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http://yukiyama.co.jp/mountain/

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2008年7月 1日

More Alaska News from the Giri-Giri Boys

Alpinist の Web に、今年の春に横山さん、一村さん、佐藤さんらのアラスカでの活動記録が出ています。

More Alaska News from the Giri-Giri Boys (Alpinist)

日本語訳が日山協の Web に出ていました。というよりは、こっちがオリジナルで、英訳した物が Alpinist に載ったと言うべきでしょうか。

GIRI-GIRI BOYS 2008アラスカ登山隊報告(PDF 形式) (日本山岳協会)

今回彼らが登ったラインは
- Bear Tooth North East face "Climbing Is Believing"(初登 /Alaska Grade6: 5.10a, AI5, M7R, A1+ 1250m)
- Mt. Hunter North Buttress "Moonflower" (Alaska Grade6: 5.8, AI6, M6)
- "Pachinko on the Denali" Isis face - Slovak Direct link up (Alaska Grade 7: 5.9, AI5+, M6+)

の 3本。登攀内容の詳細に関してはリンク先を参照して下さい。

こういう類の継続のアイデアは国内のパチンコや黒部横断から得たものである。日本のクライマーは、自信を持って国内の登攀に取り組むべきだと思う。

これほど奥の深い登攀は世界中探してもかなり特殊だと思う。成功のキーワードは、「生活技術」と「忍耐」である。

計5000m近く登攀をしたが、デナリ山頂直下で「もっと登っていたい」と思ったのも事実。ヒマラヤへのトレーニングであると同時に、新しい登山の概念を示せたのではないかと思っている。

としめているのが印象的です。

初登

バリエーションルート

バリエーションルートからの縦走

バリエーションルートの継続 ← 今ここ

ということでしょう。

おまけ
7/2(水) にパタゴニア仙台店にて横山さんの講演会があるみたいです。興味がある方は参加されてみてはいかがでしょうか。

ラインを引く ~山が差し出すライン、人が引くライン~ (パタゴニア)

参考情報
パタゴニア仙台・横山勝丘講演会 ラインを引く (月山で2時間もたない男とはつきあうな!)
Climbing Is Believing (Team Bangees)

関連エントリー
横山勝丘講演会 「ラインを引く」 (2007/1/24)



2時間47分30秒

King Swing
King Swing (Photo by Tom Evans)

ktkr!!

2h47m30s (平山ユージ Official Blog「STONE RIDER」)
2時間47分30秒

ちょっと驚き。。。

いや~出るもんだね~

先週から Yosemite の El Capitan・Nose でハンス・フローリンと組んでスピードアッセントをしていた平山ユージさんですが、3回目のトライで 2時間 47分 30秒という記録をたたき出しました。

これまで平山さんが持っていた記録は 2時間 48分 55秒という記録だったので、1分強縮めたことになります。世界記録であるフーバー兄弟の記録が 2時間 45分 45秒なのであと 2分弱縮めれば世界記録です。

フーバー兄弟は 50回近いトライを繰り返しての記録達成なのですが、平山さんは実質 10数回しかトライしていないはずです。フーバー兄弟涙目www

さて明後日はもう一回上がる。

新記録の予感が。。。

ん~ガツンと行っとくよ!!

期待大です。小澤さんの写真もイイですね。

Alpinist と Climbing Magazine の Web にも記事が出ました。

So Close: The Nose in 2:47:30 (Alpinist)
Florine-Hirayama Nearly Regain Nose Record (Climbing Magazine)

Texas Flak
Texas Flak (Photo by Tom Evans)

Dolt Tower
Dolt Tower (Photo by Tom Evans)

Great Roof
Great Roof (Photo by Tom Evans)

関連エントリー
Am Limit (2007/11/14)
フーバー兄弟 Yosemite・Nose のスピード記録更新 (2007/11/13)
The Nose (2005/10/20)
Masters of Stone V (2005/10/25)
Tommy Caldwell Free Climbs The Nose and Freerider-in-a-day (2005/11/10)

関連情報
大きな成果 (YUJI HIRAYAMA OFFICIAL SITE)
ノーズに関する記録集 (speedclimb.com / 英語)
H u b e r b u a m (フーバー兄弟のサイト)
アレクサンダーとトーマスのフーバー兄弟、エル・カピタンを制覇する (Suunto)



2008年7月 2日

[漫画]岳 ~ みんなの山 ~ 7巻 - 石塚真一

(2008/6/30 小学館 石塚真一著)

岳 7巻

今年は身の回りでいなくなってしまう人が例年にも増して多い。いまだにショックから立ち直れず、くたばり気味。

三歩

山での事故はゼロにすべきだし、現実にはそれが難しいというのも認識はしているモノの、最近はうまく消化できません。


遺品届きました。またクライミングをするようになったら大切に使わせていただきます。ありがとうございました。

関連エントリー
岳 -みんなの山- (2003/12/12)
岳 ~みんなの山~ 1巻 (2005/5/17)
『岳』 2巻 (2006/10/25)
岳 3巻 (2007/1/18)
岳 5巻 (2007/10/30)
岳 6巻 (2008/1/30)

(2007/1/25)
マンガ大賞2008、『岳』が受賞 (2008/3/28)



2008年7月 3日

2 時間 43分 33秒

m080703-6.jpg

Yosemite・El Cap・Nose のスピードアッセントを行っていた、平山ユージ(39) - ハンス・フローリン(Hans Florine/44) ペアが、2008/7/1(水) に 2 時間 43分 33秒 (6:42 - 9:27) という新記録を出しました。

El Capitan のカメラマンで有名な Tom Evance による詳細なレポートが下記に上がっていますので、詳細はそちらを参照してください。Supertopo Forum に上がったレポートと同じです。

The Nose: 2:43:33 (UKClimbing Articles)

今回はビデオで FS の阿部さん、カメラマンで小澤信太さんが同行されているので、次号のロクスノで詳細レポートが上がると思います。

New record!! (平山ユージ Official Blog「STONE RIDER」)
速報!!

