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2004年3月 1日

二子山西岳中央稜

2/29(日) に二子山西岳中央稜に、大学の後輩たちと行ってきました。アイスにも行きたかったのですが、手元にスクリューが全然なかったので普通のクライミングに変更しました。天候にも恵まれ、ポカポカの陽だまりクライミングを満喫できました。

朝 5時まで仕事をしていたため、そのまま寝ずに出発。二子山へは下道でのアプローチ。駐車場から 130km と近いものの、途中からはずーっとくねくねした道なので、何だかんだと時間がかかり、所要時間は 3時間ほど。府中街道北上-466-299 と繋ぎました。途中までは運転していましたが、やはり眠くなり、運転は健史にチェンジしました。車はなんとなく車がたくさん停まっているあたりに停めました。

二子山は近年のハードフリーのメッカではありますが、行くのは今回が初めてで、中央稜の基部に行くまででかなりうろうろしてしまいました。初めは <西岳> の看板に引きづられ、西岳への一般登山道を登ってしまって引き返し、次は祠エリアでうろうろし、最終的に祠エリアにいた方に教えていただきました。股峠から東岳へ向かう登山道を少し下りると、ローソク岩への分岐(看板有) があるのでローソク岩方面へ。最初に出てくる岩場が祠エリアの岩場。それを無視してずーっと歩いていくと、坂本とローソク岩の分岐(看板有) があるのでローソク岩方面へ。ローソク岩が見えてきたら適当に岩に向かって直上すれば基部につきます。

祠エリアに東大スキー山岳部の新井さんがいらっしゃり、簡単に挨拶だけ交わしました。会うのは 5年ぶりくらいでしょうか。一度色々と話をしてみたい方ではあります。

今日のメンバーは 4人だったので、孝晃と健史の 2人にリードは任せ、当方は 3番目、ビレーのできない梨里子は 4番目に徹してもらうことにしました。健史-孝晃で 1本結び、リードする方からの 1本を自分に結び、自分からのバックロープを梨里子に結びました。 自分からリードへのロープは、リード交代ごとにいちいち結びかえるのが面倒なので、末端は環付きビナにしました。

まずリードが登り、セカンドがフォロー。リードがビレイ点に付いたら、リードのビレイでセカンド、サードが同時に登り、セカンド、サードがビレイ点に付いたら、次のリードは次のセカンドのビレイで登り、サードは 4番目が上がってくるのをビレイというシステムで行きました。

1P目(健史リード / IV、V-)
トポどおりに上り始めたはずではありましたが、途中から完全に直上。しかも、健史が間違えてトポにある 1P目と 2P目を一気に上ってしまい、一時期現在地をロストしていました。

1P目は出口付近がちょっと嫌でしたが、特に難しいところもなく、ホールドもスタンスも豊富でフレークあり、クラックありといろんなムーブが楽しめます。ただ、フラットソールを履くのも、生岩に触るのも 4ヶ月振りでかなりぎこちない上り方でした。しかも体が重い。

1P目
1P目

2P目(健史リード / V)
トポにある 3P目の核心です。当初 2P目だと思って、孝晃リードで登るものの、核心のクラックで登れなくなり、一旦ロワーダウン。健史にリードを代わって登っている最中に、トポにある 3P目の写真と同じであることがわかり、ここが 3P目であることを確認しました。健史は結局 A0 で核心を抜けました。難しいのは本当にクラックの抜け口だけです。ホールドはまぁ見つけられるものの細かいスタンスに上手く立ち込めず、結局ボルトに足を置いて A0。

2P目核心    2P目核心.jpg
2P目核心

2P目を上がってくる梨里子
2P目を上がってくる梨里子

この辺から展望が開け、高度感抜群のクライミングになります。

2P目終了点より遠景
2P目終了点より遠景

3P目(孝晃リード / IV-)
眠かったので、ほとんど記憶がありません。2P目を上りだす辺りから突然風が吹き出し、飛ばされるほどの強風が時々吹いて、バランスを崩され結構大変でした。

3P目
3p目

4P目(健史リード / IV)
健史はクラックを使わず、脇のフェイスから登っていました。ので当方はクラックを登りました。石灰岩だからか靴が結構滑って、細かいスタンスに乗れないのに困りました(自分が下手だから?)。

4P目    4P目
4P目

4P目終了点より見下ろす
4P目終了点より見下ろす

4P目終了点
4P目終了点

5P目(孝晃リード / III+)
本当に眠くて記憶なし。かなりだるい。ただ景色は素晴らしい。 5P目    5P目
5P目

5P目終了点で実質登攀終了。ザイルを片付け、そのまま稜線まで踏み跡をたどって歩いていきました。下山道への分岐は 2箇所あり、手前は上級者コースとなってます。ので、奥の初心者コースへ。分岐で靴をスニーカーに履き替え、一応山頂にも行き、下山しました。股峠までの下山道は初心者コースとはいえかなり悪い道です。

二子山西岳山頂
二子山西岳山頂

二子山西岳中央稜上部
二子山西岳中央稜上部

下山道
下山道

車を出たのが 11:30、戻ったのが 17:15 でした。登攀開始が 12:15、終了点が 16:30、山頂が 16:55 です。

帰りは道沿いの小鹿荘で入浴し、和食屋で飯を食べ、帰りました。小鹿荘は不思議な趣のあるいい温泉でした。帰りの車では爆睡していたので全く記憶がありません。


2004年3月 2日

[漫画]カモシカ 3巻 - 鎌田洋次

(2004/2/28 鎌田洋次著 双葉社)

カモシカ 3巻

『WEEKLY 漫画アクション』の休刊(2003/9) に伴い終わってしまった、民間の山岳救助隊をテーマにした漫画の最終巻。山岳救助隊モノは『山靴よ疾走れ!!』に続いて 2作目ではありましたが、"民間" という視点が新鮮でした。

今回の巻中も突っ込みどころ満載なのですが、その辺は置いておいて、一箇所気になった会話があったので抜粋します。

状況は冬の槍ヶ岳東鎌尾根で学生パーティが遭難し、民間救助隊としてヘリを飛ばすかどうかのシーンです。A は民間救助隊の社長、B は救助隊のヘリのパイロット、XX は民間救助隊の名前です。

A : 「私はあの東鎌尾根で遭難者が出て欲しい」
B : 「えっ」
A : 「東鎌尾根で遭難者が増えれば関係省庁に山小屋設定の要求を通しやすい」
B : 「あ・・・あんた・・・自分の山小屋を持ちたくて・・・」
A : 「槍ヶ岳は日本の登山文化の象徴だ そこに通じる東鎌尾根にはもっともっと開発の余地がある 山小屋が増えれば登山者にとっても安全で快適な登山を約束できる なあ B・・・ 私についてきて損はないぞ 一生ヘリの操縦かんを握ってるワケにもいかんだろ」
B : 「そんな理由で XX は捜索に不参加か・・・」

フィクションとはいえ、初めて聞く話で、もしこういった考えを持っている民間救助隊があったら怖いですね。中高年の登山ブームとはいえ、山小屋経営で儲けが出る場所は少ないとは思いますが、東鎌尾根に小屋があると確かに一般登山者にとっては便利そうです。



これで現在残っている山岳漫画は月刊連載の『岳 ~みんなの山~-』だけになりましたが、今春に『漫画アクション』として復刊する予定ですので、『カモシカ』も復活するかもしれません。

関連エントリー
カモシカ 2 (2003/10/28)
岳 ~みんなの山~ 1巻 (2005/5/17)



2004年3月 3日

Ice Climbing Competition

先日、カナダの Canmore で行われるアイスクライミングのコンペを紹介しましたが、それ以外にも、北米で幾つか行われていました (茶木さん、情報 thanks!!)。ほとんどのコンペが既に終了していますが、概要だけ抜粋してみます。詳細は Climbing 誌の Link を見てください。

