「雪山大好きっ娘。2.0」 は 「雪山大好きっ娘。+」 にリニューアルしました。新しい URL は以下になります。

http://yukiyama.co.jp/mountain/

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2008年11月 1日

[雑誌]クライミングJOY No.1

(2008/10/31 山と渓谷社)
クライミングJOY No.1

Rock&Snow の姉妹誌として、クライミング初心者向けの雑誌『クライミングJOY』が創刊されました。今後は 10月と 4月の年 2回の刊行だそうです。

小川山や B-Pump2 でのファッションチェックに近い特集があったり、ブランド別ファッションカタログがあったりと、ロクスノの姉妹誌というよりは、ファッション誌クライミング版に近い感じです。



ジムへ行ってみよう、クライミングギアの選び方、ボルダリングガイド、必修ムーブ特集などクライミングについて、広く浅くまとめてあるので、これからクライミングを始めようという人には最適な雑誌になっています。

逆に言うと、クライミング経験者には読む記事はほとんどありませんが、初心を思い出すという意味では面白い。ただ、クライミングシューズカタログや全国クライミングジム案内などはロクスノ本誌にも毎号あってもいいのかなと思える記事ではあります。

個人的に面白かったのはユースクライマーの対談記事。彼らがこれからどうなっていくのか楽しみです。

今号には「初心者向けの DVD 10枚」という記事を書きました。現在入手できる作品と言うことで選んでいるので、ちょっと不満もあるのですが、いちおうフリー、トラッド、アルパイン、コンペ、ハウツー、映画と幅広く選んでみました。



2008年11月 2日

妙義山(表妙義) 縦走

ひょんなことから会社の人と山に行くことになり、リクエストであった表妙義を縦走してきました。

妙義山は百名山で混でいるイメージがあり、これまでは敬遠していたのですが、予想していたより人は少なく、快適な岩稜歩きが楽しめました。また稜線の紅葉は今が盛りできれいでした。

ただ、同行者の登山経験が少なかったため、何ヶ所かでロープを出しましたが、出すタイミングが難しかった。ガイドの人の大変さが少しわかりました。



妙義神社(7:00) - 奥の院(8:30) - 相馬岳(11:00) - 鷹戻し(13:30) - 第四石門(15:30) - 妙義神社(18:00)

妙義神社の市営駐車場を 7時に出発。近くの道の駅は紅葉を見に来た観光客でごった返していました。

道の駅から妙義山(白雲山)
道の駅から妙義山(白雲山)

当初は妙義神社の前から大の字経由で登る予定だったのですが、工事中で途中の登山道が通行止めになっていたため、第一見晴らしを経由して辻で予定の登山道と合流しました。

辻からはヘルメットとハーネス装備で行きました。辻から少し登った奥の院で早速ロープを出しました。

その後は 5-6m のちょっとした岩場や鎖場が結構頻繁に出てきましたが、岩場の傾斜がなかったり、フォローできたため、ロープは特に出しませんでした。

裏妙義と浅間山
裏妙義と浅間山

稜線は紅葉真っ盛りで、青空をバックによく映えており、噴煙を出している浅間山も間近に望めました。積雪はまだ無いようでした。

白雲山・相馬岳で大体お昼。表妙義は白雲山と金洞山の 2つの山から構成され、それぞれが細かい小ピークを抱えており、間を茨尾根がつないでいます。相馬岳を境に一気に人が減りました。

相馬岳と歩いてきた稜線
相馬岳と歩いてきた稜線

一番の難所である鷹戻しは、予想よりは傾斜がありませんでしたが、鎖を離したらアウト。疲れている女性には結構きついと思います。ここでももちろんロープを出しました。また鷹戻しの先の下降でも、2ピッチ懸垂しました。

懸垂ポイント
懸垂ポイント

第四石門周辺から、観光客が一気に増えました。

第四石門
第四石門

車道に出てからは車道を 1.5時間歩いて妙義神社に戻りました。某漫画の舞台にもなっているからか、走り屋さんっぽい車が多くてちょっと怖かった。

m081102-6.jpg

駐車場付近のもみじの湯に寄り、横川で釜飯を食べて帰りました。



2008年11月 3日

Ice Extreme Kuni 改装作業 11/3

今日は Ice Extreme Kuni の改装作業のお手伝い。

ワールドカップの壁にあわせて、壁を白く塗る作業を最初に行うので、今日はロープを Fixしてひたすらホールド外し。

登りに来ていた石原さん、足立さんに手伝ってもらえたので、結構サクサク作業は進み、夕方にはおおかた外し終わりました。

m081103-1.jpg
ホールドを外してすっきりしました

壁が屋外にあるため、ボルトもコーススレッドも結構さびていて、外すのに苦労しました。まぁ、毎度のことなのでだいぶ慣れましたが。

来週からは塗りの作業、増築作業の下準備です。



2008年11月 4日

Bouldering World Cup Moscow 2008

10/31-11/2 にロシア・モスクワでボルダリングワールドカップが行われました。今回が今シーズンの最終戦になりました。

日本からは野口啓代選手、堀創選手が参加され、それぞれ、6位9位に入りました。

野口選手は予選、準決勝を 1位で通過していただけに惜しい。

野口啓代選手
野口啓代選手

堀創選手
堀創選手

今回はセッターで岡野寛さんも参加されています。

男子リザルト (IFSC)
女子リザルト (IFSC)

