「雪山大好きっ娘。2.0」 は 「雪山大好きっ娘。+」 にリニューアルしました。新しい URL は以下になります。

http://yukiyama.co.jp/mountain/

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2008年10月 1日

[映画]イントゥ・ザ・ワイルド

イントゥ・ザ・ワイルド

アラスカの僻地で若者の遺体が発見された。

なぜ、彼はそんなところで死んでいたのか?

裕福な家で育ち、優秀な成績で大学を卒業したにも関わらず、就職するでもなく、貯金をすべて慈善団体に寄付して、家出をしたアメリカの若者の足取りを追ったロードムービー。

原作者のジョン・クラカワー(Jon Krakauer/ not クラウカー) が、エベレストの大量遭難を扱ったドキュメント『空へ』を書いた人だったからというのが見に行った動機。原作の邦題は『荒野へ』で、ノンフィクション。原作ではジョンの登山体験が随所に出てくるので、映画とはまた別の面で楽しめます。



原作とは違った章立てて話は進められ、アラスカでの最期の生活と、大学を卒業してからアラスカに向かうまでの旅路が交互に出てきます。アメリカの地図が頭に入っていると、よりいっそう楽しめますが、原作でも所々完全には足取りを追えていないので、いきなり場所が飛んで ??? だったりもします。

文明を捨て、一人で旅をし、アラスカの荒野にどうしてそこまでこだわったのかを、旅の途中で出会う人との会話を通して描いており、良くも悪くもアメリカの自由さが出ています。

最後、死ぬ間際に、本の余白に

"Happiness is only real when you share"
(幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ)

と書き加えるシーンでは、「気づくのおせーよ」と突っ込みたくなります。たぶん本人もその点には前々から気づいていたのでしょうが、それがアラスカの荒野で決定的となり、致命的なミスになります。

ただ、この感情のリアル体験って、文字の上、頭の中では認識していても、本当にその時にならないとわからないんですよね、実際。これは単独行の人にも通じるところがあります。

映画『イントゥ・ザ・ワイルド』予告編

参考情報
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』オフィシャルサイト



おくりびと』『イキガミ』『イントゥ・ザ・ワイルド』と 3連荘で "死" を扱った映画を見たのでちょっと沈。今週は明るい映画を見に行こう。



2008年10月 2日

ヒマラヤ・クーラカンリ登山隊の日本人3人が遭難、死亡

死亡の日本登山隊3人の身元判明 中国・クーラカンリ峰 (47NEWS)

中国チベット自治区のヒマラヤ高峰クーラカンリの縦走を目指していた「日本クーラカンリ登山隊」(高橋和弘隊長)の隊員3人が1日、登山中に雪崩に遭い死亡した。

 東京都内の留守本部に入った連絡によると、死亡したのは加藤慶信さん(32)=山梨県南アルプス市出身、中村進さん(62)=前橋市出身、有村哲史さん(27)=千葉市出身。

ニュースによると、10/1 に C2 への偵察をしに C1(5900m) から C2(6550m) に向かう途中の 6000m付近で雪崩に遭遇したとのことです。

クーラカンリ
クーラカンリの予定していた縦走ライン

クーラカンリ(Kula Kangri / 庫拉崗日 / 7538m) は中国・ブータン国境に位置し、主峰(7538m)・中央峰(7418m)・東峰(7381m) の 3峰から構成されています。正確には違うようですが、一般にはブータン最高峰とされています。

この山の登攀史は、主峰は 1986年神戸大学隊が西稜から初登、中央峰・東峰は 2001年東海大学+中国西蔵大学隊が初登しています。このとき、東海大学隊は中央峰から主峰への縦走を試みていますが、悪天候によって阻まれています。

今回の隊は、未踏ルートである北陵から主峰への登頂と、東峰から中央峰を経由して主峰への縦走を計画していました。



加藤慶信さんは明大山岳部出身で、人柄の良さからガイドとしての人気も高く、石井スポーツでお世話になっておりました。加藤さんは 8000m峰・ 8座に登られており、2005年にはエベレストに無酸素で登頂しています。都岳連海外委員会のイベントでも高所登山に関してお話ししていただいたこともあります。

有村哲史さんは早稲田大学山岳部出身で、昔一緒に雪崩講習会を受け、石井スポーツでも良くお世話になっておりました。人なつっこい笑顔が忘れられません。今回の隊員である三戸呂さん、明大山岳部で現在チャンガバン遠征中の天野さんらとヨーロッパ遠征に今年の 3月に行かれており、ロクスノ 40号のレポートがまだ記憶に新しいところです。

中村進さんとは全く面識はないのですが、エベレスト(1988年)、南極(1994年)、北極(1978年) の 3極点に日本人として初めて到達し、1988年のエベレスト(チョモランマ) では史上初の山頂からの生中継を行うなど、山岳エリア・秘境での映像を専門的に撮られていた方だったようです。



故人のご冥福を心からお祈りいたします。

参考情報
日本庫拉崗日(クーラカンリ)登山隊2008
日本東海大学・中国西蔵大学 クーラカンリ友好学術登山隊2001

訃報: 加藤慶信 (さまよえるblog08)
悲しい秋の空 (旅の空)



2008年10月 3日

[会報]きりぎりす vol. 20 2008 Winter

(2008/夏 日本山岳会青年部)


日本山岳会青年部が不定期に出している会報の最新号。10/1 のクーラカンリの雪崩事故で亡くなった有村哲史さんが編集されているので紹介。

大半が記録集で占められ、記録の中身は岳人の「登山クロニクル」に近く、渋いモノが多い。

今号には有村さんの記事は 3つ。中央アルプス全山縦走、追悼長谷川潤君と編集後記。

中央アルプス全山縦走の記事は有村さんの人柄が出たもっさりした感じの暖かい紀行文、追悼文は成蹊大学山岳部出身の方への追悼文、編集後記は夢について。

編集後記では詩を引用しつつ、なぜ山に登るのかについて考察している。

クライマーとは、先に進もうとする人々のことである。というよりも、山の神秘に捕らえられた人々のことである。神秘のヴェールがすべて剥がされるまでは、クライマーたちはそこから逃げられないのだから。

いつになったら山は僕たちを放してくれるのだろう? その先に希望があるかどうかも分からず、僕たちは未だにさまよっている。僕たちは何を探すのか? 失われた自分のこころなのか、死んでいった仲間たちの魂なのか、それとも、何か永遠のものなのか。

(中略)

降る雪の行く末などは知るまじと
踏み込む足に宿るますらを

すべての登山に平安あれ!

早大大学院・文学研究科の修士だということもあって、それっぽい文章ではあるものの、酩酊状態で書いたようで、投げっぱなしで結論は書かれていない。果たして答えは出ていたのだろうか。



他にも、今回のメンバーだった三戸呂さんによるカナダ・バンフ周辺でのアイスクライミングの記録や小松由佳さんの紀行文、南硫黄島の記録、黒部周辺の記録などマニアックな記事がてんこ盛りです。「登山と家族」というテーマで行われた山岳部の座談会も面白い。これで毎号 350円は安すぎるでしょう。

参考情報
Young Climbers Meeting

関連エントリー
ヒマラヤ・クーラカンリ登山隊の日本人3人が遭難、死亡 (2008/10/2)



2008年10月 4日

2008年 9月 アクセス解析

2008年 9月 アクセス解析

2008年 9月のアクセス解析の結果を紹介。アクセス解析には Google Analytics を使用しています。



アクセス数(括弧内は先月)
セッション : 25777(22454)
UU : 8448(7731)
PV : 38259(33088)

PV が増える作りに移行しているとはいえ、山野井さん関連の記事が牽引して全体的にアクセス数が伸びました。



検索キーワード Top 10
("雪山大好きっ娘" など、このサイトを表す単語は除いてあります。)
1. 新井裕己
2. 山野井泰史
3. 井上祐人
4. momentum video magazine vol.3
5. 松本 cmc隊
6. 黒部横断
7. ベータアラニン
8. 山野井通信
9. 石川友康
10.ダイニーマ

新井さん、山野井さん、井上さん、石川さんと遭難がらみのネタが多いです。黒部横断、山野井通信もそれがらみでしょう。

4位の "momentum video magazine vol.3" には結構興味がある方が多いようです。個人的には vol.2 の方が好きなんですが、ロクスノ 41号に少しレビュー書きましたが、ここではまだ書いていないので、来週書きます。

5位の "松本 cmc隊" というのは韓国隊がメルーに登頂したからでしょうか。アメリカ隊はどうなったのかな?  松本 CMC の Webサイトはかなり気合いの入った作りで非常に期待していたのですが、ここ最近は全く更新がないのでややがっかりです。

ベータアラニンはまた復活しました。ダイニーマは何ででしょう、どこかで特集されてたかな?



アクセス数が多かったページ Top 10
  1. 登山家・山野井泰史さん、熊に襲われ重傷 東京・奥多摩 (2008/9/17)
  2. [TV]情熱大陸 - 小林由佳 (2008/9/14)
  3. 山岳スキーヤーの新井裕己さん、北アで死亡 (2008/4/28)
  4. クライミングニュース(2008/9/5) (2008/9/5)
  5. [雑誌]ROCK&SNOW 041 (2008/9/6)
  6. K2 で大量遭難 (2008/8/4)
  7. 御在所岳 裏道登山道 (2008/9/16)
  8. 松島暁人 Memento 第 5登 (2008/9/23)
  9. クライミングニュース(2008/9/15) (2008/9/15)
  10. スロベニアのクライマー ・Pavle Kozjek、行方不明に (2008/9/2)

今回も全体的にばらけました。山野井さんのように世間的に知られている方のニュースが流れると一気にアクセスが増える傾向があります。また遭難がらみのネタにもアクセスが集中します。

2位の小林由佳さんへのアクセスはテレビの力でしょう。google での検索結果も空手家、グラビアアイドルの小林由佳さんよりも上に来るようになりました。9月のワールドカップ 3連戦には出ておりませんでしたが、怪我でもされたのでしょうか。

先月末から始めた "クライミングニュース" の記事が入っているのは嬉しいですね。まだ更新スタイルが確定していないので、記事を書くのに 2時間近くかかってしまっていて効率が悪いので、何とか 1時間以内で書けるようにしたいところ。



検索クエリ
各ページの右上にある検索窓から検索されたキーワード Top10
  1. [本]
  2. dosage
  3. 孤高の人
  4. 井上祐人
  5. 昇仙峡 デイドリーム
  6. 佐藤祐介
  7. ベルジュエール
  8. ミズガキ
  9. 蒼天



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関連エントリー
2007年 10月アクセス解析 (2007/11/2)
2007年 11月アクセ ス解析 (2007/12/4)
2007年 12月アクセス解析 (2007/12/4)
2008年 1月アクセス解析 (2008/2/6)
2008年 2月のアクセス解析 (2008/3/5)
2008年 5月のアクセス解析 (2008/6/3)
2008年 6月のアクセス解析 (2008/7/8)
2008年 7月 アクセス解析 (2008/8/18)
2008年 8月 アクセス解析 (2008/9/9)



あたしクライマー

アタシ

ミキ

歳?