Noseの最速記録”2h43m33s”


各メディアのニュース
shake the planet (平山ユージ Official Blog「STONE RIDER」)
The Nose Speed Ascent (THE NORTH FACE-WEB INSPIRE)

IT'S A RECORD!!! 2:43:33 (Speed Climbing News / Hans Florine のサイト)
Nose Speed Record is Broken (Climbing Magazine)
Florine, Hirayama Break Nose Speed Record (Alpinist)
Hans Florine and Yuji Hirayama set new record on The Nose, El Capitan (Planetmountain)
Jul 2: Hans and Yuji Break The Nose Record (UKClimbing News)
Neuer Rekord an der Nose von Hirayama und Florine (klettern)

平山ユージさんが最速登攀=米ヨセミテ巨大壁を2時間43分 (時事ドットコム)
Two Climbers Regain Record on Yosemite Peak (New York Times)
Was third time the charm for climbers on hunt to claim world record? (San Francisco Chronicle)
Climbers Reclaim World Record On El Capitan (National Public Radio)

参考情報
【続報!?】平山ユージ世界記録更新の詳細(パクリ) (GAIDAのクライミング日記)
平山ユージとハンス・フローリン、再びノーズへ (月山で2時間もたない男とはつきあうな!)

フーバー兄弟が去年のスピード記録を出したときの映像が下記に上がっているのですが、King Swing の箇所は振り子トラバースをしておらず、映画化された Am Limit はあくまでも映画用の映像だったということがわかります。

VIDEO AND PHOTOS: Hubers on the Nose: 2:45:45 (UKClimbing Articles)

関連エントリー
2時間47分30秒 (2008/7/1)
Am Limit (2007/11/14)
フーバー兄弟 Yosemite・Nose のスピード記録更新 (2007/11/13)
The Nose (2005/10/20)
Masters of Stone V (2005/10/25)
Tommy Caldwell Free Climbs The Nose and Freerider-in-a-day (2005/11/10)

Dolt Tower
Dolt Tower

Great Roof
Great Roof

最終ピッチ
最終ピッチ

Top Out
Top Out

Top Out
観戦スポット / 中央の女性が Hans の奥さん Jacqueline、その右の方が、Nose 第 2登の Tom Frost

関連情報
大きな成果 (YUJI HIRAYAMA OFFICIAL SITE)
ノーズに関する記録集 (speedclimb.com / 英語)
H u b e r b u a m (フーバー兄弟のサイト)
アレクサンダーとトーマスのフーバー兄弟、エル・カピタンを制覇する (Suunto)



2008年7月 5日

クライマーズ・ハイ

(2008/7/5 -)

クライマーズ・ハイ

今日から公開になった映画『クライマーズ・ハイ』を見てきました。

現在、ネットを使えば、常に無料で最新ニュースが手に入る。おかげでここ数年の新聞の販売実績は下降線をたどっている。このままでは新聞社の存続にも影響があると思われる。

ブログ全盛な昨今ではあるが、このブログも含めて大半のブログが何らかのソースを元にして記事を書いていると思われる。新聞記事、もとい、新聞社から発表される記事を元にしているブログも多数散見される。

"新聞社イラネ" という意見も、ネットではちらほら見られるが、もし新聞社がなくなってしまったら、それらの情報はいったいどこから入ってくるのだろうか。

どんなニュースであっても、単に文字という情報になってしまえば、情報を得るために行われたプロセスはまったく表には出てこない。

携帯を使えば、いつでも簡単に無料で閲覧できるニュースではあるが、そのニュースがどれだけのプロセスをともなって手元に来ているのかを、忘れがちなのではないだろうか。

1次情報の重要性を、この映画を見て、改めて強く思い直した。



横山秀夫氏の著書『クライマーズ・ハイ』を原作にした映画。1985年に起きた日航機墜落事故の現場である群馬県の新聞社での 1週間を扱ったもの。

2005年末には、佐藤浩市を主役にすえ、NHK もドラマ化し、DVD としても販売されている。

原作とも、NHK版とも多少の設定は異なるものの大筋は同じ。トータルでは NHK版の方が良くできていたが、映画の核心である、新聞社内での人間同士のぶつかり合いの描き方は映画の方が熱かった。特に堺雅人がいい味出してた。

映画では、クライミングとの関連、息子との確執、新聞記事を書く理由の説明が弱かったり、はしょられていたりとあと一歩。あくまでもエンターテイメントとして割り切って楽しむのが吉。



クライミングシーンはほんのわずか。マムート宣伝乙といった感じ。一ノ倉沢・衝立基部までは行ってるものの、どのルートで撮影しているのかは不明。

セカンドのビレイであんなに落としちゃダメでしょ。ピトンはきちんと回収しましょうね。無用な残置はイクナイ。

映画『クライマーズ・ハイ』公式サイト

関連エントリー
クライマーズ・ハイ (2003/11/5)



2008年7月 6日

野口啓代選手優勝

野口啓代選手

7/4-5 にフランス・モンタウバン(Montauban) で行われていた、ボルダリングワールドカップ 2008 の第 6戦で、野口啓代選手が優勝した模様です。ワールドカップではこれが初優勝です。おめでとうございます。