Kayland Celebrates Ice Climbing with La Coupe du Quebec Kayand
Keyland が主催の "La Coupe du Quebec (ケベックカップ?)" です。4回にわたって、ケベック各地で行われ、その合計ポイントでランキングを競う大会で、今年が 2回目だそうです。選手の名前を見ても、無知なため残念ながら全然わかりません。

Seventh Annual Festiglace The North Face du Québec
2004/2/20-22
Pont-Rouge, Québec(Canada)
アイスクライミングだけではなく、チロリアンブリッジの体験やスノーシューの体験、レースも同時に行われたようです。コンペの結果はびっくりですね。スピードもチーム(?) も Will Gad です。このお爺ちゃん一体何歳なんでしょう? ちなみに、層雲峡に来ていたジェロームも参加しています。このコンペではアマとプロに分かれて行われているようです。

4th Annual Montreal River Ice-Festival
2004/2/20-22
Montreal River

6th Annual Agawa Canyon Ice-Fest
2004/2/20-3/1
The Agawa Canyon

上の 2つは、いずれもモントリオール川沿いで行われた大会のようです。詳細が出ていない(ちゃんと調べていない) ので内容に関しては不明です。

"Arc'teryx" Canmore Ice Climbing Festival
2004/3/4-7
Canmore, Alberta(Canada)
先日紹介したものです。Will Gadd や BuBu Bole など日本でも名前が知られたクライマーが出るので楽しみです。その他も選手の経歴を見ていると Ice Climbing の World Cup 優勝者や、M12 を登っている人や、フリーで 5.14b を登っている人などそうそうたるメンバーです。見に行きたいくらいです。DVD 出ないかな~。

Top からリンクが張られている Ice Up は Grivel が作成した Climbing の DVD で、欲しかったので現在 Grivel に問い合わせ中です。

北米だけでもこれだけコンペがあるとは、やっぱり本場は違うな~という感じです。少しでも新しい情報を得るにはやはり横文字に嫌悪感を示しているようでは駄目なようです。頑張って読むかな。ただ、ヨーロッパの情報だと半分くらいはフランス語とイタリア語でどーしようもない場合が多いのが難点なのですが・・・。


2004年3月 4日

満喫秩父の歩き方 みなみらんぼう

(2004/2/26 17:17-17:40 NHK総合)
満喫秩父の歩き方 みなみらんぼう

みなみらんぼうさんが秩父ガイドの島田雄介さんとゲスト数名と秩父の破風山に登るという内容。冬とはいえもう花も咲いておりロウバイやスイセンが紹介されていました。山頂では酒を飲みつつゲストの方が用意してきた手料理を食べて下山というとりとめのないハイキングです。

内容は完全にハイキング。最後には、今回の山行を題材にした歌まで歌っておりました。もともとシンガーソングライターだったんですね、この人。ハイキングもたまにはいいかなとも思いますが、今の時期は花粉症の身にはちょっと辛いです。

みなみらんぼうさんと言えば、今の中高年のハイキングブーム、百名山ブームを作り出した張本人の片割れです。数年前に NHK で放映された『中高年のための登山学』や『中高年のための日本百名山』で、主催の岩崎元朗さんのゲストとして登場しました。第 1回目の放映では大菩薩を紹介していたのですが、それ以後、ただでさえ人が多い大菩薩が、物凄い混雑振りとなり大変だった記憶があります。最近になってようやっと百名山ブームは一段落した感がありますが、百名山を終えた人たちが二百名山や三百名山、はたまた、バリエーションに手を出し初めてと、山は前より一層の混雑振りを迎えています。まぁ、1960-70年の登山ブームにはかなわないと思いますが。テールリッジが大渋滞というのは避けたいですね。

それにしても破風山って予想以上に景色いいですね。


2004年3月 5日

こちら愛! 応答せよ

(2003/5-6 1-4巻 上原きみ子著 講談社漫画文庫)
こちら愛! 応答せよ

オリジナルは 1984-87 に発売されたものの、廃刊となり、最近復刊して入手できました。

高校に入学した愛(女の子) が山岳部に入り学年を重ねるごとに進歩して行き、最後は K2 に登ってしまうという少女漫画ならではの飛躍の激しい漫画です。もちろん少女漫画なので恋愛が常に話しの中心にあり、先輩を巡ってだったり、先輩が巡ってだったり、果ては顧問やら、隣の幼馴染など、登場人物が全員絡みます。

そんな中で絶えず出てくるフレーズが「恋人とはザイルを組むな!! 」という迷信です。新田次郎氏の小説やその他もろもろの本でも散々出てきているので、昔ははやっていたのかなとも思っていたのですが、最近出たロクスノの No23 で、雲表の兼原夫妻のインタビューが出ており、その中でも "妻とは山に行かない" といったことが書かれていました。そう考えると満更迷信でもなく、現実的に捉えてる人もいるんですね。とはいえ、山野井夫妻や南裏夫妻など第一線でもバリバリ登っている夫婦の方もいらっしゃいます。以前有名登山家の奥さんについて調べたことがありましたが、大抵はやっぱり山に登ってるんですよね。アルパイン系のクライミングをやっていく上では、奥さんもそれなりにやってる人のほうが理解を得やすいのかもしれません。その辺も賛否両論あるようですが。山屋の三大北壁(就職、結婚、出産) をどう乗り越えようか模索中です。

この漫画を読んで、部活内のどろどろした恋愛関係はどこも同じなんだなぁと、昔を思い出してしまいました。


2004年3月 6日

八ヶ岳・旭岳東稜 1日目

山岳会の会山行で、6人で八ヶ岳の旭岳東稜に行ってきました。

今週も仕事が臨戦態勢で、先週同様徹夜明けのまま直行。ICU で孝晃を拾って、清里の美しの森駐車場へ。ここで伊藤さんカーと合流して出発準備。天気は雪がぱらぱらと断続的に降っている感じです。

美の森駐車場で出発準備
美の森駐車場で出発準備

美しの森からは林道を約 2:30 で取付の出合小屋に着きました。積雪は20cm くらいでうっすらと今朝のトレースがありました。

林道途中 林道途中
林道途中

出合小屋
出合小屋

出合小屋で権現東稜、上ノ権現沢、旭東稜、赤岳天狗尾根に分かれます。先行者のトレースは権現東稜に伸びていました。ので、ここからは完全にラッセル。尾根の末端ではなく、少し右側からまいて、傾斜の緩くなった辺りから取り付きました。積雪は膝から腿くらいの積雪で、天気は相変わらずぱっとしない曇った天気でした。

尾根をラッセル
尾根をラッセル

出合小屋を出たのは 13:00 でしたので、とりあえず行けるところまで行こうということになり、後から追いついてきた、"トマの風" の 3人パーティと交代でラッセルしながら進みました。

16:00 ころにテン場を探しながら進んで行き、ナイフリッジになるギャップの手前がいい感じではありましたが、ナイフリッジの偵察がてらに結構進んでしまい、ナイフリッジを越えたところに尾根がやや広くなった箇所があったので、そこで幕営することにしました。ちなみに、この手前で茶木さんのアイゼンが壊れ、ワイヤービナをばらして修理に励んでいましたが上手くいかず、結局細引きとアロンアルファで応急処置をしていました、"トマの風" の方々はナイフリッジ手前の箇所にテントを張っていました。

ナイフリッジ手前
ナイフリッジ手前

今回は 2人ずつに分かれてツエルトで泊まりました。久々のルエルトはやっぱり狭く感じました。"テントでいいやん" とも思いましたが、まぁたまにはいいでしょう。でも水作りや、夕食準備も全部外でやったので、結構寒かったです。

夕飯準備中
夕飯準備中

美しの森(10:30)出合小屋(13:00)-ナイフリッジ手前(16:30)