14

まぁクライマー

クラック?

まぁ

当たり前に

登れる

てか

登れない訳ないじゃん

みたいな

てか

これが

普通だろ

みたいな

ねぇ

ビレイしてよ

続きは月末創刊の『Rock&Sweeeeets』にて。



Inspired by あたし彼女(第3回日本ケータイ小説大賞)
恐るべし、ケータイ小説。賞金 200万円って、どんだけ~。



2008年10月 5日

クライミングニュース(2008/10/5)

トピックス
■ 高所
8/2-3 スペインチーム、パキスタンの未踏峰を初登
10/1 中国・クーラカンリ登山隊の日本人3人が遭難、死亡
■ アルパイン
9/17 レーニア山のスピード登頂記録が 3回塗り替えられる
"Alps Project" でアルプスのクラシック峰からスキー滑降
■ フリー
8/末 Rolando Larcher、マルモラーダに新ルート開拓
9/13-19 イギリスペア、ベネゼエラのビッグウォールで新ルート開拓
9/23 ポール・ロビンソン、ボルダーで驚異的な記録
9/26 Tyler Landman、クリス・シャーマ初登の課題を第 2登
9/28 小山田大、"Pain makes me stronger every day!" を第 3登?
9/28? Dave MacLeod、50m のボルダー課題を初登
9/29 James Pearson、E12 のスラブ課題を初登
10/1? Skyler Weeks、2.6m のランジ課題を初登
■ コンペ
9/26-27 Climbing World Cup Puurs 2008
9/27-28 TreX-Games 2008



■ 高所
◇ 8/2 - 3
Spaniards Bag Virgin Peak in Pakistan
A Spanish trio has climbed a steep, virgin rock peak in Pakistan, after their large expedition abandoned an attempt on 7,788-meter Rakaposhi.

Carles Figueras、Pep Permañé、Josep Solá の 3人のスペインチームはパキスタンにある Neyzah Peak(5788m) をアルパインスタイルで 2日で初登しました。ルート名は Guilleries(ED-/6a) で、垂直部分が 1400m と、標高の割にはかなりスケールの大きな壁です。

Neyzah Peak(5788m) / Guilleries(ED-/6a)

Neyzah Peak(5788m) / Guilleries(ED-/6a)

彼らは当初はラカポシ(Rakaposhi/7788m) を登る予定だったようですが、計画を変更しての登頂になりました。何で?



◇ 10/1
中国・クーラカンリの初縦走を計画していた「日本クーラカンリ登山隊」(高橋和弘隊長) の隊員  3名(中村進さん、加藤慶信さん、有村哲史さん) が、ルート偵察中に雪崩に巻き込まれて亡くなりました。

詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。

10/4 から公開になっている映画『容疑者Xの献身』で、原作にはない登山のシーンがあり、白馬三山、丸山ケルンらしい映像があるので八方尾根での撮影だと思うのですが、エンドロールのクレジットに加藤慶信さんの名前がありました。



■ アルパイン
◇ 9/17
Rainier Speed Record Broken Three Times
This season the car-to-car speed record for climbing Mt. Rainier (14,411'), the famous peak southeast of Seattle, Washington, was broken three times.

アメリカローカルのネタですが、ワシントン州・シアトル郊外のレーニア山(Rainier / 4392m) の登頂スピード記録が、今年の夏に 3回塗り替えられました。

最初は 7/6 に Justin Merle が 4:49:35。2度目が Liam O'Sullivan によって 8/5 に 4:46:20。そして 3回目が Willie Benegas4:40:59

それぞれ僅差ですが、全員別人によるものというのがすごい。現在記録を保持している Willie の職業はガイドですが、エベレストに 8度登頂しており、南米・アコンカグアのスピード登頂記録も持っています。

レーニア山(Rainier / 4392m)

レーニア山は出張に行った際に登山口まで観光に行きましたが、日本の富士山的な位置づけで、地元の人にとっては象徴的な山になっています。




Rock and Ice Magazine: See 'em ski Matterhorn
For their "Alps Project," Chris Davenport and Stian Hagen undertook ski descents of four classic peaks: Mont Blanc, the Matterhorn, the Eiger and Monte Rosa. They skied the West Face of the Eiger from the summit.

Chris DavenportStian Hagen はアルプスの 4つのクラシック峰、モンブラン(Mont Blanc/4810m)、マッターホルン(Matterhorn/4478m)、アイガー(Eiger/3975m)、モンテローザ(Monte Rosa/4634m) からスキーにて滑降しました。ただ、アイガーは西面を山頂から滑降したようですが、マッターホルンは途中からです。

m081005-4.jpg

現在は下記サイトで、マッターホルンでの滑降動画が公開されていますが、順次公開され、年内にすべてをまとめた『Claim』という DVD が発売されるようです。

MountainProfessional - Campaigns - Helly Hansen.com



■ フリー
◇ 8月末
AlexAnna, new route by Rolando Larcher on Marmolada, Dolomites - climbing news, mountaineering.
At the end of August 2008 Rolando Larcher completed AlexAnna (700m, 8a+/8b, 7b obl.), a new route up Pilastro Lindo on the SW Face of Punta Penia (Marmolada, Dolomites).

8月末にイタリアの Rolando Larcher はドロミテ(Dolomites) にあるマルモラーダ(Marmolada) 南東壁に新ルート・AlexAnna(17ピッチ / 700m / 8a+/8b) を開拓しました。ルート名は彼の子供たちの名前だそうです。

マルモラーダ

このルートはナチュプロをベースに開拓され、手打ちで使われたボルトは 13本だけだそうです。彼のコメント
I can say that my project turned out well: an incredible and miraculous theory of hand and footholds led me to the summit...

がいいですね。



◇ 9/13 - 19
Arrans Free-Climb Wild Venezuelan Wall
The British couple John and Anne Arran, veterans of several big new routes on Venezuela's remote sandstone walls, have completed their "most adventurous big-wall expedition yet"

イギリスの John & Anne Arranペアがアフリカ・ベネゼエラの Amurí wall に新ルート・Amuríta(E7 6b / 600m) を開きました。場所がアフリカだけあって、アプローチはジャングルの藪の中を 4日間かけています。

また、イギリス人らしくトラッドスタイルで開拓されており、ミニマムボルト、クリーンクライミングをベースにしています。

Amurí wall・Amuríta(E7 6b / 600m)

Anne Arran はベネズエラでの開拓は初めてではなく、2005年には世界最大の落差を誇る滝・エンジェルフォール(978m) の脇にもフリーのルートを開拓し、世界的に名前を知られています。

Amurí wall・Amuríta(E7 6b / 600m)
Amurí wall・Amuríta(E7 6b / 600m)



◇ 9/23
The Adventures of Paul Robinson: 3.5 hours 73 points

アメリカのポール・ロビンソン(Paul Robinson) はスイスの Magic WoodNew Base Line(V14) を皮切りに Deep Throat(V13)、Steppenwolf(V13)、他 V10、V12、V11/12 の計 6本の高難度ボルダー課題を 3時間半で登りました。はやっ。



◇ 9/26
Landman Repeats Sharma Font 8cUKC News - September 2008
Britain's Tyler Landman has completed the second ascent of Chris Sharma's, Practice Of The Wild in Magic Wood, Switzerland.

イギリスの Tyler Landman がスイス・Magic Wood にあるクリス・シャーマ(Chris Sharma) が 2004年に初登した Practice Of The Wild(8c/v15) を第 2登しました。

Tyler Landman


Tyler Landman 第 2登の動画 (要 Quicktime)



◇ 9/29
Pearson Claims E12 on English Slab
The young English climber James Pearson has climbed The Walk of Life (E12 7a) on a steep slab on the North Devon coast in southwest England.

イギリスの James Pearson は North Devon にあるスラブ課題 The Walk of Life(E12 7a) を初登しました。E12 のグレードがつくのは初めてだと思われます。もうここまで来るとフリーソロと変わらないでしょ。

James Pearson

また、このときの映像はあの『Committed』の続編『Committed Vol.2』に収録され、11月に発売されるそうです。

ちなみに James Pearson は先日発売になった DVD『HARD XS』で見ることができますが、非常にムーブが綺麗です。



◇ 9/28
痛みが自分を強くする (dai's diary)
今日の目標は一昨日トライした「pain makes me stronger everyday!」8c+ 直訳すると「毎日痛みが俺を強くする」か。

ルート名通り鋭いホールドに強負荷をかけていくムーブが多く、初登者のマーカスブックは6日間を費やして登ったが、登った時は指を裂いて出血していたらしい。

というわけで僕は今日2回目のトライで登れたが、その名に恥じぬ出血ぶりでした。 右手の薬指をざっくりと。

ヨーロッパツアー中で、現在ドイツ・フランケンユーラ(Frankenjura) に滞在中の小山田大さんが Markus Bock が 2005年に開拓・初登した Pain makes me stronger every day! を登りました。第 3登?

またその後も 21Times the pain(8c+/5.14c)、Imola(8b+/5.14a) などを登られ、現在は Unplugged(9a) にトライされているようです。



◇ 9/28?
Scottish Bouldering - Malcolm Smith and Dave MacLeod
Dave MacLeod has finished a 50-meter bouldering traverse at the Sky Pilot crag in Glen Nevis, Scotland, which he used as endurance training for his Echo Wall first ascent on Ben Nevis last summer.

イギリスの Dave MacLeod は先日、Ben Nevis の Echo Wall を登り、Rhapsody(E11) よりも難しいとしていましたが、Echo Wall を登るためのトレーニングとして登っていたボルダー課題を先日初登し、Big Long Now(8b/v13) としました。しかしながらこの課題は 50m にも及ぶトラバース課題で、グレードに関しては、小山田さんの Wheel of life 同様、ルートなのかボルダーなのかでもめそうな感じです。

Dave MacLeod

参考情報
Dave MacLeod Climbing: Big Long Now

Echo Wall の動画が公開されました。今月末に『Echo Wall』という DVD として発売されるようです。

Echo Wall Trailer



◇ 10/1?
Skyler Weeks - Huge New Dyno
Dyno World-record holder Skyler Weeks has completed a first ascent of a huge new dyno problem in America. The problem named Zion is tentatively graded V13 and is one of the largest and hardest 'jug to jug' dynos in the World.

ランジの記録(2.625m) を持っているアメリカの Skyler Weeks はアメリカ Clear Creek Canyon でランジのボルダー課題を初登し Zion(v13) としました。この課題は 2.6m のランジがある課題で、例のごとく、8a ではグレードの議論が起きています。

Skyler Weeks

このときの映像は来年発売の『pure』という DVD に収録されるそうです。

pure trailer(要 Quicktime)

日本だと小川山ジャンプ(三段) がランジ課題としては最難になるのでしょうか?