日本人としても、平山ユージさんに続き 2人目となりました。

前回のイタリア戦では準決勝敗退だっただけに、雪辱を晴らした感じです。

野口啓代選手

また、堀創選手も前回の 6位から 1つ順位を上げて 5位になりました。

堀創選手

杉田雅俊選手が 21位、松島暁人選手、永田乃由希選手が 35位、渡辺数馬選手が 43位という結果でした。

男子リザルト
IFSC - International Federation of Sport Climbing: results
女子リザルト
IFSC - International Federation of Sport Climbing: results

参考情報
野口啓代がボルダリングワールドカップでついに優勝 (JFA)

WCモンタウバン★写真UP (★NOGUCHI AKIYO★)
初優勝 (★NOGUCHI AKIYO★)
★WCモンタウバン★予選★ (★NOGUCHI AKIYO★)
WC終了。 (★暁人ブロローグ③★)
おわった…。 (★暁人ブロローグ③★)

関連エントリー
Bouldering Worldcup Grindelwald 2008 (2008/6/1)
Climbing Worldcup Vail 2008 (2008/6/8)
Climbing Worldcup Fiera di Primiero 2008 (2008/6/16)

堀創選手



2008年7月 8日

2008年 6月のアクセス解析

2008年 6月 アクセス解析

2008年 6月のアクセス解析の結果を簡潔に紹介。アクセス解析には Google Analytics を使用しています。

アクセス数(延べ/括弧内は先月)
セッション : 22015(26174)
UU : 7010(8741)
PV : 30924(40516)

PV が 1万近く落ちています。先月の新井さんの影響の大きさが伺えます。

検索キーワード Top 10
("雪山大好きっ娘" など、このサイトを表す単語は除いてあります。)
1. 新井裕己
2. 井上祐人
3. ベータアラニン
4. 横山勝丘
5. 石川友康
6. tommy caldwell
7. ben nevis climbing route
8. 不朽神話
9. 安間佐千
10. キズパワーパッド

アクセス数が多かったページ Top 10
1. 尾川智子のボルダリングBasic (2008/5/17)
2. 剱岳で不明の男性 遺体で発見 (2008/5/1)
3. 山岳スキーヤーの新井裕己さん、北アで死亡 (2008/4/28)
4. 新井裕己メモ 1 (2008/5/10)
5. 谷川岳・烏帽子奥壁大氷柱 (2008/4/9)
6. Rock&Snow 40 (2008/6/6)
7. 2 Japanese climbers remain overdue (2008/5/26)
8. 新井さん。 (2008/4/30)
9. Spurs banned at Ice Climbing competitions (2008/6/19)
10. 2008年 5月のアクセス解析 (2008/6/3)

検索クエリ
各ページの右上にある検索窓から検索されたキーワード Top10
1. 井上祐人
2. 小川山
3. 玉田
4. ヨセミテ
5. 小山田
6. クライミング協会
7. 上海
8. ボルダリング
9. 谷川
10.フリーファン

Google Ad sense
26クリック $3.56

Amazon アソシエイト
23商品 1271円

関連エントリー
2007年 10月アクセス解析 (2007/11/2)
2007年 11月アクセ ス解析 (2007/12/4)
2007年 12月アクセス解析 (2007/12/4)
2008年 1月アクセス解析 (2008/2/6)
2008年 2月のアクセス解析 (2008/3/5)
2008年 5月のアクセス解析 (2008/6/3)



2008年7月 9日

More News from the Alaska Range

Alpinist の Web より。

More News from the Alaska Range (Alpinist)

On April 19, 2008, a Japanese team comprised of Kei Taniguchi and Hiroki Suzuki climbed Ham and Eggs on the Moose's Tooth. The following day, they made an ascent of Shaken, Not Stirred (TD+ or V AI5, 3,100') on the same peak.

谷口ケイさん、鈴木啓紀さんもアラスカに行かれてたんですね。アラスカ大人気。

あとで?

関連エントリー
More Alaska News from the Giri-Giri Boys (2008/7/1)



2008年7月14日

Climbing Worldcup Chamonix 2008

7/12-13 にフランスの Chamonix(シャモニ) で行われていた、リードのワールドカップで、安間佐千選手が 2位に入りました。予選、準決勝と完登し、1位通過だっただけに惜しかった。

m080714-1.jpg

前回の上海大会では 3位でしたので、1つ順位を上げた形になりました。

m080714-2.jpg

他に男子では、渡辺数馬選手が 23位、伊東秀和選手が 41位、小西大介選手が 65位。女子は小林由佳選手、野口啓代選手ともに 13位という結果でした。

女子優勝は前回に続いて Johanna Ernst(15)。これまで出場したコンペではすべて優勝という強さ。新しい時代が来たという感じです。

詳細リザルト
General result M E N lead (IFSC)
General result W O M E N lead (IFSC)

参考情報
WC★シャモニ (★NOGUCHI AKIYO★)

クライミングワールドカップ in シャモニー (La Vie d'un Guide)
シャモニーワールドカップ速報! (La Vie d'un Guide)