2004年3月 7日

八ヶ岳・旭岳東稜 2日目

2日目は 7:30 出発。朝食を取ってるときに、"トマの風" パーティに抜かれました。

2日目も樹林帯の中をひたすらラッセルで、1ピッチ行ったところで "トマの風" パーティに追いついてラッセル交代。五段ノ宮手前の雪壁が結構悪く、凍った草付きを直上している感じでした。

ラッセル、ラッセル
ラッセル、ラッセル

五段ノ宮は直上するルート(IV) と左からまくルート(III) が有るのですが、今回は直上しました。3人、3人にパーティを分け、当方は先行パーティで行くことになりました。"トマの風" の方々は左からまいて行かれました。当方パーティが時間がかかって、お待たせしてしまいしまいすいませんでした。

1P目(えのきど。リード)
取り付き左の上部から残置シュリンゲが垂れていたので、+ 茶木さんが昔行ったときはそっちから行ったとのことで、当初そっちから取り付きましたが 岩に上手くスタンスが取れず、バイルのフッキングの効きもイマイチで、2歩目が出せずに断念。一旦下り、右側のブッシュから木登り気味に直上しました。1P目は 5段ノ宮と言われるように岩が 5段積み上がっており、各段にはきのこ雪が載っています。きのこ雪を壊そうにも、新雪部分は払えるものの、根元の箇所は結構固く、バイルでも歯が立ちませんでした。1段目は右側から木登りで段上(きのこの上) に出て、2段目はラッセル気味に正面から直上。3段目の岩場が結構シビアでバイルのフッキングと微妙なバランスで越え、4段目は右側の狭いバンドを木を上手く使って、バランス注意で斜上、5段目はラッセルで直上して真ん中の立ち木にビレーしてザイルいっぱいでした。

五段ノ宮 五段ノ宮の登攀ライン
五段ノ宮(赤線が登攀ライン)

1P目フォローの Wイトー。
1P目フォローの Wイトー。

2P目(伊藤さんリード)
ナイフリッジをラッセル、木登りでザイルいっぱいまで。

伊藤さん 2P 目リード
伊藤さん 2P 目リード

3P目(孝晃リード)
ナイフリッジをラッセル、木登りでザイルいっぱいまで。この辺は両側がスパッと切れ落ちており、高度感抜群でした。

孝晃 3P 目リード
孝晃 3P 目リード

4P目(孝晃リード)
伊藤さんの調子がイマイチだったので、時間短縮を考えここから先は、孝晃はノーザイルで、当方と伊藤さんはコンテで進もうと考えたのですが、山頂直下で岩壁を左にトラバースするあたりがちょっと嫌な感じでしたので、そこだけスタカットに変えました。山頂直下の立ち木でビレーして登攀終了。あとは 10m 程斜面を登って旭岳山頂でした。

キノコ雪の雪稜
キノコ雪の雪稜

しかし本当の試練はそこからでした。稜線に出てからはとにかく風が強くて寒く、濡れてるものは一瞬でぱりぱり、手や鼻の感覚がなくなるのはあっという間でした。孝晃に伊藤さんのフォローをしてもらいつつ、当方はルーファイとラッセル。とにかく本当に風が嫌でツルネ東稜の下降を始めるまで風を防げるところがまったくありませんでした。

かすかに赤岳 権現岳
右手にはかすかに赤岳 / 左手には権現岳

ツルネ東稜を少し下ったあたりで休憩して、後続の茶木さんパーティと合流、時間は既に 16:00。少し間食してから下山開始。

ツルネ東稜でも少しやられました。何の疑問も持たずにトレースを追って下山を始めたのですが、途中でいつの間にか間違ったトレースに引きづられてしまい、地形図上の顕著な尾根の二俣を右に入ってしまっていました。間違ったトレースを戻ってきた先行の赤岳天狗尾根のパーティに教えてもらいました。結局あれこれうろうろしているうちに 30分ほど時間をロスして正規の尾根に戻りました。やっぱり地形図はきっちり見てないと駄目ですねー。

ツルネ東稜より旭と権現
ツルネ東稜より旭と権現

そこからは、孝晃-坂本さん、当方-鶴田さん、茶木さん-伊藤さんペアで下山。日没も近いのでシリセードを交えつつ飛ばしました。途中鶴田さんがシリセードで止まれなくなり吹っ飛んでいったのにはちょっと焦りました。鶴田さんシリセード禁止!!

残照の赤岳
残照の赤岳

出合小屋に着いたころは満月とはいえ既に真っ暗でした。小屋でギアの整理をしてから解散。各車ごとに分かれました。当方はもうばてばて、林道途中で 3回も止まってしまい孝晃をちょっと待たせてしまいました。すまん。残業を終え、駐車場の車についたのは 20:50 でした。

帰りは、この後 八ツに 10日間篭る孝晃と小淵沢で飯を食ってから孝晃を駅で下ろし、帰京しました。仕事が残っていたので会社に直行しようと思ったもののさすがに眠く、双葉 SA で 2時間ほど仮眠してから出社しました。

色々と反省点の多い山行でしたが、やっぱりゲレンデチックなところよりはルートの方がこれぞアルパインという感じで充実しますね。

反省点
(全体)


2004年3月 8日

凍傷

凍傷の指 かなり腫れています。
凍傷の指。第一関節上半分が黒く変色。かなり腫れています。

今回の山行は反省点が多かったですが、個人的な反省点の 1つとして、"凍傷" が挙げられます。

原因は明白で、濡れた(凍った) 状態で風に吹かれたのが原因です。オーバーミトンがぼろぼろで防水性能ゼロの状態で、ラッセルやらリードをしているうちに、インナー手袋ごと濡れて凍りました。さらに、旭岳-ツルネ間の頂上稜線で、気温は -10度前後でそれほど低くは無かったのですが、風が 15m 前後吹いており、この風に 30分程ではありますが、さらされていたというのが原因でしょう。

ツルネの頂上から少し下ったところで手袋を外したところ、指は全部真っ白で腫れていました。ここで手袋を乾いているものに交換しましたが少し遅かったようです。

過去にも同様の状況には何度も遭遇しているのですが、ここまでひどい凍傷になったのは今回が初めてです。油断していました。温湿布を巻いておきたいのは山々ですが、タイピングが仕事なのでそういうわけにもいかず、どーしたことやら。多分病院へ行った方が良いと思うのですが、どなたか都内で凍傷治療で有名な病院をご存知でしょうか?

追記
調べたところ、以下の医師が凍傷の権威だそうです。(はないさん情報 THX)
整形外科 金田正樹医師
向島リハビリクリニック
墨田区東向島 2-36-11
03-5630-6555
診察日(水・金 午前中(9:00-12:00))

白髭橋病院
東京都墨田区東向島 4-2-10
03-3611-6363
診察日(月・木 午前中(9:00-12:30))

いずれも予約の必要は無いそうです。山野井さんがギャチュンカンで凍傷を受けたときの先生がこの方だそうです。入院施設は白髭橋病院にしかありません。

現在の症状
凍傷 2度 (黒く変色して腫れている)
右手中指第一関節、薬指第一関節
左手人差指第一関節

凍傷 1度 (腫れていて感覚なし)
右手人差指第一関節、中指第二関節、薬指第二関節
左手人差指第一関節、中指第一関節


軽い凍傷 (腫れていて痺れがある)
右手親指第一関節、子指第一関節
左手親指第一関節、子指第一関節



2004年3月 9日

凍傷 2日目

水泡が膨らんできました
水泡が膨らんできました

ただでさえぱんぱんなのに、水疱が出てきました。指先に感覚はまだありませんが、結構痛いです(?)。キーボードは親指だけで打って仕事しています。なんだか初心者に戻った気分です。