小川山ジャンプ



■ コンペ
◇ 9/26 - 27
Climbing World Cup Puurs 2008
9/26 - 27 にベルギー・プールス(Puurs) で行われたリードのワールドカップ第 5戦で野口啓代選手が 5位に入りました。

詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。



◇ 9/27-28
韓国・釜山TreX-Games 2008 というスポーツイベントでボルダーコンペが行われ、日本から参加していた茂垣敬太選手が男子で 2位に入りました。

参考情報
~終了~~ (Flashman)
☆釜山PHOTO☆(Flashman)



関連エントリー
クライミングニュース(2008/9/25)
クライミングニュース(2008/9/15)
クライミングニュース(2008/9/5)
クライミングニュース(2008/8/25)



2008年10月 6日

icon 6 : The colon 試写会

(2008/10/24 夷フィルムス)

icon 6 : The colon

10/5 に東京・下北沢・北沢タウンホールで行われた 『icon 6 : The colon』 の試写会に行ってきました。

滑り系の映像には余り興味が無かったのですが、会場が家から歩いて 10分、入場無料という、行かないでどうするという条件だったので行ってきました。

日曜夜の 20時 30分~、外は雨という悪条件にもかかわらず会場は結構埋まっていました。



映像は全体的に綺麗にまとまっており、スキー(スノーボード) の魅力を存分に引き出していました。スキー(スノーボード) という、どちらかというとスピード感があるスポーツなはずなのに、大自然の中だからか、非常にゆったりとしたテンポで時間は流れ、大人な仕上がりになっています。

ナレーションやキャプションは皆無で単純に滑りの映像だけなのですが、完全に引き込まれていました。クライミング同様、滑りにも個性があることがよく分かりました。エクストリーム系の激しい映像じゃないと見てられないかなぁと思ったのですが、いえいえ十分楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。編集うまいなぁ。

この後も、札幌、富良野、盛岡で無料の試写会ツアーは行われるようです。お近くの方は是非。日程詳細に関しては以下の Webサイトを参照して下さい。

EBIS films | 夷フィルムス

icon 6 : (the colon) trailer



2008年10月 7日

DWS @皇居

d081003-7.jpg

この発想はなかったwww

できればカンテのラインからって、んっ、違う?

全裸のスペイン語男、皇居のお堀を遊泳 (MSN産経ニュース)


全裸のスペイン語男、皇居のお堀を遊泳 (アルファルファモザイク)



2008年10月 8日

チャレンジ!おおいた国体

10/3-5大分県で第 63回国民体育大会(通称国体) が開催され、山岳競技は今年から縦走種目が無くなり、リードとボルダーの 2種目で行われました。

各県、成年・少年で男女とも 2名ずつ、計 8名が参加する形になりますが、女子は選手不足からか不参加の県もあったようです。

各グループ 2名の合計数字で順位がつけられるため、平均して強いチームが上位に食い込む形になります。

成年男女ともにリード・ボルダーは同県が優勝しました。

成年男子リード成年男子ボルダー
1   宮城 松島 - 堀 宮城 松島 - 堀
2   千葉 伊東 - 渡辺 滋賀 村岡 - 濱田
3   栃木 安間 - 家泉 山口 茂垣 - 國弘
4   長崎 尾形 - 江口 佐賀 祝 - 尾崎
5   岡山 小西 - 中原 栃木 安間 - 家泉

   成年女子リード成年女子ボルダー
1   茨城 野口 - 池田 茨城 野口 - 池田
2   愛知 田中 - 戸根木 北海道 高橋 - 萩原
3   宮城 尾川 - 鳴海 埼玉 川端 - 門間
4   北海道 高橋 - 萩原 宮城 尾川 - 鳴海
5   埼玉 川端 - 門間 愛知 田中 - 戸根木

順位は個人でもつけられたようですが、詳細が発表されていないため不明です。予選、少年部等のリザルトに関しては下記を参照して下さい。

山岳競技リザルト

参加費は県から強化費等で出ているからか、普段のコンペよりも出場選手の顔ぶれが豪華です。

大分国体少年男子リード決勝

参考情報
今回は県別にまとめてみました。

北海道
悔しいなぁ...。 (ASK BLOG)
朝になっちゃった。 (ASK BLOG)
あらまーまー!! (ASK BLOG)
国体ガンバ! (がんばれ、私。)
宮城県
久しぶりー。 (★暁人ブロローグ③★)
脱臼。 (★暁人ブロローグ③★)
大分国体〜リード競技予選その1 (尾川智子のはーとふるぼるだりんぐ)
大分国体〜ボルダリング競技決勝その2 (尾川智子のはーとふるぼるだりんぐ)
大分国体〜リード競技決勝その1 (尾川智子のはーとふるぼるだりんぐ)
大分国体〜リード競技決勝その3 (尾川智子のはーとふるぼるだりんぐ)
大分国体~動画&写真 (尾川智子のはーとふるぼるだりんぐ)
松島・堀組(宮城)頂点 国体・ボルダリング (河北新報ニュース)
栃木県
大分国体 (サチのブログ)
茨城県
★国体1日目★ (★NOGUCHI AKIYO★)
★国体2日目★ (★NOGUCHI AKIYO★)
★国体3日目★ (★NOGUCHI AKIYO★)
★国体から帰宅★ (★NOGUCHI AKIYO★)
新潟県
到着 (旅)
埼玉県
国体予選終了 (Roast Beaf)
国体ボルダー (Roast Beaf)
国体成年女子リード (Roast Beaf)
東京都
不甲斐ない (おびの前腕極太日記)
チャレンジ!大分国体 (Rhino and Bird)
千葉県
大分国体 (フリークライマー 伊東秀和)
ボルダー予選。 (フリークライマー 伊東秀和)
国体終了 (フリークライマー 伊東秀和)
国体ルート予選、決勝終了★ (すーぱー数馬BLOG)
★国体ボルダー予選★ (すーぱー数馬BLOG)
大分国体終了!!! (すーぱー数馬BLOG)
大分国体 1日目 (ユースクライマーのひとり言)
大分国体 2日目 (ユースクライマーのひとり言)
大分国体 最終日 (ユースクライマーのひとり言)
神奈川県
ちゃれんじ大分国体 (loos and deep...)
国体から帰ってきました (FCC日記)
長野県
ボルダー予選 (岩の人の世界地図)
リード予選 (岩の人の世界地図)
ボルダー決勝 (岩の人の世界地図)
リード決勝 (岩の人の世界地図)
国体は終わった (岩の人の世界地図)
京都府
大分国体 (自由登攀の日々)
大分国体 (自由登攀の日々)
大阪府
国体終わりました。 (ほっしーのクライミングライフ)
大分国体 山岳競技 (ターザン&ジェーンのHealth and TrainingDiary)
岡山県
大分国体 (小西大介一皮むいてやるぜ!!!)
大分国体山岳競技成年男子の結果は? (けんさんのブログ)
山口県
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2008年10月 9日

平山ユージさん、Nose のスピード記録更新ならず

平山ユージさん

7月にハンス・フローリン(Hans Florine) と組んで、ヨセミテ・El Capitan・Nose のスピード記録を 2時間 43分 33秒に更新した平山ユージさんですが、10/8(アメリカ時間) に記録更新をかけたトライをしたものの、2時間 48分23秒と 5分弱遅いタイムとなりました。

【スタッフ通信】ノーズスピードアッセント、更新はならず (平山ユージ Official Blog)
現地8日に挑戦した「ノーズスピードアッセント」の記録更新はなりませんでした。朝8時20分から始まった挑戦の最終記録は2時間48分23秒。7月に更新した世界記録の2時間43分33秒に4分50秒およびませんでした。現地から入った情報では「問題点ははっきりしている」とのこと。この遠征の最終トライとなる次回を楽しみにしていただければと思います。挑戦は12日(日)の予定です。

10/1 のトライで 20m 近いフォールをして、足首を痛めていたため、平山さんの状態が心配だったのですが、大丈夫なようです。次回の 10/12(US時間) に期待です!!

Speed Climbing News | Speedclimb.com (ハンスのサイト)
We were 6 minutes faster than our record run from July 2nd when we made it to Dolt Tower in 48 minutes! Somehow a few tiny rope snags and roughness on the top half cost us some 11 minutes.

が、遅くなった原因だそうですが、"a few tiny rope snags" って何? 途中に 5パーティいたそうですが、他のパーティの Fixロープ?

関連エントリー
クライミングニュース - Masters of Stone(2008/9/25)
2 時間 43分 33秒 (2008/7/3)
2時間47分30秒 (2008/7/1)
Am Limit (2007/11/14)
フーバー兄弟 Yosemite・Nose のスピード記録更新 (2007/11/13)
The Nose (2005/10/20)
Masters of Stone V (2005/10/25)
Tommy Caldwell Free Climbs The Nose and Freerider-in-a-day (2005/11/10)



2008年10月10日

[DVD]momentum video magazine vol.3

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ロクスノ No. 41 にレビューを書きました。



季刊でリリースされているシリーズの第 3弾。毎回毎回、これでもかという量で圧倒しているシリーズ。ボルダリングをメインに、ルートはもちろん、ベースジャンプまで収録されていて、全く節操なし。

短編ムービーの寄せ集めなため、統一感は全くなく、ひどいものだと単なる Trailer、宣伝乙と言いたくなるようなモノも含まれています。 "momentum video magazine" の Webサイトを漁ると関連動画を見つけられます。

ただ、そんな中にあってもデイブ・グラハム(David Graham)、イーサン・プリングル(Ethan Pringle)、ローレン・リー(Lauren Lee) などトップクライマーの登りは目立っていて、雑多な映像の中にあっても、埋もれずに輝いています。とにかくここ最近名前が売れているアメリカ発のクライマーは総出演しています。

メイン監督のマイク・コール(Mike Call) に関しては、これまで余り意識していなかったのですが、今年になってリリースしている、『PERFECTO』『Unreal』はいずれも白眉の出来映えで、オススメです。

オンラインの購入はこちらからどうぞ。
momentum video magazine vol.3 (ピラニア ネットストア)

関連エントリー
MOMENTUM VIDEO MAGAZINE Vol.1 (2007/9/5)



2008年10月11日

[本]天空への回廊 - 笹本稜平

(2004/7/20 光文社文庫)

天空への回廊 - 笹本稜平

8月に紹介した、『還るべき場所』が素晴らしかったので、笹本さんの著書をまとめ読み。そんな中で、この作品も山を扱っているので紹介。還るべき場所では K2 とブロードピークが題材でしたが、ここではエベレスト



一言、「みんな強すぎ!!

