)

えのきどさん、ご無沙汰しています。
読者の皆様へ、今回山野井さんが行かれたキルギス・カラフシン渓谷のクライミングについて、補足します。

カラフシン渓谷のあるバトケン州では、過去にイスラム過激派による日本人技師拉致事件(1999年)やトミーコールドウェル・パーティの拉致事件(2000年)が発生しています。また、最近では2005年に隣接するウズベキスタンのアンディジャンという都市で大規模な暴動が起きています。

バトケン州を含むこの辺りの地域は、キルギス・ウズベク・タジクの国境が複雑に交わっており、また複数の民族が国をまたいで居住していたり、イスラム過激派や土着の盗賊も跋扈していたり、昔から治安が不安定な地域なのです。

在キルギス日本国大使館もバトケン州については、業務渡航以外の渡航を基本的に禁止しています。魅力的な壁は沢山あるのは確かですが、もし渡航を計画される場合は、事前に在キルギス日本国大使館や外務省、在京キルギス大使館、等で情報を収集してから計画を立てて下さい。

早くバトケン州の治安が良くなり安全にクライミングできるようになれば良いのですが、現時点では、キルギスやタジクには、カラフシン渓谷以外にも山や壁は沢山ありますので、安全面の観点からそちらをお勧めします。
長文失礼しました。

えのきど。様、先日はコメントありがとうございます。
後追いするつもりではないのですが、メルー韓国隊については当方も注目しておりました。
粗訳ですが月刊「人と山」掲載の概要記事をとりあげてみましたので、ご参考までに。
http://everest.cocolog-nifty.com/gassan/2008/09/post-3429.html


 
 
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