鼻のほうはじんじんと痛みが出てきました。風が吹いていた左半分だけ綺麗に黒くなっています。鼻水が出てても感覚が無いのでわからないのがちょっと困ります。

メンバーの症状(自己申告)  
  I さん T さん S さん
症状
 
右手
親指第一関節先水泡(中)+痺れ
人差指第一関節先水泡(中)+変色(青)+痺れ
中指第二関節先水泡(大)+痺れ
薬指第一関節先水泡(中)+痺れ
小指指先水泡(小)+痺れ
左手
中指指先痺れ
薬指指先水泡(小)+痺れ
小指指先水泡(小)+痺れ
いずれも変色はなく、痺れる感じ
右手人差し指第一関節から先
左手小指第一関節から先
左手薬指第一関節から先
左右小指以外の第一間接から先が若干腫れていて、軽く痺れている。色はあまり変化ナシ。深爪のような痛
み。
 
考えられる原因 ・アウター1組、インナー(フリース3組)
ラッセル時発汗でインナーを濡らし、稜線で風に当ったのがいけなかったと思います。但しアウターは(モンベル・ゴア1枚)はガビガビでした。登攀中かつてない痺れ、痛みを感じていましたが、インナーを替えてもダメだろうと放置したのが更にいけなかったのでしょう。インナーは吸水性に優れたウールのほうが、良かったかもしれません。アウターの替えを用意しなかったのも×でした。アタック用の3レイヤ-を用意するのがベストかなと今は考えています。
思ったより気温が低かった。モンベルの3レイヤーの手袋の下にさらに中厚の化繊手袋をしたがモンベルの手袋は保温力が低い。化繊手袋は登攀前に交換した。 登攀前にインナー手袋(ウール)を替えたが、アウターの内部指先付近は凍っていたので交換した効果が少なかった。
アウターも交換すれば良かったと思います。今回、インナー(ウール)3set/アウター1setでした。
  当方 C さん I さん
症状
 
(黒く変色して腫れている)
右手中指第一関節、薬指第一関節
左手人差指第一関節

(腫れていて感覚なし)
右手人差指第一関節、中指第二関節、薬指第二関節
左手人差指第一関節、中指第一関節


(腫れていて痺れがある)
右手親指第一関節、子指第一関節
左手親指第一関節、子指第一関節
舌の先端の皮膚(3×5mm四方)が剥けた。 なし
考えられる原因 インナーもアウターも凍っていた状態で稜線で風に吹かれた。
(Mello's のオーバーミトン(ぼろぼろ) / TNF 厚手のフリース手袋)
 
カラビナにロープをクリップする際にカラビナを口に加えたところ、舌がカラビナに触れたらしく、舌の皮膚が剥がれた。しばらく、口中血だらけ。 唇等、皮膚の他の部分に触れなかっただけでも幸い。凍った金属に皮膚を付けてはいけないことを改めて実感。
 
PAINE のオーバーミトンとウールの厚手の手袋

何だか約 1名変な怪我をしてる人もいますね。カラビナをバラしたから罰が当たったのでしょう。



2004年3月10日

向島リハビリクリニック

オパルモン(血管拡張剤)
オパルモン(血管拡張剤)

念のため、皆さんお勧めの金田医師がいらっしゃる向島リハビリクリニックに行ってきました。

診察は 5分ほどで終了。無造作にぶにぶにもまれてチェックしてから、ひどい箇所だけ消毒して、ガーゼを巻きました。あと、飲み薬としてオパルモン(血管拡張剤) をもらいました。

診断結果は全治 3週間でその間は岩雪酒厳禁で、指先を冷やさないようにとのことでした。今月はもう山には行けなさそうです。アイスのシーズンが終わってしまったので山スキーに切り替えようとした矢先でちょっと残念です。うーん。


2004年3月11日

旭岳スキー場、雪崩で男性重体 札幌の養護学校教諭、コース外を滑走中

ソース

少し古いニュースですが、相変わらず多いですね、スキー場 "付近" での事故。スキー場のそばだからということで油断してしまうのでしょうか。そんなにオフピステが滑りたいならきちんと山スキーをやればいいのにといつも思ってしまいます。

全然関係ない話ですが、大昔に夏の大雪・旭岳に行ったとき、山頂から雪渓をテントマットで滑ったことがあります。気持ちよかったので、夜中にもう一度登り返し、ヘッドライトを付けて月明かりの下で再度滑りました。


2004年3月12日

凍傷 5日目

凍傷 5日目

凍傷のひどい部位は赤黒くなり、表皮は薄黒い染みのような感じとなっており、触るとかちこちです。両手とも親指と小指以外は第一関節の感覚がしびれた感じでまったく戻りません。

鼻は表皮が一枚脱皮しましたが、下部は指同様かちこちです。

ちなみに血管拡張剤を飲むと指先がややぽかぽかして手のひらに汗をかく感じになります。



2004年3月13日

ROCK&SNOW NO.23 2004春号

(2004/3/6 山と渓谷社)
ROCK&SNOW NO.23 2004春号

トピックをかいつまんで感想などを少しだけ。

- ボルダーエボリューション
小山田さん、室井さんの記事が中心。フレッド・ルーランのインタビューも内容はボルダーですね。外岩でのボルダー経験が全くないので、まじめに読んでみて、シカとかバリとかグルーなど知らない単語が結構ある事がわかりました。

また小山田さんのコメント「クリップ動作が入るということは、まだムーブに余裕があるからで、難しさの追求はボルダーかトップロープ、フリーソロでしか、なし得ないんじゃないかな。」には一理あるなぁと納得。

- ヌプツェ東稜 南東ピラー初登
ヒマラヤのメジャーな山にもまだまだ未踏のバリエーションルートが残っているようですね。彼らは 3度目のトライでの登頂とのことで、その執念は凄いと思いますが、職業が登山家だとすると当然とも思えます。社会人になってしまうと、ヒマラヤのバリエーションには生涯に 1度行けるか行けないかではないでしょうか? 登ることより行くまでの方が大変そうです。

- エル・キャピタン ゾディアック フリー初登
相変わらずフーバー兄弟は凄いですね。フリーでここまでやっていながら、アルパインもアイスもヒマラヤの高所登山もと本当にトップレベルのオールラウンダーです。最後の写真を見る限りではとてもクライマーには見えません。アメリカでハーレー乗り回してるおっさんに見えます。

- 兼原慶太&佳奈 インタビュー
今回の記事では一番衝撃でしたね。コメント幾つか抜粋
「フリー、ボルダー、ビッグウォール、アルパインに足を突っ込んでいて、それぞれをそれなりにこなすから「あんたすごいね」ってのはダメですよ。これはまさにマスコミ的評価で、「20歳で 7大陸最高峰登ったね、すごいね」ってのと同じですよ。」

「ボルダーをやるなら、やはりボルダラーのなかで評価されないとダメですよ。アイスクライミングやるなら、本気でアイスやってる人々と同じように登らなきゃ。どれもある程度できるってのは、どれも全然ダメというのと同じですよ。まあそういう人がいっぱいいますけどね。どれもできて、さらに世界レベルだったら本物でしょう。」

「僕なんか何人もやめさせてますよ。センスないからやめたほうがいいって。」

「僕にとってはナンセンスですよ。だって 5.9 が登れたら 5.10 が登りたいじゃないですか。5.10 が登れたらいきなり 5.11 でもいいんです。」

「どんどんグレードを追いかけていっていいんですよ。ルートの質なんてどうだっていんです。いいルートを味わって登るのなんか、老後にでもやればいいじゃないですか。」

「まあ 5.14 くらい当たり前でしょ。だって、今どきいくらでもいるでしょう。世界じゃ 5.15 ですよ。」
とんでもないことを言ってるようにも思えますが、ちゃんと実績を伴っているので凄いですね。年齢が自分と 4日しか違わないので、これからの自分のクライミングに関して考えさせられました。ちなみに今月のカムに、彼が所属する雲表の紹介があり、正会員の条件として1年以内に [夏のアルパイン 5級以上 3本、冬のアルパイン 3級以上 3本、フリー 5.12a 以上 3本] というのが載ってますが、どのくらいできるもんなんでしょう。