特に主人公。

オープニングでは一般ルートとは言え、冬季単独無酸素アルパインスタイルで中国側からチョモランマにさくっと登頂。

BC に戻った翌々日には遭難者の捜索のためにエベレスト北西壁を 8000m付近まで登攀。その後も北西壁のルート工作で 1週間の間、6000m - 8000m を行ったり来たり。もちろん無酸素。

凄いのはその後の 4日間。北西壁を経由して敵と戦いながら山頂直下まで登り、そのまま敵を追ってネパール側へトラバースしてサウスコル(8000m) まで行き、そこからまた山頂へ引き返して精密作業。その後、アイゼンを無くした状態で北西壁をクライムダウン、途中で突風に飛ばされ左足首骨折。四つん這い状態で8000m近辺を上下して核爆弾の処理。という、厳冬期の 8000m 付近で 4日間ほとんど無酸素で活動するという強靱さ。

もちろん、主人公がこれだけ強いので敵もそれ相応の強さ。怪しげな薬のおかげで、主人公同様北西壁の 8000m 前後を無酸素で縦横無尽に飛び回り、最後は山頂を越えてサウスコルから飛行機で脱出という離れ業をやってのける。もちろんサウスコルに離着陸する飛行機のパイロットも凄い。

それ以外にも、北西壁を雪崩で吹っ飛ばされつつ、そのまま単独無酸素ノーロープで登り切り、サウスコル側へ縦走しちゃう奴やネパール側のウエスタンクウム(6500m) に下界からへりで到着したと思ったらその日のうちにサウスコルまでルート工作する救援隊、ローラを越えてネパール側と中国側の BC を行ったり来たりするヘリのパイロットなどなど、『神々の山嶺』の羽生丈二や『K』を彷彿とさせます。お前らどんだけ強いんだよっと、高所なめんなよっと。

ストーリー的には『ミッドナイトイーグル』のスケールを大きくした感じですが、100倍近く大きいのと、実際に出てくる地名がすべて実在するので非常にリアリティの高い作品に仕上がってます。

「おもしろい、実におもしろい」、一冊でした。

関連エントリー
[本]還るべき場所 - 笹本稜平 (2008/8/28)



2008年10月13日

平山ユージさん、Nose のスピード記録更新

平山ユージさん

ハンス・フローリン(Hans Florine) と組んで、ヨセミテ・El Capitan・Nose のスピード記録を狙っていた平山ユージさんが記録を更新しました。

更新したタイムは

2時間 37分 5秒

これまでの記録が 2時間 43分 33秒なので、6分 28秒縮めた形になります。おめでとうございます。

10:20 に取付をスタートし、途中で 4パーティを抜いた後、12:57:03 に Top へ抜けています。

途中の経過タイムは
Sickle Ledge: 18分 (これまでのベスト 16分 20秒)
Dolt Tower: 46分 (56分)
Eagle Ledge: 1時間 4分 (1時間 6分)
Camp 4: 1時間 28分 (1時間 26分)
Top: 2時間 37分 5秒 (2時間 43分 33秒)

Boot Flake
Boot Flake プロテクションは・・・?

Great Roof
Great Roof

終了点
終了点


春のトライの様子

参考情報
High speed on El Capitan / Climbers from Lafayette and Japan shatter own record, thrill onlookers (SF Gate)
ElCap Report 10/12/08 (SuperTopo Rock Climbing Discussion Topic)
New Speed record on The Nose El Capitan by Yuji Hirayama and Hans Florine (Planetmountain)

関連エントリー
平山ユージさん、Nose のスピード記録更新ならず (2008/10/9)
クライミングニュース - Masters of Stone(2008/9/25)
2 時間 43分 33秒 (2008/7/3)
2時間47分30秒 (2008/7/1)
Am Limit (2007/11/14)
フーバー兄弟 Yosemite・Nose のスピード記録更新 (2007/11/13)
The Nose (2005/10/20)
Masters of Stone V (2005/10/25)
Tommy Caldwell Free Climbs The Nose and Freerider-in-a-day (2005/11/10)



2008年10月15日

クライミングニュース(2008/10/15)

トピックス
■ 高所
10/5 スロベニアの Miha Valic、チョー・オユーで亡くなる
GIRI GIRI BOYS インドヒマラヤ・ナンダデビ山群カランカ北壁初登
10/12 栗城史多、マナスル単独無酸素登頂
■ アルパイン
9/29 イタリアペア、モンブラン山群で新ルート開拓
9/25 - 10/5 フランスペア、Western Alps の 8つの北壁を継続登攀
■ フリー
10/3 Toni Lamprecht、スペイン・マジョルカ島で DWS の新ルート開拓
10/5? Katie Brown、ヨセミテ・Half Dome のレギュラールートをオンサイト
10/11 Ethan Pringle、China Doll(5.14a) を第 2登
10/12 平山ユージ、Nose のスピード記録更新
■ コンペ
10/3-5 チャレンジ!おおいた国体
■ その他
10/5 エベレスト上空からスカイダイビング成功
10/8 ヨセミテ・カリービレッジに岩雪崩直撃
10/10- AAC International Climbing Editors Summit

# 2008/10/21
コメントいただいたので、カランカ北壁のニュースを追記しました。



■ 高所
◇ 10/5
Slovenian Miha Valic Killed on Cho Oyu (Climbing Magazine)
The tiny nation of Slovenia has lost its second great climber in 2008 to a Himalayan accident.

スロベニアMiha Valic(29) がチョー・オユー(Cho Oyu/8201m) へ登頂後、C2 から C1 へ下降中、懸垂下降のロープから滑落(?) して亡くなりました。

Miha Valic
Miha Valic

彼は、フリーのスポーツルートでは 5.14a まで登っており、トラッドでもヨセミテ・El Capitan の Freerider(5.12d/32ピッチ) を登っています。

また、パキスタン・トランゴの Nameless Tower にある Eternal Flame を初めてアルパインスタイルで落とす、ヨーロッパアルプスの 4000m峰 全82座を冬季に 102日で登るなど、マルチで幅広い活躍を見せておりました。

参考情報
Cho Oyu update - SummitClimb on Miha's accident (MountEverest.net)



◇ ?
GIRI GIRI BOYS インドヒマラヤ登山隊2008が無事帰国 (ページ下部)
インドヒマラヤ・ナンダデビ山郡カランカ北壁(6931m)初登、チャンガバン北壁(6864m)登攀をめざしていたGIRI GIRI BOYS インドヒマラヤ登山隊2008(佐藤裕介一村文隆天野和明)ですが、3名とも無事に下山し、天野さんが一足先に帰国しました。

(中略)

「カランカ北壁をBC~BC11日間のアルパインスタイルで初登しました。
実5、予備1くらいの予定でしたが壁の上部で嵐につかまり、途中からは1食ビスケット1枚のみ、最後は固形物なしのスープ1杯を3人で回し飲みのみといった状況で脱出といった感じでベースにたどり着きました。
まあそうはいっても楽しく、これまでの成果が出せたクライミングでした。手、足、頭ともに無事です。
その代り、予定よりも大幅に消耗してしまったため、第2目標のチャンガバン北壁には手もつけずじまいでしたが・・・、満足いくクライミングでした。

予定よりも 5日以上かかっていても問題ないところが強い。記録詳細は不明ですが、後日またロクスノ等で発表されると思います。

# 2008/10/21 追記
詳細レポートは下記を参照してください。
GIRI GIRI BOYSインドヒマラヤ登山隊がカランカ北壁の初登に成功 (PowerNavi BCAA)



◇ 10/12
登山:札幌の登山家・栗城さん、無酸素でマナスル登頂成功 次はエベレスト挑戦 (毎日jp(毎日新聞))
日本人では初めてとなる単独での7大陸最高峰制覇を目指す札幌市の登山家、栗城史多(くりきのぶかず)さん(26)=檜山管内今金町出身=が12日、ヒマラヤ山脈にある世界第8位のマナスル(8163メートル)への単独、無酸素による登頂に成功した。

7大陸はともかく、単独無酸素での登頂はすばらしいですね。単独無酸素での高所登山の大変さは彼のブログを読むとよくわかります。

参考情報
小さな登山家。不可能への挑戦 (栗城史多さんのブログ)



■ アルパイン
◇ 9/29
Italian Mont Blanc Route Update (Alpinist)
Italian climbers Enrico Bonino and Paolo Stroppiana opened a new route on Mont Maudit, Mont Blanc Massif.

イタリアの Enrico BoninoPaolo Stroppiana はフランス・モンブラン山群の Mont Maudit(4465m) に新ルートを開拓し、Reve Cache (5+ MR 4c / 17ピッチ / 700m) としました。

Reve Cache (5+ MR 4c / 17ピッチ / 700m)
Reve Cache (5+ MR 4c / 17ピッチ / 700m)

メジャーな山域なので既に登り尽くされてるイメージがあるのですが、まだラインが残ってるんですね。各ピッチの詳細は参考情報を見てください。

Reve Cache (5+ MR 4c / 17ピッチ / 700m)
Reve Cache (5+ MR 4c / 17ピッチ / 700m)

参考情報
Rêve Caché, new route on Mont Blanc (Planetmountain)



◇ 9/25 - 10/5
Eight North Faces Linked in Alps (Climbing Magazine)
The French alpinists Aymeric Clouet and Christophe Dumarest have linked eight high peaks in the Écrins Massif in the western Alps by their north faces.

9/25 - 10/5 にフランスの Aymeric ClouetChristophe Dumarest がフランス・Western Alps にある Ecrins Massif の 8つのピークの北壁を継続登攀し、11日で縦走しました。彼らは 4月にも同ルートをトライしたものの、その時は雪崩の危険性があったために断念しています。

縦走ライン
縦走ライン

ちなみに、8つのピークは La Meije、La Roche Méane、La Roche d'Alvau、Le Dôme des Ecrins、Ailefroide、Les Bans、Le Pic Bonvoisin、Le Sirac。メジャーなのは Meije くらいでしょうか。マイナーなこともあり、今回の縦走中は誰にも会わなかったそうです。

La Meije北壁
La Meije北壁



■ フリー
◇ 10/3
8c DWS by Lamprecht (8a.nu)
While on Mallorca, Toni Lamprecht made the FA of Pontasaffaire, 8c. "I've climbed a left variation to the first part of El Pontas in Mallorca last Friday, calling it Pontasaffaire.

Toni Lamprecht はクリス・シャーマ(Chris Sharma) が初登して有名になった スペイン・マジョルカ島(Mallorca) の DWS課題 "El Pontas"(5.15a) の派生ルートを初登し、Pontasaffaire(5.14b) としました。

Es Pontas
Es Pontas



◇ 10/5(?)
Katie Brown: Half Dome All-Free Onsight (Climbing Magazine)
Katie Brown has onsighted the Regular Northwest Face (VI 5.12) of Half Dome, completing the 23-pitch route in about nine hours.