関連エントリー
IFSC Climbing Worldcup 上海 2008 (2008/6/29)

m080714-4.jpg



2008年7月16日

iPhone

半分仕事、半分趣味で買った iPhone。せっかくなので、クライミングに生かせないか考えてみました。

m080714-1.jpg

真っ先に思いつくのがトポやロクスノのビューワー。ロクスノ 40号で試してみました。

画像ファイルはサムネイルとしてサクサク一覧できるので、選択までは楽。

m080714-1.jpg

ページを選択してみても、タイトルは読めるものの、記事の内容までは確認できない。

m080714-1.jpg

ピンチドラッグで簡単に拡大できるので拡大してみました。

が、元のファイルが PDF で、そこから変換をかけた画像ファイルなため、解像度がイマイチだったのか、iPhone に写真を取り込む際に、iTunes が勝手に変換をかけてしまうので、そこで劣化してしまうのか、ちょっと読めるレベルではありませんね。

m080714-1.jpg


そこで、iPhone に搭載されているブラウザ(Safari) は、PDFファイルを読み込めるので、ネットにアップした PDFファイルを読み込んでみました。

m080714-1.jpg

画像同様、ピンチドラッグで簡単に拡大できるので、拡大してみました。これなら読めますね。

m080714-1.jpg

ブックマークレットで追加した検索機能を使って検索してみましたが、残念ながら検索まではできませんでした。この辺は今後の課題です。

m080714-1.jpg


iPhone のブラウザでは iPhone に保存した PDFファイルは読み込めないので、ネット経由にする必要があるのですが、Softbank 3G のエリア(or Wi-Fi) でしかネットに繋げず、ちょっと郊外だと全然繋がりません。

ので、山岳エリアで利用する場合は、画像ファイルの質を上げて画像で読み込む必要がありそうです。プラス検索機能を何とかしたいところ。

となると、iPhoneアプリで PDFリーダーを探すか、自分で作った方が良さげです。

iPhone に搭載されている Google Maps も非常に便利なのですが、電波の状態から、郊外では全く役に立たないと思われます。この辺は今後の Softbank に期待したいところです。

カメラは単焦点で、2メガピクセル。光学ズームもなければ何のモードもない単なるカメラですが、ジオタグが自動で付くため、Flickr 等、ジオタグに対応しているアプリケーションにとっては便利。ただ、この機能も残念ながら Softbank 圏外では使えない。


コンパクトデジカメ、牛Pod、iPhone、MacBook

最近の自分の外出時のマストアイテム。コンパクトデジカメ、牛Pod、iPhone、MacBook。iPhone で全部代用できる気もしますが、現状ではまだ厳しい。

関連エントリー
デジタルアーカイブ (2007/12/27)



2008年7月17日

ネパールのトレッキングピークの登り方

ネパールのトレッキングピークの登り方

都岳連海外委員のお仕事。

今回の "海外の山を知ろう" の講演会は、都岳連海外委員の竹花さんによる、NMAピーク(NMA Expedition and Climbing Peaks) の登り方について行われました。NMA は Nepal Mountaineering Assosiation の略で、ネパール山岳協会のことです。

竹花さんは 2004年 - 2006年に、ネパール・ポカラの国際山岳博物館でボランティアとして活動されており、シングーチュリ、テントピーク、トロンピーク、プモリなどネパールでの登山経験も豊富な方です。

今回の講演では NMAピークのグループ A 15座グループ B 18座をエリア別に全山、写真とルート図付きで解説するという太っ腹ぶりで、資料も 10ページにわたる豪華なモノで、今回集まった 40名を越える方々には大好評でした。

m080717-2.jpg

NMAピークはネパール観光省が決めたピークで、標高は 5000m - 6000m の全 33座。他のネパールの山に比べて登山料金が格別に安いのが特徴です。グループA が $500(1隊、7人まで)、グループB が $350 です。

メラピークやアイランドピークといった 8000m峰に登るための高所順応に使われるような比較的簡単な山から、クスムカングルやヒウンチュリ、シングーチュリといった難しい山まで、含まれる山の難度はピンキリです。

トレッキングピークのリストに関しては以下なんかを参照してみてください。

トレッキングピーク一覧

データを見ると圧倒的にアイランドピークが多く、トップ 5で 75% をしめています。

m080717-3.jpg

驚いたのは、登頂率が平均すると 20%程度しかないこと。ただ、この数字には裏があって、現地のエージェント経由で登っている場合は 100% に近い数字になるとのことでした。思いつきで何も調べずにパット来て登ろうとする人が結構いるようで、そういった人達の成功率はかなり低いとのことでした。

山の説明のあとは、現地のエージェント、申請方法、難度、登山適期を駆け足で説明したあと、ランシンサリ、テントピークに実際に遠征に行った模様の説明がありました。

紹介された参考図書
The Trekking Peaks of Nepal
Trekking and Climbing in Nepal
ネパール ピークハント トレック
魅惑のエベレスト山域
ヒマラヤ アルパイン スタイル


余り興味があるエリアではなかったため、山名だけは知っていたものの、詳細までは知らなかったので、いい勉強になった。比較的短期間で安く行ける山もあり、過去に山野井さんや青田さんがクスムカングルでやったように、ラインを選べば面白いクライミングもできそう。

関連エントリー
知られざるアフリカの山々 (2006/6/29)
第16回・海外の山を知ろう/菊地敏之講演会 (2006/11/9)
山野井泰史 講演会 「グリーンランドのクライミング報告」 (2007/11/15)



2008年7月19日

[漫画] 孤高の人 2巻 - 坂本眞一

(2008/7/18 集英社 坂本眞一)


この巻までが、現実との乖離具合が許容できるギリギリのところでしょうか。現在の連載では遙か彼方に逝ってしまっており、あ~あという感じで残念だったのですが。

クライミングシーンの随所から伝わってくる、クライミングのドキドキ感、画から感じる迫力は非常に共感できるモノがあるのですが、ソロと死を結び付け過ぎるきらいは好きになれません。

君も一人で登りたいなら他人の命に干渉するな

一人で登り・・・一人で死ぬ・・・

それがソロクライマーだ

ソロクライミングの行き着く先は常に死だ

誰にも助けられず 誰にも見守られず 一人で死んでいく

原案を『孤高の人』としている点での最大の違和感はここにありますし、悲壮感が余りにも強すぎます。これならやっぱり『ソロ』を原案に変更した方がいいのではないでしょうか。

