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[本]凍える海 - ヴァレリアン・アルバーノフ

(2008/5/20 ヴィレッジブックス)
凍える海 - ヴァレリアン・アルバーノフ

岳人 11月号』の書評で紹介されていた本。翻訳が海津正彦(高井一) さんです。

1912年 8月、聖アンナ号は、当時まだ一度しか達成されていなかった北東航路横断の成功を狙って、サンクトペテルブルクを出航する。しかしながら、2ヶ月後の 10月、ロシア北方、北極付近のカラ海で、浮氷に閉じ込められてしまい身動きが取れなくなる。

夏になれば氷が溶けて動けるようになると考えるも、実際は 1913年が過ぎ去っても全く身動きは取れず、氷と一緒に漂流し続ける。

このままでは死んでしまうと考えた、著者アルバーノフを中心とした 13名は、1914年 4月にカヤックとそり数台を自作して、食料やテント、猟銃を積み込んで、陸を目指して船を脱出する。

この本はその後の過酷なサバイバルの全貌を描いたもの。もうただひたすらクレバスだらけの氷原との戦い。まともな地図もコンパスもなく、太陽の方角だけを頼りに進むも、乗っている氷自体が海流や風に流され、思うように進むことができずに四苦八苦する。



著者が主導となって脱出したこともあり、非常に自我が強く、同行メンバーを常に無能扱いしている。

一人の時が自由の時。生き延びたかったら、決断と力の限り闘え。苦悩している時に、たすけてくれる者がいなくても、それは、少なくとも足を引っ張る者もいないということ。いつだって、一人の方が楽に浮いていられる。

とまで言い放っている。作中では著者が頑張った点ばかりが書かれているため、それらの記述の信憑性はかなり怪しくなってくるが、そこを差し引いても、生への執着に対する文章は輝いている。



海難モノにはかなりうとく、ほとんど読んだことはありません。関係しそうな作品は『アムンセンとスコット』程度なのですが、巻末にある椎名誠さんの解説の中では『エンデュアランス号漂流』、『世界最悪の旅』、パパーニンの北極漂流日記、『南緯90度・浮かぶ氷島T-3』などが紹介されており、これだけで一ジャンルが築けそうなくらいの出版物があることを知りました。山での遭難モノとはまた違った迫力があるので、ちょっと読みあさってみたくなりました。

「開けー、ごま!」という訳があるのですが、原文が知りたいところ。


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コメント (3)

コメントありがとうございます。

jさん
とりあえず海難モノを 10冊程まとめて注文しました。


さぶろーままさん
たぶん現時点の英語で考えるとそうなると思います。

ただ、この本の原文はロシア語。書かれたのは 1910年代。果たして、当時、ロシア語版の『千夜一夜物語』は存在していたのでしょうか? この点を考え始めると謎は深まるばかり。

昨年、この本の英語版がアメリカで結構売れており、また、海津さんがロシア語版を訳しているとも限らないので、どこでこのフレーズが入ってきたのかは不明ですが。

まぁ、実物を見ないことには解決できないでしょう。

こんにちは!いつもお世話さまです。

 「開けー、ごま!」という訳があるのですが、
 原文が知りたいところ。

に反応しました。

「アリババと40人の盗賊」で
宝がしまってあるcaveを開ける呪文が

"Open, O' Simsim" (英語で "Open Sesame")

なのですが、こちらのことでしょうか?

またしてもとんちんかんだったらごめんなさい!

シャクルトンものは、「そして、奇跡は起こった!」がお勧め。

甥っ子にプレゼントしたように、子供向けなんだけど
お気に入りでした。


 
 
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