アメリカのケイティ・ブラウン(Katie Brown) がヨセミテ・ハーフドーム(Half Dome) 北西壁のレギュラールート(5.12a / 23ピッチ)オンサイトしました。

ハーフドーム北西壁
ハーフドーム北西壁

ケイティ・ブラウン @レギュラー
ケイティ・ブラウン @レギュラー

彼女は元々コンペクライマーで、1995年の World Youth Championship をはじめ、1996年と 1997年のアルコ・ロックマスター(Arco Rock Master) で優勝しており、World Cup でも優勝経験があります。

その後しばらくはクライミングから遠ざかっておりましたが、ここ最近はリン・ヒル(Lyne Hill) らとヨセミテを中心にマルチピッチのルートを登るようになっていました。ちなみに今回が彼女にとって最初のビッグウォールだそうです。

今回のパートナーは先日このルートをフリーソロしたアレックス・ホノルド(Alex Honnold)

参考情報
Half Dome (Katie's Blog)



◇ 10/9
Ethan Pringle repeats China Doll - 5.14 Trad
American climber Ethan Pringle has repeated the hard trad route China Doll, in Boulder Canyon, USA

Cobra Crack(5.14b/c) を第 3登したアメリカの イーサン・プリングル(Ethan Pringle) は Boulder Canyon にあるトラッドルート、China Doll(5.14a)第 2登しました。このルートはもともとスポートルートだったものを、2007年に Mike Patz がボルトを抜いてトラッドルートとして完成させたラインです。

イーサン・プリングル @China Doll
イーサン・プリングル @China Doll

Ethan's on Trad (Momentum Video)
Ethan has his sights on Iron Monkey an unrepeated 5.14 route in Eldorado Canyon.

また Ethan はこれまた再登がなかったトラッドルートである Eldorado Canyon の Iron Monkey(5.14a)第 2登も決めています。ちなみにこのルートは、先日 Cobra Crack を第 4登した Matt Segal によって初登され、初登シーンは 『First Ascent』の特典映像に収録されています。

参考情報
China Doll, Flat Irons (Ethan Pringle の Blog)



◇ 10/12
平山ユージさん、Nose のスピード記録更新
ハンス・フローリン(Hans Florine) と組んで、ヨセミテ・El Capitan・Nose のスピード記録を狙っていた平山ユージさんが 2時間 37分 5秒というタイムをたたき出し、記録を更新しました。

平山ユージさん @Dolt Tower
平山ユージさん @Dolt Tower

詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。



■ コンペ
◇ 10/3 - 5
チャレンジ!おおいた国体
10/3-5 に大分県で第 63回国民体育大会(通称国体) が開催され、山岳競技は今年から縦走種目が無くなり、リードとボルダーの 2種目で行われました。 成年男子はリード、ボルダー共に宮城県、成年女子はリード、ボルダー共に茨城県が優勝しました。

詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。



■ その他
◇ 10/5
エベレスト上空からスカイダイビング、無事成功 (AFPBB News)
英国、ニュージーランド、カナダの命知らずのスカイダイバーたち3人が5日、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)山頂上空からのスカイダイビングを成功させた。

エベレスト上空の 8940m からスタートし、ネパール領内の 3900m 地点に着地したとのこと。この高度からのスカイダイビングは世界記録だそうです。空気が薄いために通常よりも 3倍のサイズのパラシュートを使い、酸素ボンベや特殊な下着など、装備も通常とは違ったものを使用しています。

エベレスト上空からスカイダイビング
エベレスト上空からスカイダイビング



◇ 10/8
Rockslide threatens Curry Village at Yosemite (SF Gate)
A large slab of granite cracked loose from a cliff in Yosemite National Park early Wednesday and crashed into the Curry Village resort with a thunderous roar, flattening tents and forcing hundreds of campers to run for their lives.

10/8 の早朝 7時頃、ヨセミテのカリービレッジ(Curry Village) の裏山が崩壊し、バンガローや簡易テントを直撃しました。現場は一時パニックになったようですが、幸い、死傷者は出なかった模様です。現在もカリービレッジの一部のエリアは立ち入り禁止になっているようです。

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ヨセミテエリアでは 20時でたいていの店は閉店なのですが、カリービレッジ周辺のお店だけは夜遅くまでやっているため、あそこのピザ屋やバーにはヨセミテに行ったら 1度は行ってるのではと思います。



◇ 10/10 - ?
International Climbing Editors Summit (UKC News)
10/10 からアメリカ、コロラドで AAC(American Alpine Club) が主催の International Climbing Editors Summit が行われ、世界中の山岳メディアの編集者が集まってミーティングを行っています。

内容は Web や雑誌でのクライミングニュースの発信方法、情報の真偽に関して、クライミングにおける倫理観の伝達方法などなど、クライミング雑誌や、クライミングニュースの今後について話し合われています。

日本からはロクスノの編集長が参加されているので、次号のロクスノで何らかの発表があるのではと思います。

参考情報
EDITORS SUMMIT: TOPIC 2: Media's role in ethics and style (UKC News)



関連エントリー
クライミングニュース(2008/10/5)
クライミングニュース(2008/9/25)
クライミングニュース(2008/9/15)
クライミングニュース(2008/9/5)
クライミングニュース(2008/8/25)



2008年10月14日

某沢温泉行

「上流に温泉が湧いている沢があるよ」とのことで、地元の方と季節外れの沢登りに行ってきました。

2日間とも天気も良く、紅葉にはやや早かったものの、非常に快適な沢登りでした。

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登山道を 1時間 30分ほど歩いて目的の沢に到着

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落ち葉がいい感じ

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それほど難しい沢ではないので快適 沢は 2時間 30分ほど

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青空と紅葉のコントラストが素晴らしかった

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ビールを片手に入浴

尾根筋から温泉が湧いているという珍しいシチュエーション。今回は土木工事等はしたくなかったので簡易プールを担いで行きました。もちろん回収しています。

思ったより源泉はちょろちょろでしたが 40度前後でちょうどいい温度でした。



2008年10月16日

[講演会]岡野寛スライドショー "tour de bloc Rocklands"

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10/15 にパタゴニア目白店で行われた岡野寛さんのスライドショーを見てきました。タイトルは『tour de bloc Rocklands ~南アフリカ「ロックランズ」へのボルダリングトリップ~』。

2007年 10月に行かれた南アフリカ共和国・Rocklands でのボルダリングツアーの様子を、写真を中心としたスライドショー形式で紹介されました。

ツアーのメインであるボルダリング、クライミング以外の生活風景や観光案内、各自の思い入れ課題、ダイジェスト動画という構成でおこなわれ、一緒にツアーに行かれていた、萩原、平嶋さんも参加し、隣で適宜フォローを入れながら進んでいきました。

岡野さんの性格からくるものなのか、非常にアットホームな雰囲気で行われ、笑いあり、感動ありのあっという間の 1時間半。

一般に思われているほど、治安は悪くないようで、Rocklands は西洋圏ではメジャーなエリアになっており、シーズン中は結構混むそうです。ガイドブックの岩場の位置情報に GPS のデータが出ているというのが新鮮でした。

このときのツアーの模様はロクスノ No.38 に、岡野さんの文章で掲載されており、エリア情報、宿泊、交通情報等のツアーに行く際の参考になる情報も出ています。

最後の Q&A で今後のツアーの予定を聞かれ、情報が少ないところに行きたいとおっしゃってましたが、ロクスノの連載(岩旅) 同様、今後のツアーレポが楽しみです。

参考情報
Tour de bloc from South Africa (BLOCBLOG)

tour de bloc Rocklands South Africa



ROCKLANDS

この Rocklandsエリアを紹介している、ずばり『ROCKLANDS』という DVD があります。出ているクライマーはFred Nicole、Bernd Zangerl など有名どころなのですが、編集が中途半端というか、シンプルすぎて非常に地味な仕上がりになっており、どちらかというとやや退屈。素材がいいだけにもったいない。

参考情報
ROCKLANDS DVD (BLOCBLOG)



2008年10月17日

[映画]BANFF MOUNTAIN FILM FESTIVAL in JAPAN

BANFF MOUNTAIN FILM FESTIVAL in JAPAN

BANFF MOUNTAIN FILM FESTIVAL World Tour を見てきました。全体的に映画というよりはテレビのドキュメンタリー番組を見ている感じでした。

Program A と Program B を続けて見ましたが、B の方が楽しめました。
A、B ともにパタゴニア日本支社の社長の挨拶ののち上映開始。



Program A
Ain't Got No Friends on a Powder Day
オフピステでのスキーの映像。身体に障害があるからか、椅子に板がついている特殊なスキーでした。とはいえ、滑り自体は全然変わらず、スピード感が凄い。

Ice Mines
スウェーデンの廃坑跡にある氷を探して登る。ウィル・ガッド(WIll Gadd) の監督作品。メインクライマーも Will Gadd。

地下でのアイスクライミングという環境は特殊で面白いものの、映像自体はややイマイチ。Mixのラインとはいえボルトはがんがん打つし、怖さから途中で降りて来ちゃうし、所々トップロープだし、とイマイチな点ばかりが目立ってしまっており、まさにドキュメンタリー番組を見ている感じ。

やばそうな地点でハリー・ベルガー(Harald Berger) の名前が出てきました。

Commited to Grid
去年のトラッドの大作 DVD『Committed』から、James Pearson による Promise(E10、当時最難) の初登シーンと UK 女性初の E7(E7 以上の トラッドルートを登っているのは US のリサ・ランズ(Lisa Rands) のみ(Gaia(E8))) を登った Alan Cassidy の映像をピックアップ。何度も見ている映像ですが、大画面でみるとまた違った感じでした。

Trial & Error
伐採されゆく森に特殊なコースを作ってのマウンテンバイクの映像。あんなルートよく作ったなと思う反面、不思議なくらい自然に溶け込んでいて非常に綺麗。MTB の世界を良くは知らないのですが、発想力が面白い。

Serching for the Coast Wolves
カナダの海岸沿いに生息する狼を探す女性研究員を追いかけたドキュメンタリー。鮭を捕る狼ということがまず意外だったのと、人間を襲わないという点も狼に対する誤解だったことに気づいた。Dance With Wolves を思い出した。



Program B
Respect
ここでいう Respect は自然に対するもので、山岳エリアでのスキーを扱った作品。内容はエクストリームの一歩手前。雪崩にバンバン巻き込まれる映像は見てても余り気持ちがいいものではありません。

スキー自体の映像は余り見ないので、違っているかも知れませんが、日本人と外人さんでは根本的に滑りの動き、スピード感が違う気がしました。

higher Ground : Mountain Photographer.
昨年発売になった、アルパインクライミングを扱った DVD『Higher Ground』から山岳カメラマンの章をピックアップしたもの。DVD そのままです。

In-Flux
一番面白かった。エクストリーム気味なカヤックの映像。カヤック凄い。

メモしなかったので忘れてしまいましたが、一番最後の海なのか川なのかわからない場所(リヨン?) が面白い。カヤック、サーフィン、ジェットスキー入り乱れての映像はかなり興奮できます。

In-Flux long trailer

It's Fantastic
面白さではこれが 2番目。スピードフライングを扱った映像。要はスキーを履いてのパラグライダー。ただ、スピードが出るように改造しているらしく、出ているときは時速 100kmを越えるようで、本当に早い。

一昔前に、アイガーを滑降しているスピードフライイングの映像がはやりましたが、まさにそのものでした。

Eiger Speed Flying

King Lines
言わずと知れたクリス・シャーマ(Chris Sharma) を扱った DVD『King Lines』を編集し直した作品。最初の DWS の映像はちょっと中途半端でしたが、未公開映像も含めて上手くリメイクされていました。

会場は映画館ではないため、スクリーンも音響も専用のものではありませんでしたが、やっぱり大画面で見ると格別でした。

それにしても、サイトにある説明
クリス・シャルマのもっとも突飛な登攀であり非現実的な計画の記録である。
放浪のプロのクライマー、そして地球市民としての彼の非常に興味深いライフスタイルを探索する。

って何か変。翻訳?