また、2008年のボルダー年間ランキングでも野口選手は 2位に入っています。年間ランキングに関してはまた別途まとめたいと思います。

2008年ボルダリング 女子年間ランキング

参考情報
★WCBモスクワ★予選★ (★NOGUCHI AKIYO★)
★WCBモスクワ★準決勝★ (★NOGUCHI AKIYO★)
★WCBモスクワ★決勝★ (★NOGUCHI AKIYO★)
復ー活っ★ (★NOGUCHI AKIYO★)
★WCBモスクワ★帰国★ (★NOGUCHI AKIYO★)

Moscow (BLOCBLOG)
セット終了しました。 (BLOCBLOG)

関連エントリー
野口啓代選手優勝 (2008/7/6)
Bouldering Worldcup Grindelwald 2008 (2008/6/1)
Climbing Worldcup Vail 2008 (2008/6/8)
Climbing Worldcup Fiera di Primiero 2008 (2008/6/16)



2008年11月 5日

クライミングニュース(2008/11/5)

トピックス
■ フリー
10/? 飯山・遠藤ペア、屋久島・障子岳南西壁に新ルート開拓
10/? 世界最難のランジルート、再登される
10/24 パチ・ウソビアガ、Action Direct(5.14d) を再登
10/28 ダニエル・ウッズ、The Fly(5.14d) を再登
10/28・11/2 The Promise(E10) 相次いで再登される
■ コンペ
10/31-11/1 第7回アジアユース選手権2008
10/31-11/2 Bouldering World Cup Moscow 2008
■ その他
10/30-31 JFA 北川の岩場において支点整備作業
10/31 クライミング Joy 創刊



■ フリー
◇ 10/?
飯山健治さんのブログによると、遠藤由加さんとペアで屋久島・障子岳南西壁に新ルートを開拓した模様です。詳細は次号のロクスノに掲載されるとのこと。

飯山さんは屋久島に、かつての日本最難のマルチピッチルート、「水の山」を開拓していたりと結構通われているようです。

参考情報
写真で見る屋久島  その1 (岩場情報・活動日記)
写真で見る屋久島 その2 (岩場情報・活動日記)
写真で見る屋久島 その3 (岩場情報・活動日記)
写真で見る屋久島 その4 (岩場情報・活動日記)
写真で見る屋久島 その5 (岩場情報・活動日記)
写真で見る屋久島 その6 (岩場情報・活動日記)



◇ 10/?
Hardest (?) dyno repeated: 3rd shot
Mark Hobson made quick work of the recently opened dyno 'Zion' in Clear Creek Canyon. Skyler Weeks did the first ascent in early October after 76 days of work and refrained from grading the jump.

2.6m のランジがあり、世界最難のランジ課題として、今年の 10月に Skyler Weeks によって、76日かけて初登されたアメリカ・Clear Creek Canyon にある Zion(v13)Mark Hobson によって、たった 3トライで再登されました。

この再登によってグレードはかなり疑問視されています。ただ、ランジが得意な人がトライすればそうなる気もしますが・・・。

Skyler Weeks
Zion(v13)

関連エントリー
クライミングニュース(2008/10/5) - Skyler Weeks - Huge New Dyno



◇ 10/24
Patxi Usobiaga repeats Action Directe F9a
Patxi Usobiaga has climbed the legendary sport route Action Directe (F9a) in the Frankenjura, Germany.

5.14d のテストピースとなっている、ドイツ・フランケンユーラの Action Directe(5.14d)パチ・ウソビアガ(Patxi Usobiaga) が再登しました。12登目くらいでしょうか。

m081105-1.jpg
Patxi Usobiaga on Action Directe(5.14d)

再登者リスト
1 Wolfgang Gullich (1991)
2 Alexander Adler (1995)
3 Iker Pou (2000)
4 Dave Graham (2001)
5 Christian Bindhammer (2003)
6 Richard Simpson (2005/10/13)
7 Dai Koyamada (2005/10/15)
8 Markus Bock (2005/10/22)
9 Kilian Fischhuber (2006/9/26)
10 Adam Ondra (20085/19)

Action Direct (9a) Dai Koyamada

関連エントリー
Adam Ondra on Action Directe(9a) (2008/6/2)



◇ 10/28
Woods climbs The Fly 8B+/9a
Daniel Woods has repeated David Graham's The Fly at Rumney. Originally a 9a route, The Fly is nowadays considered a highball 8B+ boulder problem by most, though most of the ascents, like Daniel's, have been done on top-rope.

アメリカのダニエル・ウッズ(Daniel Woods) はデイブ・グラハム(David Graham) が初登した The Fly(9a/5.14d) を登りました。

m081105-2.jpg
Daniel Woods on The Fly

この課題は 2003年にジェイソン・キール(Jason Kehl) がロープを使わずに、ハイボールとして登った(マットは大量に使った) ことで有名になりました。今年の 4月に Kevin Jorgeson がボルダーとして第 2登しています。

このルートはボルト 2本の非常に短いルートなため、通常はボルト 2本にプリクリして登られているようで、元記事のトップロープという記述は間違いとのことです。

Kevin Jorgeson boulders the Fly during Nor'easter shoot



◇ 10/28・11/2
The Promise - Kevin's account
The Promise, 2nd Ascent 28 October 2008

Today I managed to climb The Promise at Burbage North for its second ascent.

Alex Honnold repeats The Promise: Who is he?
Alex Honnold, 23, the extremely talented American climber over in the UK with a group of friends at the moment has made the third ascent of The Promise, James Pearson's short gritstone route at Burbage.