- ペルー・アンデスクライミングガイド
来年の夏に行こうと思っているのでかなり参考になります。とりあえずピスコ、ワスカラン、アルパマヨ、キタラフを考えています。

-ニューシューズ インプレッションズ
中根穂高さんによる 17足の最新クライミングシューズのレビュー。随分メーカーが増えましたね。アルパイン用の靴を探しているので 5.10 の ESCALANTE が琴線に触れました。

- その他 (1行コメント)
・ 5.10 の広告の Dean Potter、Freerider(5.12d) をフリーソロしてます。
・ スイスと層雲峡のアイスコンペ。三和さんのレポートが出てます。
・ 「ソロクライマー鈴木謙造遺稿集」。買うべし。- 見向きもされず、自分自身も何も考えず、ただ登るのが理想 -。
・ カネコロン、今年登った人いたんですね。YCC の高橋、佐野ペアです。
・ 新連載カラファテガールズ。何なんでしょう、このべたべたな記事は。
・ 新井さんの記事読んで、痩せねばと思いました。自己管理きちんとしないとなぁ。


2004年3月14日

清掃集会 2004 @広沢寺

清掃集会 2004 @広沢寺

[広沢寺の岩場を守る会] が主催の清掃集会に参加してきました。岩場周辺の掃除がメインかと思いきや、どちらかというと伐採した竹の運搬作業が中心でした。伐採した跡地には椿を植えるそうです。10:00-12:00 のあいだ清掃組みと運搬組みに分かれて作業を行いましたl参加者は 100名弱で結構な人数でした。

都市近郊のゲレンデは大抵が私有地なので、クライマーのマナーが悪い場所ではしょっちゅうクライミング禁止になっており、そのたびに地元の山岳会等が代表になって地主に謝りに行くというパターンが多いです。そういった意味でも、ゲレンデはマナーよく使いたいものです。特に問題になるのがトイレと駐車場の問題です。始めて行く岩場の場合は山渓から出ている「日本百岩場」を一読してからいきましょう。その辺の注意点がちゃんと書いてありますので。


2004年3月15日

広沢寺

上部のルーフでアブミ中 伊藤さんのお子さん(小1)
上部のルーフでアブミ中 / 伊藤さんのお子さん(小1)

清掃とはいえ、せっかく岩場に来たのに登らないで帰るのはもったいないとのことで、会の見学にいらっしゃった勝部さんや子連れの伊藤さんを交え総勢 7名で弁天岩へ行きました。とはいえ、当方凍傷で指先が全く使えないので、指先を使わなくても何とかなりそうな、人工登攀とドライツーリングの練習をしました。

人工は上部のルーフをまだ登ったことがなかったので、ハッシーさんリードで取り付きました。ルーフまでスラブを 50m 程上がらないといけないのですが、手袋をしてると細かいホールドが全然持てず、しかも指の感覚が全くないので結構怖かったです。

あぶみを使うのも久々で、ボルト間が結構遠く、最上段に乗ってもぎりぎりというのが多かったです。

あいかわらず岩場はすだれ状態でしたので、すくのを待って最後にバイル+フラットソールでドライツーリングの真似事をしてみました。傾斜の緩いスラブなので難しさは全くありませんが、フッキングの感覚を試すだけでしたのでちょうど良かったです。予想よりも結構効きました。指がかからないようなボルトが抜けた穴なんかにもしっかりと効きます。やっぱフュージョンはいいですねぇ。今度はトルキングができるようなクラックや垂壁以上の場所で試す予定です。


2004年3月16日

デジカメ

デジカメで試写
デジカメで試写。普段はこいつと向かい合って仕事しています。

2月に北海道でデジカメを紛失してしまったので、新たに購入しました。携帯にもカメラがつい付いてはいるものの使いにくかったので、背に腹は代えられず購入。経済的に余裕がなかったので、近くの LAOX で展示品処分セールの品を安く買ってきました。購入ポイントは "コンパクト" "ズーム付き" の 2点で、PENTAX の Optio S にしました。25000円なり。

まだ 30枚くらいしか撮っていないのでなんともいえませんが何点かコメント。

長所
- コンパクト
- 光学 3倍ズーム

短所
- ピントを合わせるときの音がうるさい
- ボタンが小さい
- 電池の充電が、充電池をカメラから出さないとできない

あとは一般的なデジカメと大差ありません。当初は海外でも使えるように乾電池でも使えるモデルにしようかとも思ったのですが、乾電池は専用電池に比べるとどうしても容量で劣るので普段使うときに不便だと思いやめました。

これでデジカメは 30万画素から始まって 12代目でしょうか? 大体 1年~ 2年おきに買い換えています。山でハードに使っていると結構すぐ壊れてしまいます。一番ひどかったのが富士山でガイドをしていたときで、砂の影響で半年で壊れました。その頃からデジカメは消耗品という位置づけです。

ただ紛失したのは結構ショックでしたのでストラップに小ナス環をつけました。山に入っているときはどこかにつけておくつもりです。


2004年3月17日

ツアー登山遭難死、添乗員に有罪判決 札幌地裁

ソース

妥当な判決だと思います。ただ 1点引っかかる点として、引率者が "山岳ガイド" ではなく "添乗員" だということです。引率者が "山岳ガイド" であれば、理由の如何を問わずに即有罪判決が出たと思いますが、"添乗員" だとやや微妙です。このツアーの形式が「健康な方ならどんな人でも羊蹄山に登頂できます。道具さえそろえれば経験は問いません。」という、引率者におんぶに抱っこ形式のツアーであったのか、それとも一般のツアーにあるような「羊蹄山に安く行けます。山中では各自自由行動。」であったのかでも判決の判断基準が分かれるポイントでしょう。ただ、判決で "注意義務を怠り" という箇所があるので、前者形式のツアーだったようです。

また、今回の裁判では「被告一人に多くのツアー客を添乗させた利益優先の企業体質がある」と会社の責任にも言及してますが、これは必ずしもそうとは思えません。引率者の腕次第で何とでもなります。が、弁護側は最終弁論で、「力量の異なるほとんど初対面の10人以上のメンバーを統率するのは不可能。被告が指揮をして全員を一致団結して下山させることは、要求もされていなかった」とあほあほな主張をしているのでそれも望めませんね。起こるべくして起きた事故ともいえるでしょう。2月に北海道に行った際、登山ブームでガイドがいくらいても足りないという話を聞きました。似たような格安ツアーは星の数ほどあるので、もし本当にきちんとしたツアーを臨むのなら、山と渓谷やカムに掲載されているガイドのツアーに申し込みましょう。

富士山でガイドをしていたときは、添乗員さんと 2人で、平均して 30 ~ 40人の人を引率してました。今回の争点となった注意義務である "事前の状況説明" や "集団分散防止" などはガイド組織全体でかなり徹底されていたため、トータル 3000人近い人をガイドしましたが、このような事故はありませんでした。

被告は控訴してますのでまだしばらくは続きますね。最終的にどのような判決が出るのか注目したいと思います。


2004年3月18日

ベーシック・フリークライミング

(2003/7 東京新聞出版社 菊池敏之著)
m040318-1.jpg

クライミングをやる上で、フリーは全ての基礎になるため今年はフリーも徹底的にゼロから鍛える予定で、何かムーブの本でも読もうかなと思い、前著の最新クライミング技術が良かったので買ってみました。感想は・・・。本当に基礎的なことしか書いてなく、しかも中途半端なので本当の本当の初心者にしか必要ないと思われます。ゴジラさん手抜きですな。