それにしてもコンペで完登したクライマーに対して「すげー、オンサイトだ!!」ってのはないでしょう。

関連エントリー
孤高の人 第1登 校舎登攀 (2007/11/1)
[漫画] 孤高の人 1巻 (2008/4/19)
[漫画]孤高の人 3巻 - 坂本眞一 (2008/9/20)



2008年7月20日

三浦雄一郎 75歳 世界最高峰エベレストに挑む

(2008/7/20 15:00 - 16:25 日本テレビ)

三浦雄一郎 75歳 世界最高峰エベレストに挑む

三浦さんが今年の 5月に登頂したエベレスト登山の模様を追ったドキュメンタリー番組。5年前に行ったときはテレ朝、今回は、NHK も入っていたようですが、日テレがメインだったようです。

三浦雄一郎 75歳 エベレストへの挑戦 (第2日本テレビ)

前回の焼き直しみたいな感じで、特に感じることはありませんでした。

チベット暴動や聖火登頂に関しても刹那触れられていましたが、できればもっと掘り下げて欲しかったところです。まぁオリンピックがアルから無理でしょうけどね。

関連エントリー
70歳・三浦雄一郎の挑戦 エベレスト制覇への全記録 (2003/10/31)
三浦雄一郎 永遠の少年 (2004/5/25)



2008年7月21日

Climbing No.268

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Climbing Magazine最新号(No. 268) に、2007/2 のアイスクライミングジャパンカップのルートセッターで来日した、コンラッドアンカー(Conrad Anker) が "THE HOKKAIDO SHUFFLE" というタイトルでアイスコンペに関して、2ページほどですが、少し書いてます。

特に変わったことを書いているわけではなく、単純なコンペのレポートです。たぶん、アメリカ人にとっても、日本という国のクライミング事情に関しては全く知られていないんだと思います。



2008年7月22日

Cobra Crack 第 2登

ベルギーのオールラウンドクライマー・Nicolas Favresse が、7/19 に北米最難のトラッドルートである Cobra Crack(コブラクラック / 5.14b/c) を第 2登しました。

Nicolas Favresse



The Path and Cobra Crack Repeated (Climbing Magazine)
In Squamish, British Columbia, meanwhile, the Belgian all-arounder Nicolas Favresse has made the second ascent of the Cobra Crack (5.14), a long, extremely overhanging granite finger crack. Trotter completed the first ascent of the much-tried crack in the summer of 2006.

去年に引き続き、今年もトライしに行っている吉田和正さんの Blog によると、

7/19 (吉田クライミング日記)
ニコがコブラを第2登した。バンクーバーからたまたま一緒のバスで来たから滞在、3週間でのぼりきってしまったことになる。実働10日ちょっとか。こんなクラックの強いヤツみたことない。さらにスゴいのは全部リードでトライしつづけたことだ。まったくたまげたニーさんである。おまけにベルギーにはクラックはほとんどないらしいからどうなっているのだ。

長年クラックに打ち込んでいる吉田さんが書かれているので、本当に相当に強いんだと思われます。 Cobra Crack にトライしている写真は彼の Webサイトで見れます。

ちなみに、Nicolas Favresse は先日、あのスイス人哀愁クライマー・Didier Berthod が初登した Greenspit(5.14a) を第 2登しています。昨日のエントリーで紹介した、Climbing Magazine No.268 でも特集されています。

Cobra Crack を初登し、あの Rhapsody(E11/5.14b) を先日第 2登したカナダ人クライマー・SonnieTrotter の Blog によると、現在、吉田さんを含めて、Matt SegalEthan Pringle という強者 3人がトライしている模様です。 Matt Segal は Iron Monkey(5.14-R) を初登しており(First Ascent のおまけに収録)、Ethan Pringle はChris Sharma 初登の Rialization(5.15a) を第 5登しています。

吉田さんの 7/18 のブログだと、
リップのよく効くジャムから遠いジャムをとりにいくのだが角度的にかなり上から入れてやらないと効きがわるい。が足をジャムしたままだとどうしてもいいとこまで届かない。寝ながら考えたフィギァ4をダメもとでためしてみる。これがよくてここはズッと楽になった。ニコはグレードは5.14cだと言う、自分もそんなもんだと感じる。この年で自分の限界グレードを引き上げたいもんだとつくづく思うのである。

突っ込みどころありすぎですが、Cobra Crack でフィギュア 4 というのは見てみたい。わっふるわっふる。

YouTube 関連動画


Patagonia Video: Sonnie Trotter Climbs First Free Ascent...


Dider vs. Cobra Crack


Didier Berthod ouvre une voie en Italie


Nicolas Favresse in Riders in the storm

関連エントリー
First Ascent (2006/12/5)



2008年7月24日

佐藤祐介講演会

7/24 にカモシカスポーツで行われた、ゴールドウィン主催の佐藤祐介さんの講演会を聞いてきました。

佐藤祐介講演会


今回の講演は、3-5月にアラスカで Giri-Giri Boys で登ってきた以下のクライミングに関して行われました。

1. Bear Tooth North East face "Climbing Is Believing"(初登 /Alaska Grade6: 5.10a, AI5, M7R, A1+ 1250m)
2. Mt. Hunter North Buttress "Moonflower" (Alaska Grade6: 5.8, AI6, M6 1800m)
3. "Pachinko on the Denali" Isis face - Slovak Direct link up (Alaska Grade 7: 5.9, AI5+, M6+ 5500m)