James Peason The Promise Burbage

James Peason によって初登された UK の The Promise(E10 / 7a) がアメリカのクライマー、Kevin JorgesonAlex Honnold によって相次いで再登されました。

m081105-3.jpg
Kevin Jorgeson on The Promise

彼らは、DVD の撮影でオーストリアに行った後、UK に渡り、立て続けに高難度のトラッド課題を登っています。しかも Alex はグランドアップで登ったようです。

2人とも短期間で登ってしまっており、Kevin はグレードは E8 程度ではと言っています。ちなみに初登のシーンは『Committed』に収録されており、先日行われた Banff Mountain Film Festival でも放映されました。

関連エントリー
クライミングニュース- Honnold Free-Solos Half Dome's NW Face(2008/9/15)



■ コンペ
◇ 10/31 - 11/1
第7回アジアユース選手権2008
10/31 - 11/1 に山口県セミナーパークにて、アジアユース選手権が行われました。

表彰台はほとんどのクラスで日本と韓国が分ける形になっています。男子のユースA、ユースB の上位はほぼ日本が独占しており、今後のワールドカップでの活躍が期待されます。

男子ユース A
1 新田龍海
2 樋口純裕
3 杉本怜
女子ユース A
1 SONG Hannarai
2 HAN Seuran
3 長谷川美怜
男子ユース B
1 津守暁斗
2 沼尻拓磨
3 KIM Hongil
女子ユース B
1 SA Sol
2 小田桃花
3 安田あとり
男子ジュニア
1 MIN Hyunbin
2 PARK Jihwan
3 LEE Donggun
女子ジュニア
1 門間希美
2 戸根木麻衣
3 IRSALIEVA Dinara
リザルト詳細 (JFA / PDF形式)



◇ 10/31 - 11/2
Bouldering World Cup Moscow 2008
ロシア・モスクワでボルダリングワールドカップの今シーズンの最終戦が行われ、野口啓代選手が 6位堀創選手が 9位に入りました。

詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。



■ その他
◇ 10/30-31
奥武蔵・北川の岩場の利用について (JFA)
10月30、31日、奥武蔵(埼玉県飯能市)の北川の岩場において支点整備作業が行われました。このエリアは以前より多くの会員からのリボルト要請が寄せられていましたが、ようやく着手できたエリアです。

埼玉県の北川の岩場において、JFA により、支点の整備作業が行われました。地元の方を交えての作業をされたようで、駐車場、岩場利用のマナーに関しても決定事項が掲載されていますので、利用予定がある方は目を通したほうがいいでしょう。

リボルト作業に関しては、まだ全ルートが終了しているわけではないので、引き続き支点の確認はお忘れなく。



◇ 10/31
クライミング Joy 創刊
10/31 に山と渓谷社からロクスノの姉妹誌という扱いで、『クライミング Joy』が創刊されました。4月と 10月の年 2回の発行のようです。

クライミングJOY No.1

詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。



関連エントリー
クライミングニュース(2008/10/25)
クライミングニュース(2008/10/15)
クライミングニュース(2008/10/5)
クライミングニュース(2008/9/25)
クライミングニュース(2008/9/15)
クライミングニュース(2008/9/5)
クライミングニュース(2008/8/25)



2008年11月 6日

2008年 10月 アクセス解析

2008年 10月 アクセス解析

2008年 10月のアクセス解析の結果を紹介。アクセス解析には Google Analytics を使用しています。



アクセス数(括弧内は先月)
セッション : 29374(25777)
UU : 9867(8448)
PV : 42049(38259)

PV 以外のアクセス増の原因はよく分かりませんが、セッション、UU も含めて全体的にアクセス数が増えています。



検索キーワード Top 10
("雪山大好きっ娘" など、このサイトを表す単語は除いてあります。)
1. 新井裕己
2. 井上祐人
3. 加藤慶信
4. 山野井泰史
5. freefan
6. 昇仙峡クライミング
7. クーラカンリ
8. 山野井通信
9. king lines
10.備後のユージ

遭難がらみのキーワードが多いのは相変わらず。新井さん、井上さんにクーラカンリがらみも加わってしまいました。

"freefan" はようやく 058 が発行されたから。
"昇仙峡クライミング" は吉田和正さんがデイドリームのトライを始めたから。 "king lines" と "備後のユージ" は ? です。"king lines" はクリス・シャーマが Jumbo Love を登ったからかな。
"備後のユージ" は日本人女性 2人目となる 14ルートなのですが、再登者が出たのでしょうか。



アクセス数が多かったページ Top 10
  1. ヒマラヤ・クーラカンリ登山隊の日本人3人が遭難、死亡 (2008/10/2)
  2. [本]『アルピニスト・ジェントルマン』宣言 ヨーロッパ:正統な山の登り方 - アルピニスとし (2008/10/29)
  3. 山岳スキーヤーの新井裕己さん、北アで死亡 (2008/4/28)
  4. あたしクライマー (2008/10/4)
  5. 山野井泰史 講演会 「グリーンランドのクライミング報告」 (2007/11/15)
  6. DWS @皇居 (2008/10/7)
  7. 登山家・山野井泰史さん、熊に襲われ重傷 東京・奥多摩 (2008/9/17)
  8. クライミングニュース(2008/10/15) (2008/10/15)
  9. 平山ユージさん、Nose のスピード記録更新 (2008/10/13)
  10. NHKスペシャル 夫婦で挑んだ白夜の大岩壁 (2008/1/7)