ムーブの要点はどんな本でも同じで、いかに足に体重を移すかがポイントです。これを考えながらホールドの持ち方や、足の置き方を考えれば自然と登れるようになります。やっぱり岩場やジム行って上手い人のクライミングを見てるほうが勉強になりそうです。

凍傷の指が治り次第プロジェクト発動予定ですが、毎日 AM2:00-3:00 とかまで仕事してるとジムに行く時間が全然作れず、平日のトレーニングをどうするか考えないと、プロジェクトも破綻してしまいますね。

現在の自分がどのくらい登れるのか不明ですが、いつまでもだらだらやっててもしょうがないので、年内に 5.12a を RP できなかったらクライミングやめます。


2004年3月19日

見果てぬ富士

(2004/3/15 ビジネスジャンプ No.08 田埜哲文原作、二宮亮三作画 集英社 )
見果てぬ富士

今年の始めに NHK で放送された富士山の番組で紹介されていた銭湯絵師・中島盛夫さんの物語。

銭湯自体にほとんど行かないので、富士山が描かれている銭湯にも行ったことがないのですが、銭湯のペンキ絵の描き代は無料で、絵の下に書かれている広告の広告代で収入を得ていたそうです。ローカルな広告が多いだけにそれほどの収入は見込めず、巻末の説明で、他の仕事との掛け持ちで糊口を凌いでいたと書かれているので、銭湯絵師だけで食べていくのは大変なようです。

生まれてこの方、家に浴槽が無いという経験がなかったため、昔は各家庭に浴槽は普及しておらず、入浴は銭湯の利用が中心であったというのは知りませんでした。とはいえ、現在はユニットバスなので浴槽に浸かる気は全く起きません。山に行かない週は温泉に入らないので、浴槽でのんびりしたい時は、どこかの銭湯に行ってみようかな。


2004年3月20日

松原湯

松原湯
松原湯

今週は指がまだ治らない + 仕事がテンパっていたので山はお預け。ので、昨日の今日というわけではありませんが、さっそく、銭湯絵師・中島さんが描いた富士山があるという京王線・明大前駅から歩いて 5分の松原湯に行ってきました。

松原湯は明大前から京王線を上高井戸方面に線路沿いを歩いていけばすぐに煙突が見えます。

浴室自体の構成はたぶん普通の銭湯と同じだと思います。で、目的の富士山は浴室に入った目の前の壁にどーんとあります。富士山は河口湖方面から見た富士山です。前評判どおりスカッと爽快な水色の富士山です。天井や壁も同系の水色と白が貴重なのですっきりまとまっています。しかも男湯、女湯両方から同じ絵が見れるというのはいいですね。

事前に調べたときは赤富士とのことでしたが違っていました。描かれた日付が 2003/10 となってましたので結構頻繁に描き換えているようです。

浴槽の湯温は自分にとっては結構熱く、のんびり入るという感じではありませんでしたが、たまには銭湯に行くのもいいかなと思いました。それにしても浴室で有線がかかっているのはどうかと思いました。


2004年3月21日

凍傷 2週間目

凍傷 2週間目

かちこちになった表皮が一部脱皮し始めました。脱皮してでてきた肌は、赤ちゃんの肌並にすべすべで敏感なため、2日くらいおかないとキーボードを打つのも辛い状況です。右手があと 1本、左手があと 2本脱皮して、他の指みたいになれば完治です。待ち遠しい。



世界遺産 ヨセミテ国立公園

(3/21 23:30-24:00 TBS)
m040321-1.jpg

ヨセミテは氷河によって削られた地形であるという成り立ちの説明と、クライミングに関して少し触れ、最後にヨセミテフォールズの説明をしておしまい。他愛のない内容でしたが、クライミングに関しては、ナッツやカムを使用した自然に優しいクライミングを推奨した内容になっていた点はすばらしいですね。

ヨセミテも、フリーにしろ AA にしろ 1度は行ってみたいですね。


2004年3月22日

週末の遭難

今週末は異様なくらいに遭難が多かったですね。

気象的には土曜の昼に南岸低気圧が通過して、太平洋側では降雪があり、夜半から寒気も入って、日曜朝は各地でかなりの冷え込みを記録しています。

12日
くじゅう連山不明男性、遺体で発見
単独行者の道迷い。

19日
八ヶ岳連峰登山の男性 遺体で発見
所属している山岳会のメンバーの知り合いの知り合いだったようです。完全な初心者だったようで、何で今の時期の八ツに初心者の人が単独で行くかなぁ・・・。

20日
<中央アルプス遭難>会社員、遺体で発見
日帰り登山で道に迷った3人、無事下山 滋賀・武奈ケ岳

21日
富士山7合目小屋で男性死亡 軽装備、遭難の可能性
トモエ館 100m 下の物置って日の出館? この時期の富士山での軽装での遭難は今年 2件目です。1件目

水上町・谷川岳で男性重傷 /群馬

<中央アルプス遭難>自営業の男性も死亡
ここ最近立て続けに宝剣近辺で滑落事故が起きてますね。何なんでしょう。去年同時期に行きましたが、暴風雨で宝剣山荘までで、結局山頂までは行けずじまいでしたので付近の詳細はわかりませんが、微妙な箇所なんでしょう。

那須連峰で高校生が行方不明、22日朝に無事発見
三本槍岳で不明の高校生自力下山 栃木・深山ダム
これは明らかに引率者のミスです。しかも冬山初めての高校生をほぼ置き去り状態にするというのは信じられませんね。反省してほしいところです。

全体的に単独行者の事故が多いですね。何かあった際は全て独力で処理しなければいけない点、リスクは高まります。特にこの時期はどこに行くにしてもビバーク用具一式は携行したいところです。


2004年3月23日

急性暴露テスト 1日目

某さんのつてで、東京・赤羽にある国立スポーツ科学センターで、急性暴露の実験テストを受けれることになりました。実験の目的は、低酸素あるいは低圧環境下で 4日間(テストを除くと 3日間) でどの程度体が変わりうるかを調べることです。

国立スポーツ科学センター
国立スポーツ科学センター

最初に身体測定、採血、血圧、心電図の基礎データをはかり、その後、急性暴露前のテストということで標高 3500m 相当の低酸素室(気圧は同じ) で 3段階の負荷でエアロバイクを漕いで、心拍数、乳酸、SpO2(血中酸素) のデータを取りました。このデータと急性暴露実験を 3日間受けた後のデータと比較して結果を見るのが今回の実験の目的です。

急性暴露前のテスト
急性暴露前のテスト

基礎データを取った後はいよいよ急性暴露室へ入りました。部屋を作るのに 15-30億かかるらしく、日本にも数箇所にしかなく、一般には開放されていません。今日は標高 4000m(600ヘクトパスカル) で 1時間過ごすのが実験です。実際は減圧と復圧に 20分(200m/分) くらいかかるので、部屋の中に 1時間 40分は缶詰です。

昔に富士山で長く生活していたこともあり、高所には結構順応しやすいだろうと考えていました。今日の 4000m も、感覚的には普段とほとんど変化はありませんでした。が、飛んだり跳ねたりすると少し頭がくらくらしました。あとは眠くなりますね。今日一緒に部屋に入った人の一人は高所に弱いらしく、途中からは横になってしまってました。もう一人は海外登山も豊富な方で楽勝といった感じで、色々と山の話ができて楽しく過ごせました。

国立の施設だけあって、施設内はかなりお金がかかっており、どの部屋にもどでかいプラズマテレビ完備でびっくりでした。あらゆるスポーツのトレーニング施設が集約されており、有名選手もよく通っているそうです。こんな施設があるなんて初めて知りました。