このツアーは "Mountain" というタイトルが入っているものの、山にとらわれず自然を相手にした活動全般を扱った映像を集めたものになっており、普段余り目にする機会がないスポーツ(?) の作品を偏見なしに見る機会としては絶好のツアーになっています。

海外では頻繁に行われている Film Festival ですが、日本でももっと行われていてもいいのではと思いました。

参考情報
バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル・イン・ジャパン2008



2008年10月18日

Alpinist誌休刊

Alpinist

October 16, 2008 -- Alpinist LLC, which publishes the climbing magazine Alpinist, runs the website www.alpinist.com and produces The Alpinist Film Festival, announced today that the October 2008 financial crisis has forced them to suspend operations.

クライミング専門誌としては最もクオリティーの高い Alpinist誌が、アメリカに端を発している金融危機の影響を受け、休刊する模様です。詳細はまた Web にて発表されるそうですが、雑誌としても Web としても非常に有用な情報源であっただけに残念です。

去年、カリフォルニアにある倉庫が火災に遭い、バックナンバーが極端に減っていますので、入手するなら今のうちです。直接ネットで買うか、店頭だとカモシカスポーツCalafate に在庫が置いてあった気がします。



Alpinist の Webサイトの UU が 50000/月、8a.nu が 80000/月なので、英語圏のクライミングサイトの上限UU はこのくらいなのでしょう。ちなみにこのサイトは 10000/月です。日本では JFA が一番多いのかな。



2008年10月19日

富士山 吉田口

突然雪山に行きたくなったので、富士山に行ってきました。

予想より雪は少なかったものの、ほどほどに雰囲気は楽しめました。

吉田口 5合目(7:30) - 6合目(8:15) - 7合目(9:00) - 8合目(9:50) - 本八合目(10:55) - 9合目(11:40) - 吉田口山頂(12:20/13:00) - 8合目(13:45) - 5合目(15:00)

5合目の駐車場には 5時に到着。自宅からジャスト 2時間と思っていたよりも近い。

高度順化も兼ねて 2時間ほど仮眠。7時に起きて準備をし、7時半に出発。

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上は雲ひとつ無い快晴

現在、泉ヶ滝~6合目の安指セまでは工事のため通行止め、泉ヶ滝から一旦佐藤小屋へ降り、再度 6合目へ上がる形になります。

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泉ヶ滝~6合目の安指セまでは通行止め

5合目周辺は紅葉がちょうど見頃でした。

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6合目から 5合目、後ろは南ア・甲斐駒、白根三山(右から)

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6合目から上

6合目からは夏道を忠実にたどって高度を稼ぐ。もちろん小屋はすべて営業終了。登山者は皆無でしたので静かな山行を楽しめました。

8合目の白雲荘あたりから日陰に雪が残り始め、元祖室を越えるあたりからは完全に雪道でした。

完全雪山装備で行きましたが、雪が腐っていたこともあり、アイゼン・ピッケルは使いませんでした。雪は多いところで 20cm程度。

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山頂直下

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山頂から見下ろす

吉田口の山頂には 10人ほどの登山者がいました。完全冬山装備の人からスニーカーにメッセンジャーバッグの高校生まで様々。登りは約 5時間。

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吉田口山頂

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吉田口山頂

当初は剣ヶ峰まで行く予定でしたが、気力も体力も尽きていたので、お鉢巡りはやめ、山頂で 30分ほど昼寝をしてから下山しました。今日は終日穏やかな天候で、気持ちのいい一日でした。

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剣ヶ峰

本八の合流点までは雪の積もった下山道を滑り降り、そのまま一気に降りようと思っていたのですが、分岐の江戸屋から先は通行止めだったため、バイパスで元祖室脇の登山道に戻り、途中から裏道に入って駆け下りました。下りが 2時間。

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下山道は通行止め

シーズンオフであるにもかかわらず、5合目はものすごい数の人でびっくりしました。ガイドをしていた頃は余り気にならなかったのですが、今日は D☆N☆B☆K。



河口湖で温泉に入ってからは御坂峠を越え、ピラニアに寄って借りてた本を返し、マニアックなトークをしてから、餃子を食べて帰りました。えー、良く誤解されますが、ちゃんと仕事してます。某編集の仕事は面白そうではあるんですが、時間が・・・。



2008年10月20日

[DVD]THE SHARP END

(2008/10 Sender Films)

THE SHARP END

話題の大作 THE SHARP END が来ました。世界各地での Sharp End なクライミングを特集した 1本。

見た目は凄い。ただ「Trailer 詐欺」、「編集詐欺」とも言えます。

もちろん、中身はちゃんとあります、ただし Extora の方に。Sender Films の作品として見た場合、『Return2Sender』、『First Ascent』 と来て、これだとちょっと残念。

ここ最近の撮影技術、編集技術の向上には目を見張るものがあるのは分かるのですが、やりすぎな面も多く、本末転倒。クライミングのシーンをもっとじっくり見たいのに、細切れにし過ぎてしまっています。

1章の Mike Patz による China Doll(5.14a) の初登シーン、2章のリサ・ランズ(Lisa Rands) による Mandala(V12)の女性初登シーン、Sharp End(最先端、高難度) に対するクライマーへのインタビューなど、もっと見たいのに完全に前菜扱い。もちろんそれぞれメインで扱っているクライミングが別にあるので、編集者の意向と言われてしまえばそれまでですが。



本編で一番面白かったのはチェコでのトラッドクライミング。トラッド通り越して、プリミティブ(原始)。チェコ熱い!!

この章はアメリカのクライマーによる遠征で、Cobra Crack(5.14b/c) を第 4登した Matt Segal Half Dome のレギュラールートをフリーソロした Alex Honnold などトラッドクライミングに精通しているクライマーが出演しているのですが、彼らでさえも引き気味です。

冒頭で、カムやナッツをギアラックごと取り上げて地面に叩きつけるシーンは印象的。かわりに結び目を作ったスリングをナッツのごとく使用しています。いつの時代だ? しかも

if you fall, you can become legend or I go in hospital

と恐ろしいことをさらっと言っています。ある意味 UK のトラッド超えてます!!

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素晴らしいラッキングですね・・・

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スリングを入れた後、木の棒で結び目を押し込む

もちろんチョークも使わないし、クライミングシューズすら履いてませんし、ランナウトは当たり前。岩にとっては一番ダメージが少ないクライミングスタイルです。

地元のクライマーは

The lightness is what I enjoy the most

と言って軽く登っています。

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あれっ、靴は? ハーネスは? ロープは?

他にも "To Beer, To Woman" と叫びながら Tower Jumping というスポーツに興じるクライマー(?) など一風変わったシーンも収録されています。


Tower Jumping



本編ではほかに、 ステフ・デイビス(Steph Davis)ディーン・ポッター(Dean Potter) によるフリーソロとベースジャンプ、近年大崩壊したヨーロッパアルプス・プチ・ドリュでのミックスクライミング、リサ・ランズの旦那さんなどが収録されています。



ある意味本編よりも充実しているのが Extra。

先日第 2登されたChina Doll の初登シーンを、ボルト時代のルートを初登した Bob Horan も交えてじっくりと。ヨセミテ・El Capitan・Free Muir(5.14a / Rock&Ice 154号の表紙になった個人的に一番好きなピッチ) や Half Dome・? ルート(5.14-) での トミー・コールドウェル(Tommy Caldwel)、Goldengate・A5トラバース(?) でのベス・ロデン(Beth Rodden)、チェコつながりなのか、なぜか出演している Adam Ondra、ヨセミテ・Tales of Power(5.12)、Black Canyon でのアイスクライミング、他にもグレードに R や X が付くルートのオンパレードで見所に事欠きません。US版 Dave MacLeod みたいな逝っちゃった感じのおしゃべりなおっさんも面白い。

まとまりはないものの、本編がかすむくらいに Extra が充実しているので、もう少し本編が充実するような編集にして欲しかったところです。全体的に 5回、10回と見ているうちにじわじわと効いてくる作品です。

"THE SHARP END" Trailer

参考情報
Sender Films' Blog

オンラインでの購入はこちらからどうぞ
THE SHARP END(ピラニア ネットストア)

締め切りました。
おまけ
色々とあって、この DVD が複数枚手元にある状態なため、先着 1名様に無料でプレゼントいたします。欲しい方はコメントください。




2008年10月21日

池田常道氏講演会

都岳連海外委員からのお知らせです。

次回の「第 20回 海外の山を知ろう」 では池田常道さんに講演をしていただきます。

題目:「海外高峰登山の潮流 - これまでとこれからを展望する」(仮)
講師:池田常道氏 (山岳ジャーナリスト/元『岩と雪』編集長)
期日:2008/11/20(木)
場所:池袋豊島区立勤労福祉会館

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関連エントリー
知られざるアフリカの山々 (2006/6/29)
第16回・海外の山を知ろう/菊地敏之講演会 (2006/11/9)
山野井泰史 講演会 「グリーンランドのクライミング報告」 (2007/11/15)
ネパールのトレッキングピークの登り方 (2008/7/17)



2008年10月22日

[講演会]近藤等 講演会「アルプスの山と人」

10/22 に市ヶ谷の日本山岳会ルームで行われた近藤等さんの講演会を聞いてきました。

近藤等 講演会「アルプスの山と人」

カモシカ横浜店で行われた平山ユージさんの講演会と迷ったのですが、職場から 10分だったことと、めったに聞けないこともあってこちらに行ってきました。

近藤等さんと聞いても今の人にはほとんど知られていないと思います。近藤さんもクライマーとしてヨーロッパアルプスで何本も登攀記録を持ってはいるものの、クライマーよりは翻訳者として名前が知られています。