クーラカンリ、新井さん、山野井さんと相変わらず遭難がらみの記事が上位に入っています。そんな中で "アルピニストとし" 大人気www。いいニュースは平山さんのノーズのスピード記録の更新だけです。"あたしクライマー"、"DWS @皇居" といったネタも入りました。コピペ改変ネタは今後も定期的に作っていきたいと思っています。

ちなみに 1年前(2007年) の Top10 は以下のようになっていました。現在とあまり変わっていない気がしますね。そういえばワールドカップあったんですね。来年 4月にボルダリングワールドカップの第 2戦が日本で行われます。
1. Climbing World Cup 2007 in Kazo 総括 & 雑感 (2007/10/16)
2. Climbing World Cup 2007 in Kazo 2日目 決勝 (2007/10/14)
3. KING LINES (2007/10/22)
4. 昇仙峡・コブラクラック (2007/10/11)
5. キズパワーパッド (2004/4/27)
6. 第 2回舞茸カップ (2007/10/25)
7. 山野井泰史 講演会 「グリーンランドのクライミング報告」 (2007/10/23)
8. 第18回 海外の山を知ろう (2007/10/3)
9. きのこ狩り (2007/10/5)
10. 競う ライバル物語 山に生きる登山家夫婦の絆 (2004/4/5)



検索クエリ
各ページの右上にある検索窓から検索されたキーワード Top10
  1. 新井
  2. 茂垣
  3. ヌンチャク
  4. 有笠
  5. 松島暁人
  6. かーばた
  7. ギリギリ
  8. 韓国
  9. 還るべき場所
  10. sharp end

茂垣さんは先日結婚されましたね。おめでとうございます。かーばたさんは今は何をやってるんだろう。



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関連エントリー
2007年 10月アクセス解析 (2007/11/2)
2007年 11月アクセ ス解析 (2007/12/4)
2007年 12月アクセス解析 (2007/12/4)
2008年 1月アクセス解析 (2008/2/6)
2008年 2月のアクセス解析 (2008/3/5)
2008年 5月のアクセス解析 (2008/6/3)
2008年 6月のアクセス解析 (2008/7/8)
2008年 7月 アクセス解析 (2008/8/18)
2008年 8月 アクセス解析 (2008/9/9)
2008年 9月 アクセス解析 (2008/10/4)



2008年11月 7日

第 3回 ピオレドールアジアは日本のカランカチームが受賞

3rd Piolet d'or Asia to Japanese Kalanka team - climbing news, mountaineering.(Planetmountain)
Japanese mountaineers Fumitaka Ichimura, Yusuke Sato and Kazuki Amano have received the 3rd Piolet d'or Asia for their new route up the N Face of Kalanka (Garhwal, India, Himalaya).

今年で 3回目となる、ピオレドールアジア(Piolet d'or Asia) は、今年の夏にカランカ北壁を初登した、一村・佐藤・天野チームが受賞しました。おめでとうございます。

いまだ未踏だった北壁を、悪天候であったにもかかわらず、アルパインスタイルで登頂したことが評価されたようです。

彼らの登攀レポートは以下の Web で読むことができます。

GIRI GIRI BOYSインドヒマラヤ登山隊がカランカ北壁の初登に成功 (PowerNavi BCAA)

インド・ガルワールヒマラヤ(Garhwal Himalaya) に属する、カランカ(6931m) は 1975年に日本隊によって初登頂され、北壁は 1977年にチェコ隊によって初めてトライされるも完登には至っておらず、去年はイギリスチームもトライしていますが、途中で撤退しています。



今回のピオレドールアジアにノミネートされた記録は以下。

1. BaturaⅡ South Face (韓国)
2. CAC Sar South Ridge & Corean Sar Southwest Ridge(韓国)
3. Eighth Women-Climbers Peak West Face (カザフスタン)
4. Meru Peak Northwest Face (韓国)
5. Karanka North Face(日本)

2 の記録以外はクライミングニュースで扱ったものなので、参考までにリンクを張っておきました。平山さんのノーズ・スピードアッセントや鈴木・谷口ペアのカメット南東壁の記録は候補に入らなかったようです。

また、今年からスタートした「ゴールデンクライミングシューズ」賞は、2月にルーマニア・バスティーニ(Busteni) で行われた Iceclimbing WC で優勝し、3月のアイスキャンディカップでも来日して優勝した Shin Woon-Seonさんが受賞しました。

ちなみに選考委員には、日本からはロクスノ編集長と田辺さんが参加され、他にイタリアから Riccardo Milani、韓国からは 5人が参加されたようです。

参考情報
Piolet d'Or Asia 2008, third edition nominations (Planetmountain)
ピオレ・ド・オール・アジア、カランカ北壁の日本隊に決定 (月山で2時間もたない男とはつきあうな!)



2008年11月 8日

日本庫拉崗日登山隊 2008 報告会

11月 8日に学習院大学で行われた "日本庫拉崗日登山隊 2008 報告会" に参加してきました。

会場は 150人ほどの人で埋まっており、報告会は雪崩事故の説明がメインで行われました。



会場では 5枚綴りの資料が配付され、遠征隊隊長だった高橋和弘さんが、今回の遠征の行程をスライドをベースにして説明されました。

事故現場と事故原因
クーラカンリ主峰北陵上にある 6675mピークからクーラ氷河に派生する支尾根の下部、6000m - 6300m 付近にて斜辺 120m、底辺約 100m の三角形状の雪崩が発生。雪崩の発生時刻は 10/1 11:00 過ぎと考えられる。雪崩発生現場の傾斜は 30度~ 40度。