佐藤祐介講演会


1. Bear Tooth North East face "Climbing Is Believing"(初登 /Alaska Grade6: 5.10a, AI5, M7R, A1+ 1250m)
- セスナでバックスキン氷河へ。ベースには先行が 1パーティ。
- 去年横山・一村ペアがトライして敗退した Bear Tooth 東壁ラインを狙うも、状態が悪くて断念
- 北東壁に転身。この壁は手つかず。
- 最初のトライでは 3ピッチ目まで。状態は余り良くなく、当初は無理だと思った。2ピッチフィックスして一旦下降。
- その後天気が悪化、1週間停滞。ずーっとテントでセブンブリッジ。
- 2回目のトライで完登。ほとんど Mix で M5 - M7。上部まで難しい。
- 1日目は中間部の雪壁のシュルント、2日目は山頂でビバーク。シュラフは 1kg。
- リードは 2ピッチ交代。精神的にきつかった。
- 下降はアバラコフで東壁との間にあるルンゼを。
- ロープはユマーリングの際に岩角にすれて結構痛んだ。

2. Mt. Hunter North Buttress "Moonflower" (Alaska Grade6: 5.8, AI6, M6)
- セスナでカヒルトナ氷河へ移動。
- マッキンリー一般ルートのベースと同じだが、シーズン前で誰もいない
- 3人で 6kg に荷物を軽量化。
- リード & フォローで登る。
- 壁の状態はいい。全体的にアイスクライミング。素晴らしいクラシックルート。
- 壁の途中でツエルトだけでビバーク。
- 気温は高かった。水は適宜 3人目が氷を溶かす。水筒に氷を入れておくだけでも太陽光で溶けた。
- 山頂直下、時間切れで壁を抜けたところから下降。

3. "Pachinko on the Denali" Isis face - Slovak Direct link up (Alaska Grade 7: 5.9, AI5+, M6+)
- デナリの一般ルートで高度順化。順応に手間取る。デナリパスまで 2往復。
- 順応後、セスナでルース氷河へ移動。
- 10日分の食料、3人で 30kg を背負ってのクライミング。トップは空身で、後ろの 2人で荷物を分担。かなり大変だった。
- 1日目は Isis face を 1000m上がったところのシュルントでビバーク。2日目は天候が悪くて停滞。
- ジェットボイル使用。テントはマジックマウンテン。
- 3日目は Isis face を抜け、Ramp Route を下降し、途中でビバーク。
- Ramp Route はグレード 3だが、セラックとクレパスの処理で大変だった。
- 4日目は南壁の取付のシュルントでビバーク。
- 横山さんが Isis face 登攀中にサングラスを落とし、雪目。そのため、Slovak Direct では終始 3rd でユマーリング。紙にスリット入れたエスキモー式サングラスを試すも余り良くない。
- 日没は 23時頃。5日目は 24時頃までビバークサイトを探して登り続ける。 - 上部でカシンリッジに合流し、6日目はそこでビバーク。
- 朝方は -30度くらいまで気温が下がり寒かった。
- 下降は一般ルート。トータル 7泊 8日。

Q&A
- 使用ギアはナッツ 1セット、カム 1.5セット(エイリアン青~キャメ青)、トライカム少々、スクリュー 10本、アングル 3本、ハーケン 5枚、スノーバー 2本。
- ロープは 3本。リードがシングルとダブルロープを引き、セカンドが 1本引く。セカンドはユマールで上がったらリードと交代。サードはセカンドが引いたロープでユマーリング。
- Bear Tooth の岩質は Good。
- Mグレードは周辺のルートから推測してつけた。錫杖のグレードと対応。錫杖と明神の Mルート登れれば、技術的にはほとんど問題ない。山の壁で M7 は神の領域。登れないと思ったら登らない。
- 一村さんもグレードは甘めにつけた。怖かったら R、やばかったら X。
- アプローチや一般ルートの下降ではロープは結ばない。
- サプリはマルチビタミンを持って行った程度。
- 指の腱が切れていたが、それほど問題はなかった。

佐藤祐介講演会
アラスカで使われたギアも公開されていました。

アックスがクォーク、アイゼンはダート。アックスのアッズは軽量化のために削っていました。流れ止めは Mt. Dax のピッケルバンドを改良したものでした。ダートだと刃先の交換ができないから大変そう。

彼の講演を聴くのは 2度目ですが、非常に丁寧で落ち着いたしゃべりで、会場のアットホームな雰囲気も相まって、素晴らしい講演会でした。

会場には一村さんや横山さんをはじめ有名な方が多数いらっしゃいました。鳴海君もいた?

関連情報
THE NORTH FACE-WEB INSPIRE - EXPEDITION STORY

関連エントリー
More Alaska News from the Giri-Giri Boys (2008/7/1)



2008年7月25日

ゴールドウィン大丈夫?

危ない108社…監査人認めた1年以内に破綻のリスク

ゴールドウイン、飛島建設、ぴあ…。2008年3月期・3月中間期決算で、1年以内に経営破綻するリスクを抱えている上場企業(東京証券取引所、大阪証券取引所、ジャスダック証券取引所)が計108社となり、ついに100の大台を突破した。

[中略]

注目の英スピード社製水着『レーザーレーサー』の日本での販売権を持つゴールドウインは、2期連続の営業損失。

ゴールドウィンはノースフェイスの日韓の代理店。単純に発表されている数字に突っ込み入れているだけなので、実際とは違うと思いますが、とりあえずニュースになっていたので簡単に紹介。

山道具メーカーのほとんどが欧米、生産している工場はアジアに点在しているが、たいていは中国。代理店しかない日本では、メーカーに対して強い意見が言えるはずもなく、どの代理店も苦しい。ひいてはメーカーからスポンサードされているクライマーも同じような状況。

だから、日本の登山、クライミング業界は、人口が増えているにもかかわらず、お金が落ちず、回らずで、いつまでたっても上向きにならない。Win-Win になる何かいい方法はないのかな? このままだと純粋なプロがいなくなってしまうのでは。



2008年7月27日

竹内洋岳 8000m峰 10座目登頂

# 間違いがあったため、一部修正しました。

だいぶ前のニュースですが、色々と意味があると思いますので紹介しておきます。

G2登頂!日本人最多8000メートル峰10座目 (登山家・竹内洋岳 公式ブログ)

竹内です。

いま、ガッシャブルム2峰の頂上に立ちました!