2004年3月24日

谷川岳危険地区が登山禁止

谷川岳の危険地区での登山禁止条例が出たようです。谷川のバリを考えてる方はご注意ください。

--------
群馬県谷川岳遭難防止条例第7条の規定により、次のとおり危険地区での登山が禁止となりました。

1 中ゴー尾根を除く危険地区全域
  平成16年3月27日(土)から4月28日(水)までの33日間

2 一ノ倉尾根と一ノ倉沢南稜に狭まれた区域及び中ゴー尾根を除く危険地区全域
  平成16年4月29日(木)から5月9日(日)までの11日間


急性暴露テスト 2日目

当初のスケジュールでは、昨日のメンバーと午後からとのことだったのですが、個人的にスケジュールの折り合いをつけられず、午前中に他の登山家の方と入ることになりました。他の登山家とは、あの小西浩文さんでした。

今日の設定は標高 4500m(560ヘクトパスカル) で、酸素濃度は地上の半分です。

標高 4500m(560ヘクトパスカル)
標高 4500m(560ヘクトパスカル)

25分程で標高 4500m に到達。昨日と同じように最初は結構眠く、うつらうつらしておりました。が、10分ほどで体が慣れたようで、そのあとは地上と全く変わらずいたって快適でした。小西さんは、設定高度になってから 40分ほどデータを取りながらエアロバイクを漕いでました。さすがに強いですね。

小西さんエアロバイク中
小西さんエアロバイク中

小西さんが終わってから 10分ほど、負荷を変えながら(20w-110w 単位は良くわかりません) エアロバイクを漕いでみました。身体的には地上と余り変わらない気がするのですが、脈拍はすぐに 60 から 160 へ跳ね上がり、SpO2(血中酸素) も 85 から 45 へと結構やばい数値まで行ってしまいました。脳細胞をだいぶ殺しちゃいました。ただ、頭痛や体のだるさは感じられませんでした。

そんなこんなであっという間に 2日目も終了しました。小西さんとはほとんど会話をしませんでしたが、気さくなおじさんでした。秋に 8000m を考えているそうです。


2004年3月25日

山野井通信

山野井通信が更新されておりました。

フリーの成果として、伊豆で 5.12b のクラックルートを登っています。得意、不得意があるとはいえ、凄い早さですね。今号のロクスノで紹介されている、彼が開拓したルーフクラックでしょうか?

その後、一ノ倉岳に突き上げる、一ノ倉沢 4ルンゼにも友人、奥さんと行かれてます。何だかんだ言っても、3:20 とかなりのスピードですね。来月は穂高か剣だそうです。もう一般のアルパインクライマー並には回復してますね。

また、本(垂直の記憶 3/26 発売?) の出版にあわせてメディアに登場するそうです。

産経新聞 3/29 - 4/2
週刊現代 4/10 頃


急性暴露テスト 3日目

朝方 4:30 まで仕事が残ってしまい、朝起きれずに 9:30 の集合時間には間に合いませんでした。ので今日は途中から減圧室の前室に入って 5000m(540ヘクトパスカル) まで行きました。最終的には前室から減圧室に移る予定だったのですが、機械の調子が悪く、気圧を上手く揃えられず、移ることができませんでした。まったく同じ気圧にならないと扉は開かないシステムになっています。

昨日 4500m まで行っていたからか、5000m まで行っても特にこれといって変わった感じはせず、空気の薄さが少しわかる程度でした。頭痛やだるさもありませんでした。

5000m(540ヘクトパスカル)
5000m(540ヘクトパスカル)

今日は遊びでポテトチップスを持ち込んでみたところ、4000m 前後で破裂してしまいました。めったに入れるところではないので、もう少し色々考えて持ち込んでみても楽しかったかもしれません。

ポテチ破裂
ポテチ破裂


2004年3月26日

急性暴露テスト 4日目

低圧室
低圧室

低圧室でのテストは昨日で終了し、今日は低酸素トレーニング室で 1日目に行ったのと同じ条件で同じテストを行いました。結果を比較、分析してレポートにするそうです。分析結果等は後日郵送されて来るそうで、それまではどうであったのかはわかりません。テスト自体が 4日間と短かったのと、それほどの負荷をかけなかったので、体感的には向上したかどうかはわかりません。

今月のカムに、この分野の権威である山本正嘉さんによる低酸素室でのトレーニングによる、アコンカグアの登頂実験のデータが出ています。結果を見る限り、低酸素室だけのトレーニングでもかなりの効果があるようです。また、今回一緒に入ったセブンサミッターの山田さんの話だときちんと順応していけば、チョモランマの一般ルートでも、ベースキャンプまでの順応がいらない分、3週間で落とせるそうです。

また、今回 2種類の採血をしたのですが、血圧が低いからか、注射器による採血も時間がかかり、また耳に穴を開けての採血も一発で決まらず、今日は 4箇所も穴を開けられる始末で大変でした。

実験後、ここにはめったに来ないだろうとのことで、今回一緒に実験を行った東大スキー山岳部の相田さん(?) とスポーツセンターの食堂へ行きました。ここの食堂はアスリート向けの食事を提供しており、全てのメニューに細かいカロリー表示がついており、どれだけカロリー、栄養素を取ったのかが明確にわかるようになっています。何を食べたらいいのかわからない人向けのセットメニューもあります。とはいえ食券は主に 2種類だけで、パワーランチとコンディショニングランチです。パワーランチは基本的に全てのメニューが食べ放題、コンディショニングランチはおかずが決まっており、ごはん、スープ、サラダバー、ドリンクバー食べ放題です。

食券機 セット例
食券機 / セット例

味の方はいたって普通の味でした。女性のアスリートが信じられないくらいの量を食べてるのにびっくりでした。4月頃から本格的にトレーニングを始める予定なので、そろそろ食事制限やカロリーチェックを始めた方がいいかなぁ。

食堂
食堂

今回の実験の資料


2004年3月27日

Top Climber's Books

Top Climber's Books

ロクスノ No. 23 で紹介されていた "今" の日本の Top クライマーの本 3冊を一気に読破しました。それぞれが個性的で内容も濃すぎて、お腹いっぱいどころか、全然消化できていない状態です。最低でもあと 2回くらい読まないときちんと消化できなさそうです。

- ユージ★ザ・クライマー
- 垂直の記憶
- ソロクライマー鈴木謙造遺稿集

それぞれについてと、それぞれの比較に関してはまた後ほどまとめてみたいと思います。


2004年3月28日

八ヶ岳・摩利支天大滝

廣川健太郎さんと龍峰の石田さんにくっついて八ヶ岳・摩利支天大滝に行ってきました。廣川さんが秋に出されるというアイスの本の取材に混ぜてもらった感じです。

前夜に韮崎駅で湯河原から直の廣川さんに車で拾ってもらい、石田さんと諏訪南IC で合流し、赤岳山荘の駐車場にテントを張って宴会。廣川さん凄い食べます・・・。

翌日は保科さんの講習会の取材もあるとのことで、保科さんに合わせて 8:00 に出発。アプローチ途中で鈴木昇己さんパーティとも遭遇しました。南沢大滝で講習会とのこと。

手ぬぐいが巻いてある小木が摩利支天沢への分岐。摩利支天方面は月曜に降ったと思われる雪で真っ白。八ツだからトレースがあるだろうと高をくくってスパッツをしてこず、沈んだ気分で交代交代で大滝までラッセル。大滝取付着 10:40。

ラッセルで摩利支天大滝へ
ラッセルで摩利支天大滝へ

保科さんがさっそく中央右よりのラインでリードして講集会用に 2本のトップロープを張りました。保科さんはさすがというお手本のような綺麗で安定したクライミング。スクリューも図ったように綺麗に 3-4m おきに打たれています。が、滝上で水流を掘り出してしまったらしく、凄い音とともに水流が降ってきました。その後雪で埋めてしまったようです。