C1 から C2 に向かう最中、加藤隊員がトップで膝上のラッセルをしながらルート工作中に雪崩が発生。3人は雪崩によって流され、雪面下部の高さ 50m 程の岩壁を墜落した模様。遺体はそれぞれロープを結んではいたものの、ほどけてしまっており、各自が繋がっていたかどうかは不明。

救助に当たったメンバーは、遺体の発見現場までは行ったものの、二次災害を考慮して、雪崩の発生地点までは行っておらず、 雪崩の詳細な情報は不明とのことでした。

今回の遠征では、降雪があったら 1日は行動しない、ユマールを使用しない等、雪崩に対しても細心の注意を払っていたそうです。

今後の予定として、年明けをめどに正式な報告書を発行すると共に、今回亡くなった 3名と、遠征前に亡くなられた通訳の方を含めて、故人を偲ぶ会を行うとのことでした。

参考情報
2008 日本クーラカンリ登山隊

関連エントリー
ヒマラヤ・クーラカンリ登山隊の日本人3人が遭難、死亡 (2008/10/2)



2008年11月 9日

Ice Extreme Kuni 改装作業 11/9

今週も Ice Extreme Kuni での改装作業。今週は、先週ホールドを外した箇所のペンキ塗り。

簡単な足場を組んで、後はひたすらローラーで塗っていくという地味な作業。

ペンキ塗り作業
ペンキ塗り作業

他には増設箇所のチェックや、増設するパーツの作成、まだ外していなかったホールドの除去などなど、細かい作業は山積しており、完成までにはまだまだ時間がかかりそうな感じです。

増設するパーツの作成作業
増設するパーツの作成作業

いい感じで塗れました
いい感じで塗れました

関連エントリー
Ice Extreme Kuni 改装作業 11/3 (2008/11/3)



2008年11月11日

[本]凍える海 - ヴァレリアン・アルバーノフ

(2008/5/20 ヴィレッジブックス)
凍える海 - ヴァレリアン・アルバーノフ

岳人 11月号』の書評で紹介されていた本。翻訳が海津正彦(高井一) さんです。

1912年 8月、聖アンナ号は、当時まだ一度しか達成されていなかった北東航路横断の成功を狙って、サンクトペテルブルクを出航する。しかしながら、2ヶ月後の 10月、ロシア北方、北極付近のカラ海で、浮氷に閉じ込められてしまい身動きが取れなくなる。

夏になれば氷が溶けて動けるようになると考えるも、実際は 1913年が過ぎ去っても全く身動きは取れず、氷と一緒に漂流し続ける。

このままでは死んでしまうと考えた、著者アルバーノフを中心とした 13名は、1914年 4月にカヤックとそり数台を自作して、食料やテント、猟銃を積み込んで、陸を目指して船を脱出する。

この本はその後の過酷なサバイバルの全貌を描いたもの。もうただひたすらクレバスだらけの氷原との戦い。まともな地図もコンパスもなく、太陽の方角だけを頼りに進むも、乗っている氷自体が海流や風に流され、思うように進むことができずに四苦八苦する。



著者が主導となって脱出したこともあり、非常に自我が強く、同行メンバーを常に無能扱いしている。

一人の時が自由の時。生き延びたかったら、決断と力の限り闘え。苦悩している時に、たすけてくれる者がいなくても、それは、少なくとも足を引っ張る者もいないということ。いつだって、一人の方が楽に浮いていられる。

とまで言い放っている。作中では著者が頑張った点ばかりが書かれているため、それらの記述の信憑性はかなり怪しくなってくるが、そこを差し引いても、生への執着に対する文章は輝いている。



海難モノにはかなりうとく、ほとんど読んだことはありません。関係しそうな作品は『アムンセンとスコット』程度なのですが、巻末にある椎名誠さんの解説の中では『エンデュアランス号漂流』、『世界最悪の旅』、パパーニンの北極漂流日記、『南緯90度・浮かぶ氷島T-3』などが紹介されており、これだけで一ジャンルが築けそうなくらいの出版物があることを知りました。山での遭難モノとはまた違った迫力があるので、ちょっと読みあさってみたくなりました。

「開けー、ごま!」という訳があるのですが、原文が知りたいところ。



2008年11月12日

[DVD]ALIVE<奇跡の生還者達>エピソード5 二重遭難~壮絶 アラスカの雪崩~

(2007/05/25 イーネット・フロンティア)
ALIVE<奇跡の生還者達>エピソード5 二重遭難~壮絶 アラスカの雪崩~

昨日の遭難モノ繋がりで、DVD を 1本紹介。

近所の本屋で 500円でワゴン売りされていたので、余り期待を持たずに買ってみたのですが、予想よりは良くできていました。さすが「ディスカバリー・チャンネル」。残念だったのは吹き替えの日本語の安っぽさ。せめてオリジナルの英語音声も残しておいて欲しかった。



アラスカ・Mt Johnson の Elevator Shaft の初登を狙ったパーティ(David Nyman・James P Sweeney) がアイスクライミング中に墜落して、遭難する。James が重傷を負うが、David がなんとか氷河まで下ろし、そこから脱出行が始まる。

10km ほど離れた山小屋にも別パーティがおり、彼らもレスキューの飛行機を待っていた。

そこへ、飛行機で空中散歩をしていた夫婦が通りかかり、雪面に書かれた SOS に気づいて、着陸しようとするが、着陸に失敗して遭難者が増える。

Elevator Shaft からの脱出を試みる David と James は雪崩に何度も吹っ飛ばされたり、100m 以上の深さのあるクレバスに落ちたりと、かなり過酷な脱出行になる。