みなさん本当にありがとうございます。

雪の状態が悪くて、かなり手こずってしまいましたが、いま、頂上に立ちました。

この頂上は私にとって本当に特別な頂上です。

7/8 に 8000m峰 14座登頂プロジェクトに挑戦されている竹内洋岳さんが、10座目となる G2(Gasherbrum II / 8035m) に登頂されました。おめでとうございます。

竹内さん的には別の意味で特別だったようですが(後述)、これまでに日本人で 8000m峰を 910座以上登った人はおりません。これまでに 9座登っていた山田昇さんは 1989年にデナリ南壁で、名塚秀二さんは 2004年にダウラギリアンナプルナで亡くなりました(いずれも群馬岳連)。

すでに全世界で 14人が 8000m峰全 14座を登っている現在、世界的な記録の価値としては皆無ですし、7大陸最高峰、日本百名山同様、個人的な意味しか持たないものです。

お隣の韓国や中国ではまだまだ 14峰コンプリートに関してはかなりご執心なようですが、日本においては、記録的なタイミングを逸したこともあり、現在はほとんど意識されておりません。

そのため、このプロジェクトの本意がよくわからず、どこに差異を出していくのかなと思っていました。

これまでの竹内さんは、無酸素、アルパインスタイルでの登頂、トライをされていたため、何だかんだ言っても、多少はスタイルにこだわるのかなと思っておりましたが、今回は包囲法でした。確かに、旅と冒険 5号で "スタイルにはこだわらない" と書かれてはいたものの、少し残念ですし、よくわかりません。



竹内さんはこれまで、2回(3回?) 死にかけています、というかほとんど死んでいます。

2005年 6月にエベレストを無酸素でトライした際、北壁の 7600m付近で脳浮腫にかかって動けなくなり、パートナーのラルフに助けられています。

そして去年、G2 の 7000m付近で雪崩に遭い、300m 程流され、デブリから掘り出されたものの、腰椎と肋骨の骨折という大けがをしています。一緒にいたパーティも巻き込まれ、2名が亡くなっています。

いずれも、ほとんど死んでいた状況です。そういった意味もあって、今回の登頂は格別だったと思われます。強い。


許された頂(Titled by Veikka) 撮影・平出和也

竹内さんは現在は次の目標であるブロードピークの BC に移動されています。

参考情報
登山家・竹内洋岳 公式ブログ
竹内さんの偉業 (旅と冒険公式ブログ)

8000m峰登頂者リスト(PDF形式) (日本山岳会)

関連エントリー
旅と冒険5号 (2008/3/23)
竹内洋岳さん、雪崩に巻き込まれる (2008/7/20)



2008年7月28日

Serre Chevalier

7/26-27 にフランスのブリアンソン(Briancon) で、今年で 19回目となる Serre Chevalier が行われ、日本からは安間佐千選手と小林由佳選手が参加され、それぞれ 2位4位という好成績を収められました。おめでとうございます。

特に小林選手はスーパーファイナルにまでもつれこみ、あと一歩で優勝できただけに惜しかった。

小林選手
小林選手

安間選手
安間選手

男子リザルト
女子リザルト

この大会は招待選手のみによる大会で、去年は平山ユージ選手、茂垣敬太選手が参加されています。

関連エントリー
Serre Chevalier (2007/7/23)



2008年7月29日

クライミングオタが非オタの彼女にクライミング世界を軽く紹介するための10本

やや乗り遅れた感がありますが脊髄反射的に書いてみた。偏ってるなぁ・・・。

オリジナル
アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本

参考
ソ連宇宙オタが非オタの彼女にソ連宇宙世界を紹介するための10機
登山オタが非オタの彼女に登山を軽く紹介するための10山

まとめサイト
◯◯オタが非オタの彼女に◯◯世界を紹介するための10本まとめ - What is Normal 〜 もはや普通がわからない〜



まあ、どのくらいの数のクライミングオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、

「クライミングオタではまったくないんだが、しかし自分のクライミング趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないクライミングの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」

ような、クライミングオタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、クライミングのことを紹介するために見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタファッションガイド」の正反対版だな。彼女にクライミングを布教するのではなく相互コミュニケーションの入り口として)

あくまで「入口」なので、時間的、精神的、睡魔的に過大な負担を伴う 2時間、3時間を超える作品は避けたい。できれば 1時間以内、長くても 1時間半にとどめたい。

あと、いくらクライミング的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
クライミングオタが「ダッチビデオ」や「星と嵐」は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。
彼女の設定は
「クライミング知識はいわゆる「リポビタンD」的なものを除けば、「クリフハンガー」程度は知っている
アルパイン度も低いが、頭はけっこうトラッド」
という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

Rampage
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まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「ボルダリングブームの始まり」を濃縮しきっていて、「クライミング映像の構図」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。シャウトの起源だし。

ただ、ここでクリス・シャーマトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。

この情報過多な作品について、どれだけさらりと、オベ・キャリオンびいきにならず、無視せず、それでいて必要最小限のジョシュ・ロウェル情報を彼女に伝えられるかということは、クライミングオタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。