処女峰アンナプルナ』、『星と嵐』、『孤独の山』が有名なところですが、著作リストを眺めていたら『チベットの七年』の最初の翻訳も近藤さんなんですね。



講演会は近藤さんと親交の深かったガストン・レビュファアンドレ・コンタミヌ中野融さんの話を中心になされ、特にガストン・レビュファに関する話が多めでした。

今回参加された方は 80名くらいでしょうか、部屋からあふれて立ち見も出ておりました。聴衆の平均年齢は恐ろしいほどに高く、60歳から70歳くらいだったのではと思います。

近藤さんは 1921年生まれの御年 87歳、講演会ができること自体も凄いのですが、お年のせいか非常に聞き取りにくく、外人さんの名前やルート名は、なじみがないこともあって、残念ながら、有名どころ以外はほとんど聞き取れませんでした。

また、プロジェクターでスライドを映していたのですが、画面が変わる(使用される) ことはほとんど無く、リアルに手渡しで写真が回ってきてびっくりしました。貴重な写真だったらなおさらこんながさつに回さず、デジタル化しておくべきなのではと思いました。

司会、進行は海津正彦(高井一)さんと、飯田年穂さん
司会、進行は海津正彦(高井一)さんと、飯田年穂さん



アルプスやヒマラヤの初登攀モノは中高の時に図書館で読んだのがほとんどで、もう 20年近く前。全然記憶に残っていませんが、近年のノンフィクションがイマイチなので、読み返してみようかな。とはいえ手元にはまったく揃っていないので、まずは集めないと。



2008年10月23日

クライミングとユニフォーム

先日、某クライマーズミーティング(not 合コン) に参加した際、

「クライミングにユニフォームはないのか?」
「クライマーは他のスポーツマンに比べてだらしない」

という意見がありました。

確かに他のスポーツを考えた場合、ほとんどのスポーツにユニフォームや服装のスタイルが決まっており、試合用のユニフォームがないスポーツの方が珍しい状況。

クライミングを見た場合、ISFC の規約で服装の細かな規定はあるものの、ワールドカップや国際大会以外のコンペではユニフォームというものをほとんど見たことはなく、場合によっては裸でもオッケーだったりします。その状況に自分が慣れてしまっているのか、特に違和感は感じないのですが、世間一般のスポーツマンからするとそうでもないようです。

クライミング自体の歴史が浅いからというのも理由の一つだと思いますが、元々自然を相手にしたスポーツにユニフォームはないのではと思います。そもそもクライミング自体が、US では反体制的に生まれたスポーツ(活動) なので、そういった意味でもユニフォームは似合わないイメージがあります。この話を始めると、そもそもクライミングはスポーツなの? スポーツとは? という議論にまで戻ってしまいそうです。

ただコンペの場合は、クライミングのスポーツ要素のみを抜き出した競技なので、その点で考えると純然たるスポーツとなり冒頭の意見にもうなずけます。まぁ、郷に入りては郷に従えということなんでしょうね。



もう一点、「だらしない」というのはクライミングというよりは個人の問題である気もしますが、岩場で休んでいる人を見た場合、寝っ転がっている場合がほとんどで、コンペの際も、いつもの癖で寝っ転がっていることが多く、だらしなく見えるのかもしれません。



ふだん、余り考えなかった意見だったので、参考になりました。



2008年10月25日

クライミングニュース(2008/10/25)

トピックス
■ 高所
9/17 マルコ・プレゼリら、マカルー II峰に西面から初登
■ アルパイン
9/21-30 アメリカペア、四姑娘山の南西稜を初登
■ フリー
8/14-15 トーマス・フーバー、チマグランデの 2つの峰からベースジャンプ
10/6-10 ベルギーペア、ヨセミテ・El Capitan に新ルート開拓
10/12 萩原亜咲、ブラックホークタウン(v11)、女性初登
10/16-20 アレックス・プッチョ、5日間で v12 x 2、v11 x 1 を完登
10/22(?) アダム・オンドラ、Hotel Supramonte(5.13d/400m) をオンサイト
■ その他
10/16 Alpinist誌休刊



■ 高所
9/17
Makalu II, new route for Vince Anderson and Marko Prezelj - climbing news, mountaineering.
Vincent Anderson and Marko Prezelj have carried out the first ascent of the unclimbed West Face of Makalu II (7678 m)

アメリカのビンス・アンダーソン(Vincent Anderson) とスロベニアのマルコ・プレゼリ(Marko Prezelj)Makalu II峰 (7678m / 現地名・Kangchungtse) に未踏の西面からの登頂に成功しました。

彼らは Makalua La で高所順応した後、7時に C2(6700m) を出発、700m のミックス壁をこなした後、山頂に暗くなる前(時間不明) に到着し、夜間の暗い中を一般ルートから下降し、23時にキャンプに戻っています。ビンスの疲労が激しく、左目を雪盲でやられています。


また、スティーブ・ハウス(Steve House) も同行していますが、今回は高山病のため、C2 で待機しており、今回の遠征の主目的であるマカルー西壁に備えているようです。マカルー西壁は過去に山野井泰史さんもトライして敗退しています。

参考情報
Makalu: New Route, Kangchungtse (The Cleanest Line)



■ アルパイン
9/21 - 30
72 pitch First Ascent in the Changping Valley, China
Chad Kellogg and I, funded in part by a Lyman Spitzer Award from the American Alpine Club, completed the first ascent of the Southwest Ridge of Siguniang (VI 5.11 A2 M5 AI3+), 72 pitches. 9,200' from base camp, in southwestern China over ten days, September 21-30, 2008.

アメリカの Dylan JohnsonChad Kellogg が中国・四川省の四姑娘山(6250m) の南西稜((VI 5.11 A2 M5 AI3+ 72ピッチ) を 8日間かけて初登しました。うまくまとめられないので、渾身の手記をリンク先からどうぞ。





■ フリー
8/14 - 15
Three Dolomite's Summits and Two BASE Jumps(Climbing Magazine)
Thomas Huber has climbed three summits in Italy's Dolomites, the Tre Cime di Lavaredo, and B.A.S.E. jumped off two of them in a single day.

ドイツのトーマス・フーバー(Thomas Huber) はイタリアのチマグランデの 3つのピークを 24時間で継続して登り、そのうちの 2つのピークからベースジャンプで下降しました。


ついにトーマス・フーバーもベースジャンプに手を出したかという感じです。ここ最近はディーン・ポッター(Dean Potter) にはじまり、レオ・ホールディング(Leo Houlding)、クリス・マクナマラ(Chris McNamara) などトップクライマーによるベースジャンプの話をよく聞きますが、はやっているのでしょうか。それとも必然? 道具が進化して軽くなったというのもあるかもしれません。




10/6 - 10
Belgians Create Bold El Cap Free Route
Nicolas Favresse and Sean Villanueva have completed a new free route on the far right side of El Capitan.

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ベルギーのニコラ・ファブレス(Nicolas Favresse) と Sean Villanueva はヨセミテ・El Capitan に新ルートを開拓し The Secret Passage(5.13c/R / 15 pitches) としました。ラインは、壁の一番右端、Zodiac のさらに右にある Eagle's Way(5.8 A3) と Bad to the Bone(5.9+ A4) を新しいピッチも含めてフリーで繋げたようです。

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このラインは 2006年 12月に Nicolas が Zodiac を登った際に目を付けていたそうです。それにしてもこのペアは行く先々で記録残してますね。7月にはカナダで Cobra Crack(5.14b/c) 第 2登、9月にはカナダ・バガブーで新ルートを開いています。

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10/12
北海道 登別アヨロ海岸ボルダー"ブラックホークダウン"(7c+)(JFA 初登/再登情報)
吉田和正が初登した課題。10月12日 萩原亜咲が成功した。女性では初めての可能性が高い。高さ6m程の岩で下部は120度ほどの前傾に浅いポケットやスローパーの4手。上部は傾斜が緩くなり小さなエッジや細やかなスタンスを辿る全7手とマントリング。

日本人女性で V11 以上のボルダー課題を登っている女性は、塩原のカランバ(四段-、V12) を登っている尾川智子さんに続き 2人目だと思われます。野口さん、榊原さんも登ってたかな? 調査不足。

参考情報
ASK BLOG :



10/16 - 20
Alex Puccio On Fire in Colorado (Climbing Magazine)
Alex Puccio has climbed two V12 boulder problems and a V11 in Colorado in the last week.

アメリカのアレックス・プッチョ(Alex Puccio) は 5日間でコロラドにある V12 x 2本、V11 x 1本を登りました。ボルダーを登っている女性の最高難度が現在は V12 なので、この記録には価値があります。彼女は今年の 8月に行われたアメリカ最大のボルダリングコンペで優勝しており、若手の最有力株です。

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高難度のボルダーはやはりパワーが要求されるからか、ルートのグレードはジョスネ・ベレシアルトゥ(Josune Bereziartu)が 5.15a まで登っており、男性の記録と実質ワングレードしか変わりませんが、ボルダーに関してはまだ 4グレードと開きがあります。



10/22
Adam Ondra - Hotel Supramonte On-sight & F9a (UKC News)
In a recent trip to Sardinia, climbing prodigy Adam Ondra has made the first complete on-sight ascent of the classic route Hotel Supramonte.

チェコのアダム・オンドラ(Adam Ondra) は、フランス・Sardinia にあるクラシックのマルチピッチルート・Hotel Supramonte(5.13d / 11ピッチ / 400m) をオンサイトしました。マルチピッチ、かつこのグレードのオンサイトは初めてだと思われます。

このルートは 2005年に UK の Gaz Parry とスティーブ・マックルーア(Steve McClure) もオンサイトトライしていますが、結果として 4日かかっています。



■ その他
10/16
Alpinist is Closing
It is with sadness that we announce that Alpinist has closed its doors.