現場でのロケかどうかは分かりませんが、ロープのシステムは結構めちゃくちゃですが、登攀シーンや雪崩のシーンは良くできており、かなりリアリティの高い再現映像になっています。

ちなみに、Elevator Shaft の脇のラインを、2007年に横山、佐藤、山田の Giri Giri Boys のトリオがトライしています。



また、比べるものでもありませんが、かつて千代志別で骨盤を折ったとき、這って下山して、車を運転して札幌の病院まで行ったことを思い出しました。



2008年11月14日

リボルト講習会 @北川

埼玉県・北川の岩場で行われたリボルト講習会に参加してきました。

以前より、リボルト作業を明文化して、各地の有志でどんどん進めれば岩場の整備もあっという間に終わるのではと思っていたのですが、今回のリボルト作業に参加して、それは無理だということがよく分かりました。はっきり言って文章で読むだけでは、きちんとした作業は全くできません。下手したら唯一無二なルートを壊してしまうことになります。技術的、歴史的知識が必要になるため、資格にしてもいいくらい難度の高い作業だと感じました。

今回は、新潟にある国際アウトドア専門学校(i-nac) の "山岳プロ学科" の学生さん向けに行われた JFA のスタッフによるリボルト作業 & 講習会のヘルプというか見学に近い形での参加になりました。

現場に着いてから、岩場と駐車場の地主さんに挨拶して岩場へ移動。

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ボルトの種類、各ボルトとクリップの危険性、岩質、リボルト作業の流れなど、普段から字で読んで知ってはいたものの、実際に現場で見るのとでは大違いで、非常に勉強になりました。"ガルバニックコロージョン" など最新の問題に関する話もありました。

午前中に全般的な講習会を行い、間に各ルートを登ってボルトをチェックする作業を入れ、午後からは実際のリボルト作業。RCCボルト、オールアンカーのボルトを抜いて、かわりにグージョン、ケミカルアンカーへの打ち替え作業を行いました。

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学生さんが 10名以上いらっしゃったので、ひたすら若さに圧倒されました。まぶしかった。

ただ、"山岳プロ学科" とはいえ、現場での経験は少ないのか、見ていて冷やっとするような場面が多々あり、現場での危険に対する意識をもう少し持った方がいいのかなとも思いました。

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おつかれさまでした!!

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最後にクイックドローの回収で 10b のルートを少し登りましたが、全然登れず、かなりヤバイ感じ、自分。半年以上何にもしていないからそろそろまじめに登り始めないとなぁ。

参考情報
クライミング実習 (Climbing Note)

関連エントリー
クライミングニュース - 奥武蔵・北川の岩場の利用について(2008/11/5)



2008年11月15日

Ice Extreme Kuni 改装作業 11/15

今週も Ice Extreme Kuni での改装作業。

今週は壁に取り付けるパーツのペンキ塗り。壁を白にしたので、はりぼてもホールドも原色系の方が映えるかなと思い、ラッカーで一気に塗ってしまいました。

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ただ余りに集中してやったので、ちょっとラリった気分。

今日は断続的に雨が降っており、ちょうど全部塗り終わった頃に一気に本降りとなり、ギリギリでした。

また、久しぶりに近所の野のやさんに顔を出し、今年の新蕎麦を頂きました。このお店のメニューはどれもおいしいのでオススメです。基本的にはお昼しか営業しておりませんが、Ice Extreme をご利用の際は是非。



クライミングニュース(2008/11/15)

トピックス
■ 高所
10/10(?) コンラッド・アンカー、メルー北西壁、新ルートからの登頂断念
10/2? アメリカチーム、カンテガ北壁新ルートから登頂
10/2? 横山・佐藤ペア、カンテガ北壁新ルートからの登頂断念
10/28 フランスチーム、ヌプチェに南面新ルートから登頂
11/9(?) スティーブ・ハウス、マカルー西壁を断念
■ フリー
11/12 アレックス・オノルド、Gaia(E8/6c) をフラッシュ
■ その他
11/7 日本のカランカチーム、第三回ピオレドールアジアを受賞
11/10 フランケンユーラの闇
11/12 高難度のトラッドルート一覧



■ 高所
◇ 10/10(?)
Expedition Trip Report :: Meru , Himalaya
We moved our camp up, albeit slowly, and made a dash for the summit. As we had taken thin rations and made them thinner. We were running low on calories. After fixing three ropes we climbed over to the NE face and ice climbed to with in 100 m of the summit. We had hoped for easy ice or hiker 5.9, yet were confronted with what turned out to be more overhanging granite. Had we gone for it it would have meant an open bivy. With minimal food in our bellies and not much in the pack we turned around. Had we continued on our injuries would be much more severe than what they are now.

メルー主峰の北西壁を新ルートからトライしていたコンラッド・アンカー(Conrad Anker)Renan OzturkJimmy Chin の 3名のアメリカチームは、17日のトライの末、山頂直下 100m 地点にて撤退しました。

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当初は 10日間で、先日韓国隊が登ったラインの右側のラインを登る予定だったようですが、途中で嵐につかまり、時間がかかりすぎたことによる時間切れのようです。

記録を読むと、リベット等のボルトから、バットフック、バードビーク、ペッカーなどマニアックなピトンまで総動員しており、先日の韓国対同様、上部の壁の難しさを物語っています。

Meru Shark's Fin Video #14

他にも 15点ほどの動画が、今回の遠征のブログに掲載されています。最後に雪壁を抜けた後の岩塔を見た時の絶望感が伝わってきます。よくあんな状況でビデオを回しているなぁというのが実感ですが、システムを垣間見れるため、色々と勉強にもなります。

Meru Expedition Dispatches

関連エントリー
クライミングニュース - Koreans Climb Meru Big Wall(2008/9/5)



◇ 10/2?
kantega!
A trio of alpine-climbing's biggest characters and boldest climbers, the New Hampshire-ites Freddie Wilkinson, Kevin Mahoney and Ben Gilmore, established a badass new route on Kantega.

