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[本]サバイバル! - 人はズルなしで生きられるのか - 服部文祥

(2008/11/10 筑摩書房)

前作の『サバイバル登山家』も素晴らしかったですが、今作も読み応え十分、すべての登山者にお勧めできる一冊。

ここ最近は、ハッとさせられるような山関係のノンフィクションが減っています。素晴らしいノンフィクションは、たいていが、著者本人の生死に関わるようなギリギリの体験から生まれることが多く、冒険的な登山を行う人が減っていることもその一因でしょう。

"人類の冒険 = 個人的な冒険" だった時代から、冒険が完全に個人的なモノになってしまった現在において、その冒険内容を読者に伝えるのは非常に難しい作業です。この本では、メインである北アでのサバイバル登山を通して、「なぜ山に登るのか」という、登山にまつわる永遠の命題に関する著者なりの見解が書かれているのですが、文章・構成のうまさから、堅苦しいテーマをさらっと読むことができます。

登山に遭難する確率がなければそれを登山とはいわない。死ぬ可能性がないものを命と呼ばないのと一緒である。生 + 死 = 命。



「遭難しに行って、遭難しないように帰ってくるのが登山です」



私には自由の明確なイメージがある。原始の環境にたった一人で存在すること。
それが私の自由だ。



そこには死ぬかも知れない自由まで含まれている。
サバイバル登山とはその「自由」を具現化するための方法に他ならない。



日常的にズルい生活を続けているので、せめてそこから離れたらどんな気がするのか感じたいのだ。



自然の生き物であるはずなのに、不自然な文明の恩恵で弱っちいまま存在している自分が恥ずかしいのだ。



リスクを受け入れるとは、危険を正しく認識し、危険へ接近することであり、そのリターンとして私は生きている実感を手に入れる。

ある程度、登山やクライミングをまじめにやっている人であれば、誰でも一度は考えることです。言葉にしないまでも、頭の中で漠然と思っている人は多いと思われます。頭の中で漠然としていたことがこの本ではプロセスも含めてきっちり明文化されており、非常にすっきりとしました。



自分を振り返った場合、生への実感という面では、単なるハイキングから、雪山 - クライミング - 冬季クライミングとどんどん厳しい方向に入っていくことによって「生きてる」感を強めていきました。そのうち、より厳しいことをしないと生への実感を感じられなくなってきてしまい、何度かの生死の一線を越えそうな経験から、自然に対する自分の限界が分かり、対象のレベルを上げることをやめました。

代わりに、自然に対して "フェア" という観点から、誰かが打ったボルトを利用するのではなく、ナチュプロしか使わないトラッドクライミングに傾倒するようになりました。根底には、リスクは全て自分で管理したいという欲求があります。著者の言う、リスクを受け入れるということです。

ここ最近はあまり厳しいことをやっていませんが、ぼちぼちまたヒリヒリするような体験をしたくなってきたので、そろそろ準備を始めたいと思っています。



ここ 2-3年、自分が勝手に師匠として慕っている方も、登山とはやや方向性は違いますが、山での行動に対する考え方は著者に似ているところがあります。最大の違いは、著者は猟銃を使って狩猟を行っているようですが、自分のお師匠さんは、それは動物に対してフェアじゃないということで刃物しか使わない点です。今回唯一疑問・矛盾を感じた点はここです。サバイバル登山の考え方はよくわかったのですが、猟銃を使っての狩猟、釣りという行為を楽しむためのテンカラ釣りに関してはよくわかりませんでした。

関連エントリー
サバイバル登山家 (2006/7/12)
290回 地平線報告会 (2003/10/24)


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コメント (2)

どうもです。

見苦しい点をお見せしてしまいすまんです。

もっと頭の中を整理してから書けばいいのに、漠然としたまま書いてしまってドツボにはまりました。

この本に関してはまだまだ言及したい点があるのですが書ききれそうもありません。

とりあえず読んでください。

えのきーの推敲過程が見れておもろかった


 
 
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