世界的にも一番質の高いクライミング雑誌である Alpinist の休刊が決まりました。恐ろしく詩的な文章です。

今後の詳細はまだ未定ですが、どうやらサイトの更新は行われないようです。不安な方は Webごとローカルに保存されることをオススメします。次号に載る予定だった横山さんの記録はどうなるんでしょうか。

関連エントリー
Alpinist誌休刊 (2008/10/18)

参考情報
The End of Alpinist (The Mountain World)



関連エントリー
クライミングニュース(2008/10/15)
クライミングニュース(2008/10/5)
クライミングニュース(2008/9/25)
クライミングニュース(2008/9/15)
クライミングニュース(2008/9/5)
クライミングニュース(2008/8/25)



2008年10月26日

アイスクライミング ジャパンカップ 2009

赤岳鉱泉の方も準備が始まったようなので、こちらもぼちぼち準備を始めました。適宜情報はお伝えしていく予定です。

Ice Extreme のコアスタッフで集まって、壁の増改築の打ち合わせ。11月からは本格的に準備につきっきりになりそうです。

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今日は時間を見つけて周辺の紅葉散策をしていました。

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野反湖は紅葉終了でした

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六合村は標高 1000m前後が今は見頃です

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志賀高原の横手山まで足を伸ばしました

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日本一標高の高いパン屋さんがあります

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秘密のクレソン畑 元々はわさび田だったそうです

お土産に取れたてのなめ茸を大量にいただいて帰りました。ありがとうございました。



アイスクライミングジャパンカップ 2009 に関しては、日山協競技委員会での説明はすでに終わり、今週群馬岳連の方と打ち合わせをして最終決定になります。



2008年10月28日

[TV]トップランナー - 尾川智子

(2008/10/28 0:10 - 0:50 NHK)

トップランナー - 尾川智子

NHKトップランナー尾川智子さんが出演されました。これまでトップランナーに出演されているクライマーは 2001/6/21 の平山ユージさんと 2005/4/24 の小山田大さんの 2人だけです。

前半が塩原のカランバ(V12) を登ったときの話、後半がクライミングを始めた頃の話と、これからの方向性についての話でした。




トップランナー - 尾川智子 / カランバ

- カランバ
カランバを登ったときの映像を見ながら、カランバについて、司会進行の箭内道彦さん、SHIHOさんと雑談。ルート名の由来、登った時間、半年かかったこと、指がかじかんだこと、20代最後の誕生日の前日 19時に登った話、カランバへの片想いの話、などなど。今は隣のライン、"ハイドラ(v13)" をトライ中とのこと。

カランバを完登したときの映像



- クライミングを始めた頃
東大に受からなかったこと、努力しても駄目だったことが未だにトラウマになっている。練習してるのにコンペで優勝できない。早大ワンゲルで山登りにはまり、マッターホルンに登りたくて渡欧した際、一緒に行ったメンバーとたまたま行ったイタリアで、平山さんや小山田さんに会ったり、達成感を味わえたことでフリーにはまる。

その後の国体で準優勝し、これは行けるのではと思いコンペにはまり、競技にのめり込む。

大学卒業後、クライミングに集中したかったため、就職はせずにプロクライマーの道を選ぶ。スポンサー探しに苦労した。



- これから
コンペから自然の岩場へ活動の中心に移した理由はコンペが楽しくなくなったから。登ることではなく、人との競争にばかり気持ちが行ってしまい、登ることに集中できなくなった、登っていても楽しくなくなってしまったから。あれっ、先日の国体出ていたような・・・。

これからの目標はクライミングだけで生活ができる人生を送りたい。



司会の方も指摘しておりましたが、思い込んだらすぐに行動する "単純" さが強みだなと感じました。B型?

"クライミング" という職業が、現在クライミングにのめり込んでいる学生さんの将来の選択肢になるにはどうしても前例が必要になりますが、日本でプロクライマーは、平山さんと小山田さんしかいらっしゃらないのが現状です。クライミングを広めるために、プロクライマーが増えることは絶対に必要なことです。道は非常に厳しいと思いますが、頑張って欲しいと思います。

再放送は、11月1日(土)1:00 - (NHK教育)、11月5日(水)15:45 - (BS2) だそうです。見逃された方はぜひ。

関連エントリー
[TV]トップランナー - 小山田大 (2008/4/25)



2008年10月29日

[本]『アルピニスト・ジェントルマン』宣言 ヨーロッパ:正統な山の登り方 - アルピニスとし

(2008/8/28 アルピニストとし)
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# コメントにて勘違いをご指摘いただいたので、修正しました。最初に書いた文章は打ち消し線でそのまま残しておきます。

冒頭にアルピニスト、アルピニスム、アルパインクライミングの定義が書かれているのですが、

アイゼンを装着してピッケルを使用する本格的な登山「アルピニスム(アルパイン・クライミング)」

ここが日本で一般的に使われているアルピニスト、アルピニム、アルパインクライミングという単語の意味と違うために混乱しました。

日本では "アルピニズム" はより高く、より困難な未知の冒険的要素を多分に含んだ挑戦的クライミングの思想を表す単語で、アルパインクライミングは単純に氷河があるエリア以上でのクライミング行為から転じ、山岳エリアでのクライミング行為(通称本ちゃん) を指す単語です。

またフランス語本来の意味は "アルピニズム" が "登山"、"アルピニスト" が "登山者" を表す単語なのですが、その意味とも微妙に違うため、さらに混乱してしまいます。

本の内容は、著者がヨーロッパで 30代になってから始めたクライミングの旅行記です。タイトルにもついていますが、"アルピニスト" という単語にここまでこだわる必要があったのでしょうか。

また、もしこだわるのであれば、日本での登山に言及している箇所もあるので、もう少し単語の説明が欲しかったところです。著者が気づかないのであれば、編集者が指摘してあげるべきでしたね、岳人を発行している東京新聞出版局なんだし。

・・・。

うーん、何か勘違いしてないかなぁ、この方。

そもそも冒頭でのアルピニストの定義が間違っていることから、全部がおかしくなっています。


アイゼンを装着してピッケルを使用する本格的な登山「アルピニスム(アルパイン・クライミング)」

と書かれていますが、現在は "アルパインクライミング = アルピニスム" ではないはず。この本では "アルピニスム" という単語が使われているのですが、これはいわゆる "アルピニム" のことなのでしょうか。

"アルピニズム" には未知の冒険的要素を多分に含んだ挑戦的クライミングの思想を表す単語ですが、アルパインクライミングは単純に氷河があるエリア以上でのクライミング行為を指す単語です。

アルピニストも "アルピニズム" を体現している人のことであって、「アルパインクライマー = アルピニスト」という構図でもないはずです。そもそも "アルピニスト" という肩書き自体、現在使っている人は abcさんくらいなのではないでしょうか。それともヨーロッパでの本来の意味は違うのでしょうか?


自称登山家の数はかなりだが、そもそも登山家の定義もあいまいなままだ。

という箇所はそっくりそのまま返したい感じです。

ですから、一般的には "クライマー" だと思うのですが、この方は基本的にガイド登山なため内容的にも xyzさんと変わりません。




また、書いている文章がひどい。とてもベルギーの政府機関職員として働いている人が書くような文章ではなく、どちらかというとブログ本のノリに近く、読んでいて非常に辛かった。「るねっさ~んす」という感じ。同様の内容の本では『五十歳からの挑戦―アルプス4000m峰36座登頂』の方が落ち着いて読めますし、オススメです。

"AG(アルピニスト・ジェントルマン) 宣言" をされるのは一向にかまわないと思いますが、それをヨーロッパの "正統な山の登り方" とするのはちょっとどうかと思いました。

参考情報
Alpinist・Gentleman Z (著者のブログ)



2008年10月30日

昇仙峡

吉田和正さん、Tさんと昇仙峡に行ってきました。

クライミングをするのは 8ヶ月ぶり。リハビリのつもりで行きましたが、肉体的、精神的にガツンときました。



吉田さんはデイドリーム。5.9程度のフェースを 5m 程上がってから、核心の前傾したフィンガークラックが 7m ほど。吉田さんはトップロープでトライ。2テンかなぁ。ただ、登りながらプロテクションを決めていくとなるとかなり大変そう。

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デイドリーム



自分はデイドリームの近くにあるクラックにトライ。下からは上部が全く見えなかったので、カムは適当に 2セット。

最近は全く登られていないのか、クラックに泥が詰まっていて全然ジャムが決められないポイントが何ヶ所かあり、思い切りを要求されました。しかも、花崗岩も風化が進んでいてぼろぼろでスタンスが滑る滑る。全体で 35m ほどとスケールとしては文句なし。5.10a 程度でしょうか。中間部から上はハンドジャムがバチ効きで気持ちのいいクライミングが楽しめました。OS。

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登ったライン



昇仙峡の紅葉はまだ始まっていませんでした。

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昇仙峡



帰りはピラニアに寄って、マニアックな雑談をして、少し登ってから帰りました。

参考情報
吉田クライミング日記 - livedoor Blog(ブログ)

関連エントリー
昇仙峡・コブラクラック (2007/10/21)



2008年10月31日

[映画]Nordwand

Nordwand

ドイツ映画祭 2008 で上映された『Nordwand』を見てきました。

1936年ドイツトニー・クルツ(Toni Kurz)アンドレアス・ヒンターシュトイサー(Andreas Hinterstoisser)アイガー北壁にトライした時の悲劇を映画化した作品。

映像的には最初から最後までひたすらアイガー、アイガーと山度 100% でおなかいっぱい。窒息しそう。逆に濃すぎて、山に興味が無い人には非常に退屈だったのではと思います。

最初からドーンと画面いっぱいにアイガー北壁が映し出され、その迫力に圧倒されます。さらに音楽にも映像にも終始悲壮感が漂っており、魔の山と形容されるアイガーの怖さをよりいっそう引き立てています。

ただ、ストーリーには中途半端にメロドラマが絡んでいて、最後の最後にとって付けたように "愛" を持ってきていてちょっとがっかりでした。純粋に山だけに焦点を当てても良かったのでは。



個人的には技術面、ギアが非常に興味深かった。どこまで事実に基づいているかは分かりませんが、現代と共通するギアはハーケンとカラビナ、ハンマーのみ。ヘルメットはもちろん、ハーネスもなければ確保器もありません。下降も確保も肩がらみだしザイルはもちろん三つ編みの麻ザイル。

不思議だったのは確保支点がほとんどハーケン 1枚だということ。

ヒンターシュトイサーはアイガー北壁のトラバースセクションのルート名にもなっており、今で言う振り子トラバースが得意だった模様ですが、映画の中で出てくる振り子トラバースでも、やっぱり使っているハーケンは 1枚だけで、見ていて非常に怖い。

ただザイルにナイフという設定はちょっともうこりごり。

それにしても救助隊で現場に向かったガイドパーティの使えなさ具合が、わざとだとは思いますが、極端すぎる。



他にも、日本で言うアルピニズムがナチスによって政治的に利用されていたり、オーストリア合併前の皮肉的なやりとりがあったりと、歴史が分かっている人にはまた別の楽しみ方ができると思います。



映画の後の質疑応答
映画の後の質疑応答

監督のフィリップ・シュテルツル(Philipp Stölzl) とヒンターシュトイサー役のフローリアン・ルーカス(Florian Lukas) が来日しており、今日は映画の後の質疑応答に答えておりました。QA の内容も面白かったのですが、通訳の人の日本語が見事でした。

監督のフィリップ・シュテルツル
監督のフィリップ・シュテルツル



さらに、今日は、日本人としてアイガー北壁を第 2登した大倉大八さんがいらっしゃってました。何というサプライズ。



この作品は 11/2(日) にも 19:15 から上映され、当日券も用意されるようです。興味がある方は見に行かれてはと思います。

NORDWAND TRAILER

参考情報
NORDWAND (公式サイト / ドイツ語)



 
 
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