The New Hampshire Route (AI 5+ R/X; 1,000 meters) takes a steep, unrelenting ice face directly up the north/east aspect of the 7,000+ meter peak. The climbing was sustained, but more so, defined by suffering on a cold, icy face.

カンテガ北壁(Kantega/6799m) に新ルートからの登頂を狙っていたアメリカチームFreddie Wilkinson、Kevin Mahoney、Ben Gilmore の 3名は、3日間のトライの末に登頂に成功し、ルート名を The New Hampshire Route(AI5+ / R/X / 1000m) としました。

カンテガ北壁(Kantega/6799m)

北壁とはいえ、彼らのラインは上部で東面のリッジに逃げており、純粋な北壁完登ラインとなるかどうかは微妙なところです。

カンテガ北壁(Kantega/6799m)



◇ 10/2?
横山・佐藤ペア、カンテガ北壁新ルートからの登頂断念
As we finished our rappels, we were relieved to see the Japanese team also making their way down the face. Jumbo and Yuke had put in a magnificent effort, spending two nights in a hammock without a functioning stove. They were turned around above 6,500 meters -- very close to the summit.

上記、アメリカチームのブログを見ると、同時期に、2006年の再起をかけてカンテガ北壁にトライしていた横山・佐藤ペアの情報が載っており、 6500m 付近で撤退した模様です。

関連エントリー
横山勝丘講演会 「ラインを引く」(2007/1/24)



◇ 10/28
New route on Nuptse by Benoist and Glairon-Rappaz
On 28 October the French mountaineers Stephane Benoist and Patrice Glairon-Rappaz reached the summit of Nuptse (7861m, Khumbu, Himalaya) via a new route up the grandiose South Face.

Stephane BenoistPatrice Glairon-Rappazフランスチームヌプツェ(Nuptse/7861m) 南面に新ルートからアルパインスタイルで登頂しました。

エベレスト(左) とヌプチェ(右)
エベレスト(左) とヌプチェ(右)

今回のラインは 2006年にも Patrice が単独で挑戦したラインで、1961年にクリス・ボニントンが登ったラインの左側に当たるそうです。

また、Stephane は足に重度の凍傷を負っており、タンボチェからカトマンズまでヘリで運ばれています。

Stephane も Patrice 共に職業は山岳ガイドですが、過去の登攀経歴は素晴らしく、クワンデ北壁(Kuwande/6167m)、テレイサガール(Thalay Sagar/6904m) やチョモレンゾ(Chomo Lonzo/7199m) に新ルートを開拓しており、過去にピオレドールの候補に挙がったりもしています。また、フリーでも 14台まで登っています。



◇ 11/9(?)
Makalu: The Last Installment
But that's not the end of the story. After hearing about another weather window Steve decided to try climbing the West Face solo on November 4. Today, in his final call of the trip, Steve tells us about his solo attempt and shares some final thoughts, especially how it feels to be back down at a more civilized elevation.

マカルー 2(Makalu II/7678m) に新ルートでの登頂成功後、マカルー西壁(Makalu West Face/8462m) の初登を狙っていたマルコ・プレゼリ(Marko Prezelj)、ビンス・アンダーソン(Vince Anderson)、スティーブ・ハウス(Steve House) の 3名は、悪天候のために登攀を断念しました。しかしながら、スティーブ・ハウスはその後、再度、単独でのトライを試みたようですが、結局は断念した模様です。

マカルー西壁(Makalu West Face/8462m)
マカルー西壁(Makalu West Face/8462m)

関連エントリー
クライミングニュース - Makalu II, new route for Vince Anderson and Marko Prezelj - climbing news, mountaineering.(2008/10/25)



■ フリー
◇ 11/12
Alex Honnold flashes Gaia E8 6c
American climber Alex Honnold has flashed the gritstone testpiece Gaia E8 6c at Black Rocks, Peak Distict, England.

UK ツアー中のアメリカのアレックス・ホノルド(Alex Honnold) はあの有名なトラッドルートである Gaia(E8/6c) をフラッシュしました。これは凄い。彼は過去に誰かが Gaia を登っている映像を見たのみでのトライで、実質オンサイトだそうです。

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これまでスポーツクライマーがトラッドルートを登ることは少なかったのですが、去年あたりから記録が目立ち始め、今年になって一気に成果が出ている感じです。

そこで問題になってくるのがやはりグレード。UKC News や 8a.nu を見ていると、UK グレードとフレンチグレードの開きに関しての議論が始まっているようです。

Alex Honnold Gia Onsight

ちなみに、Gaia の映像は、初登した Johnny Dawes の映像は『Stone Monkey』で、恐怖のフォールシーンは『Hard Grid』で、女性初となる Lisa Rands のクライミングシーンは『Dosage IV』で見ることができます。

関連エントリー
クライミングニュース - Alex Honnold repeats The Promise: Who is he? (2008/11/5)
クライミングニュース- Honnold Free-Solos Half Dome's NW Face (2008/9/15)