保科さん、さすがの安定したリード。
保科さん、さすがの安定したリード。

こちらのパーティは、廣川さんが滝の裏から登り、表に回って中央左寄りのラインで滝上に抜けて、トップロープ 2本をセットしました。廣川さんは腕に結構来ているようではありましたが、ベテランらしい危なげないクライミングでした。左寄りは、裏に細いツララや上部にもつららがあったりとラインを変えて色々遊べました。が、3本しか登らなかったにもかからず腕に結構来てしまい、4本目にツララを登ろうと思って取り付きましたが、途中で腕が死んで引き付けられずジエンド。5級の氷を実感しました。ムーブを考えたり、リードしていたらなどを考えながら登りましたが、アイスは北海道以来の 1.5ヶ月ぶり、クライミングからもだいぶ遠ざかっていたのでムーブはもうばらばら。もっと考えて登らないと、5級のリードは難しいですね。

TR で遊ぶ
TR で遊ぶ

石田さんはダブル MIZO で北海道の虎仮面さんを彷彿とさせる装備でパワフルに登っておりました。廣川さん' son の高久君はアイスはそれほど得意ではないらしく、大人しめに登っておりました。

廣川さんが色々とバイルを用意されていたのでとっかえひっかえ試してみました。こちらは後ほど別にまとめたいと思います。

15:30 くらいまで粘ってから撤退。保科さんパーティのザイル回収時に上から雪崩を誘発し、結構な量の雪が落ちてきてました。帰りは高速道路状態の一般道を赤岳山荘へ。山荘のおばちゃんに挨拶し、樅の湯に寄って温泉に入り、地元の石田さんの先輩と合流して上里牧場で焼肉を食べて帰京しました。廣川さん運転お疲れ様でした。石田さんの先輩(名前失念) は某きのぽんに勝るとも劣らない体格の持ち主で体格同様の豪快な方でした。昨年黒部を犬と逆横断したパーティのサポートをした方だそうです。

赤岳山荘から阿弥陀岳
赤岳山荘から阿弥陀岳


2004年3月29日

バイルレポート 3 + アイスセリー

今回の山行で、廣川さんが持ってきていたバイルを色々振れましたので感想なんぞを書いてみたいと思います。プラス、念願だったアイスセリーも履けましたのでついでに。前回前々回同様、ドシロウトのたわごとなのであくまでも参考までに。

左から、TAA-K-OON、RACING WING、coyote、AWAX
左から、TAA-K-OON、RACING WING、coyote、AWAX

Grivel
TAA-K-OON
Grivel の Web の Product News に出てますが詳細は不明です。シャフトは 3段階に複雑に曲がっており、グリップも指全部で握るのではなく、ストッパーで人差し指だけ分かれます。形は一応人間工学に基づいているそうです。使った感じでは可もなく不可もなくといった感じでした。

RACING WING
ロクスノ No.22 に出ているモデルとも Grivel の Web に出ているモデルとも違うので Version 3 ? グリップが半円形になっているため、傾斜にあわせて、持つ位置を変えて振れるというのが売りのようです。層雲峡で江本さんがこのタイプのバイルを振っていたイメージが頭に強く残っていたため、腕で振るというよりは、手首を中心にコンパクトに振ったほうが良く刺さる気がしました。が、個人的にはちょっと重いです。Grivel は頑丈な感じがする分重いですね。

Simond
coyote
Scud を軽くしてシャフトをさらに曲げたコンペモデル。Web だと 650g となっていますがもっと軽く感じました。いい感じで刺さります。形がかなりえぐいですが、よく刺さる Fusion といった感じでした。

Camp
AWAX
凄くバランスがいいです。重さも 600g を切っているので、軽いバイルが好きな方にはお勧めできます。軽い割りにヘッドに重心があるため振りやすいです。乱暴に言うと洋物 MIZO といった感じです。シャフトは曲がっていますが、大げさでないので、Charlet の Azter 同様アルパインでも使えるでしょう。

Ice Series
Ice Series

Salomon
Ice Series
現在はこのタイプの靴は 5タイプ(Grivel RACING CRAMPONKeyland Ice CompScarpa PHANTOM ICESalomon Ice Series、BD screw-on Crampons) 在りますが、世界初(?) のアイゼン一体型シューズ。プラグツ+アイゼンの後に履いたので、まずその軽さにびっくりでした。これは反則です。コンペでみんなが履いてる理由が良くわかりました。腹筋、背筋をかなり助けてくれます。アイゼンを蹴りこむというよりは、本当に置く感じで登れました。コンペや高難度ミックス、ドライツーリングにトライされる方は即買いでしょう。ただ、本州では入手しにくいのが難点でしょうか。


2004年3月30日

高みへのステップ - 登山と技術

(1985/文部省著 東洋館出版社)
高みへのステップ - 登山と技術 柳澤先生のサイン
柳澤先生のサイン入り

ふとしたことからビッグウォールでのクライミングシステムを調べようと思い、手元の技術書を色々漁ったものの出ておらず、そのついでにこの本にも久々に目を通しました。

この本は文部省登山研修のテキストとして使われているとされているものですが、実際はまったく使っておりません。文登研(もんとけん/ぶんとけん) に参加したことが有る方なら誰でも持っていると思われますが、550ページ、いろいろな意味でうーんといった内容に完全に読破している人は少ないのではと思います。

はっきり言ってしまうとこの本は "古い" です。が、それを補って余りある物が、冒頭及び第 1章 "登山の基本的な考え方" に書かれています。山の "古典" を読めばどこにでも書いてあるような内容では在りますが、最近の本にはとんと目にしなくなりました。ただ 1点、"女性が足手まとい" になる原因として、"体力差から来る行動の難しさ、女性の自己中心的な考え方、協調性のなさ、極端な意地っ張り、甘え、などである" なんていう箇所は偏見がかなり入ってますね。

その後の登山と自然、登山と医学、登山の準備などはまぁ読めるものの、その後の無雪期の登山、積雪期の登山、登はん技術に関してはちょっと古すぎますね。確保は全て肩がらみですし、8環での支点ビレイやボウライン結びでのハーネスへの連結等、今では余り推奨されないような技術まで載っています。

せっかく登山に関する項目全てを網羅しているのですから、しかも国が編集していることもあり、1600円と手ごろな値段なので、是非最新技術、最新情報にアップデートしてくれることを望みます。

結局、ビッグウォールクライミングについてはわかりませんでした。昔の岩と雪を漁るしかないかなぁ。


2004年3月31日

高みへのステップ ~岩登り技術~

(198? / 文部省 植木企画)
高みへのステップ ~岩登り技術~

昨日紹介した『高みへのステップ』ですが、実は本に付随するビデオもありこちらの方が内容が良かったりします。ビデオは 3部に分かれており、夏岩、冬岩、山スキーです。

この "岩登り技術" 編は剣のどこかのルート(剣の岩場に行ったことがないのでわかりません) をただ登っているだけ、本当にただ登っているだけなのですが、動きがすごく洗練されていて滑らかなので、見ていて何故か全然飽きません。

ロープを結ぶ、セルフを取る、登り出す、トップをビレイする、ハーケンを打つ、フレンズをセットする、ビナをセットする、アブミに乗る、終了点につく、セルフを取る、コール、セカンドをビレイする、終了、と一連の動作のまさにお手本といった上り方です。フリーのビデオにありがちなテクノが後ろでじゃかじゃかなってるわけでもなく、ただ、淡々と登る姿だけで、演出といえば、ときどき控えめなテロップとコメントが入る程度ですが魅入ってしまいます。

ビレイ方法やギアは古いものの、これはお勧めできるアルパインクライミングのビデオです。よく考えてみると、まともなアルパインの映像メディアって日本製では無いのでは?


 
 
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