KING LINES」「TO THE LEDGE
KING LINES       

TO THE LEDGE

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなクライミング(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの

という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには 一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

「クライミングオタとしてはこの二つは “カリスマクライマーのクライミングが凝縮された 1枚” としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。それぞれシャウトマンだし。



Committed
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ある種のクライミングオタが持ってるトラッドへの憧憬と、危険度大のオタ的な自己責任へのこだわりを 彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもトラッドな

「童貞的なださカッコよさ」を体現するプアプロでのナチュプロの決め方
「童貞的に好みな女」を体現するランナウトに耐えられる精神力

の二択をはじめとして、オタ好きのするトラッドクライミングの要素をちりばめているのが、紹介してみたい理由。でも冒頭の Meshuga での墜落シーンはシャレにならん。



Master of Stone V
Master of Stone V       

たぶんこれを見た彼女は「バンジージャンプだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

ダン・オズマンの系譜がその後続いていないこと、これがアメリカでは大人気になったこと、
アメリカなら追悼テレビドラマになって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、
日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。やらせではあったものの、ディーン・ポッターのノーズ・ソロの映像も必見。



E11
E11       

「やっぱりクライミングはルートにかける情熱だよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「ACTION DIRECTE」 でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この哀愁感たっぷりなトラッドクライミングが好きだから。

断腸の思いでヘルメットかぶって、トップロープでトレーニングに打ち込み、ビレイヤーとして奥さんまでも引きずり出し、何回もロングフォールして大けがをしてもラプソディが登れないということが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、 その「何が何でもトラッドなスタイルで登りたい」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。

プアプロだし、ランナウトは危ないし、下手な落ち方したらただじゃ済まないというトラッドの風潮を過剰とは思わないし、しかたないとは思うけれど、一方でこれが スポートクライマーだったらきっちりボルト打ってあっさり登ってしまうだろうとも思う。

なのに、各所に頭下げてボルトを抜いたり、スタイルに関して延々と歩み寄りのない議論を続けてしまうトラッドクライマー諸氏には、どうしても 「自分で決めたスタイルが捨てられないオタク」としては、たとえデイブ・マクロードがそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。

日本のエリア問題と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。5.13d のフリーソロ映像も見逃せない。



Hard Grit
Hard Grit       

今の若年層で「Hard Grit」見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。

「Committed」や「E11」よりも前の段階で、トラッドクライミングの哲学とかスタイルを表現している映像は、このビデオで頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティのビデオが DVD として再販され、容易に入手できるようになったんだよ、というのは、 別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくクライミング好きとしては不思議に誇らしいし、 いわゆる「」でしかクライミングを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。Grit Stone の歴史を淡々と語る二ール・グリムはやっぱり草野さんの親類にしか見えないというネタも重要。



First Ascent
First Ascent       

クライミングにおける「初登の重要性」をオタとして教えたい、というお節介焼きから紹介する、ということではなくて。

「オンサイトで登りたい」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそクライミング版処女信仰は「First Ascent」以外ではあり得なかったとも思う。

「何が何でもオンサイトで登る」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オンサイトの感覚」の源は初登にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純にディディエのコブラクラックにかける思いを楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。



Fools with Tools
Fools with Tools

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。

こういうアックスを使ってのドライツーリングや半裸のガチムチ野郎たちが狭い部屋でアックスを振り回してうめきながらトレーニングしているのをこういうかたちで映像にして、それが非オタに受け入れられるか 気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。



ゆうえんち くじら


9本目まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にくじらを選んだ。

Rampage から始まってくじらで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、YouTube以降のインターネット動画時代の先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。

というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。



「駄目だこのクライミングオタは。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。



2008年7月30日

[本] ドキュメント 山の突然死

(2008/7/15 柏澄子著 山と渓谷社)


ドキュメント遭難シリーズの一冊。

WHO(世界保健機構) によると、"突然死" という単語は

一般的に事前に明確な原因がないまま、症状が出現してから二十四時間以内に死亡に至ること

と定義されている。

この本では、落石、雪崩、滑落、道迷いといった山での遭難原因のトップに入りそうな要因の事故は扱われておらず、今まで見過ごされてきたような心臓麻痺や心筋梗塞を原因とした遭難事故を扱っている。

紹介されている事例は、高所での事例を除けば、山ではなく、下界で起きても全くおかしくない事例である。そのため、たまたま山にいたタイミングで起きたのではと取れなくもない。その点でインパクトが弱い反面、防ぎにくく、見過ごしがちな事故原因でもある点が怖い。

しかも外傷性の事故と違って、原因の特定も決定的な対策も難しいと思う。この観点から遭難事故の分析を行った本は、これまで無かったと思われるので、非常に価値がある本。

巻末にある事故例集を見る限りでは、ハイキングからクライミングまで、登山のジャンルを問わずに起きているものの、年齢層は 40代後半からという中高年が圧倒的に多い。

ただ、高所の例に関しては、特にチョー・オユーの例は亡くなっているわけではないし、"脳の障害から突然死に至る可能性は低い" という記述もあって矛盾している。ここにあげる突然死の例としてはおかしい気がする。

とりあえず言えることは、皆さん水分はこまめにきちんと取りましょうということです。特に暑さが厳しくなるこれからのシーズンは。

中高年の方、中高年に関わる山岳ガイドの方々にオススメです。

参考情報
『ドキュメント 山の突然死』出版 (旅の空)

柏澄子著『ドキュメント 山の突然死』を斬る (月山で2時間もたない男とはつきあうな!)



 
 
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