■ その他
◇ 11/7
日本のカランカチーム、第三回ピオレドールアジアを受賞

第 3回ピオレドールアジア(Piolet d'or Asia) は、今年の夏にカランカ北壁を初登した、一村・佐藤・天野チームが受賞しました。詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。

第三回ピオレドールアジアを受賞



◇ 11/10
フランケンユーラの闇
ホールドというホールド全てにコールタールが塗られ、真っ黒い斑点だらけの岩。
ハンマーでホールド全てを叩き壊され、コールタールを塗られた岩。
一番凄かったのは、ボルダーに鉄杭を何本も打ち込み、ワイヤーロープを張ってある岩だった。もちろん、ホールドは壊されていた。

ヨーロッパツアー中だった小山田さんのブログに、"フランケンユーラの闇" というエントリーがあり、フランケンユーラにボルダートポがない理由が説明されているのですが、かなり衝撃でした。

これを読むと、日本はまだいい方なのかも知れません。



◇ 11/12
高難度のトラッドルート一覧
8a.nu にて、現時点での高難度(14a以上) トラッドルート一覧が紹介されていました。50本ほどのルートがアルファベット順に並んでいますが、半分近く知らないルート名でした。勉強不足。

ただし、ショートルートもマルチのルートも混合されてしまっているため、ややわかりにくい感があります。



関連エントリー
クライミングニュース(2008/11/5)
クライミングニュース(2008/10/25)
クライミングニュース(2008/10/15)
クライミングニュース(2008/10/5)
クライミングニュース(2008/9/25)
クライミングニュース(2008/9/15)
クライミングニュース(2008/9/5)
クライミングニュース(2008/8/25)



2008年11月16日

[本]サバイバル! - 人はズルなしで生きられるのか - 服部文祥

(2008/11/10 筑摩書房)

前作の『サバイバル登山家』も素晴らしかったですが、今作も読み応え十分、すべての登山者にお勧めできる一冊。

ここ最近は、ハッとさせられるような山関係のノンフィクションが減っています。素晴らしいノンフィクションは、たいていが、著者本人の生死に関わるようなギリギリの体験から生まれることが多く、冒険的な登山を行う人が減っていることもその一因でしょう。

"人類の冒険 = 個人的な冒険" だった時代から、冒険が完全に個人的なモノになってしまった現在において、その冒険内容を読者に伝えるのは非常に難しい作業です。この本では、メインである北アでのサバイバル登山を通して、「なぜ山に登るのか」という、登山にまつわる永遠の命題に関する著者なりの見解が書かれているのですが、文章・構成のうまさから、堅苦しいテーマをさらっと読むことができます。

登山に遭難する確率がなければそれを登山とはいわない。死ぬ可能性がないものを命と呼ばないのと一緒である。生 + 死 = 命。



「遭難しに行って、遭難しないように帰ってくるのが登山です」



私には自由の明確なイメージがある。原始の環境にたった一人で存在すること。
それが私の自由だ。



そこには死ぬかも知れない自由まで含まれている。
サバイバル登山とはその「自由」を具現化するための方法に他ならない。



日常的にズルい生活を続けているので、せめてそこから離れたらどんな気がするのか感じたいのだ。



自然の生き物であるはずなのに、不自然な文明の恩恵で弱っちいまま存在している自分が恥ずかしいのだ。



リスクを受け入れるとは、危険を正しく認識し、危険へ接近することであり、そのリターンとして私は生きている実感を手に入れる。

ある程度、登山やクライミングをまじめにやっている人であれば、誰でも一度は考えることです。言葉にしないまでも、頭の中で漠然と思っている人は多いと思われます。頭の中で漠然としていたことがこの本ではプロセスも含めてきっちり明文化されており、非常にすっきりとしました。



自分を振り返った場合、生への実感という面では、単なるハイキングから、雪山 - クライミング - 冬季クライミングとどんどん厳しい方向に入っていくことによって「生きてる」感を強めていきました。そのうち、より厳しいことをしないと生への実感を感じられなくなってきてしまい、何度かの生死の一線を越えそうな経験から、自然に対する自分の限界が分かり、対象のレベルを上げることをやめました。

代わりに、自然に対して "フェア" という観点から、誰かが打ったボルトを利用するのではなく、ナチュプロしか使わないトラッドクライミングに傾倒するようになりました。根底には、リスクは全て自分で管理したいという欲求があります。著者の言う、リスクを受け入れるということです。

ここ最近はあまり厳しいことをやっていませんが、ぼちぼちまたヒリヒリするような体験をしたくなってきたので、そろそろ準備を始めたいと思っています。



ここ 2-3年、自分が勝手に師匠として慕っている方も、登山とはやや方向性は違いますが、山での行動に対する考え方は著者に似ているところがあります。最大の違いは、著者は猟銃を使って狩猟を行っているようですが、自分のお師匠さんは、それは動物に対してフェアじゃないということで刃物しか使わない点です。今回唯一疑問・矛盾を感じた点はここです。サバイバル登山の考え方はよくわかったのですが、猟銃を使っての狩猟、釣りという行為を楽しむためのテンカラ釣りに関してはよくわかりませんでした。

関連エントリー
サバイバル登山家 (2006/7/12)
290回 地平線報告会 (2003/10/24)



2008年11月17日

Climbing Worldcup Kranj 2008

11/15 - 16 にスロベニアのクラニ(Kranj) にて、今シーズンの最終戦になる、リードのワールドカップが行われました。

日本からは野口啓代選手、安間佐千選手、角田大樹選手が参加され、それぞれ、3位8位42位になりました。野口選手はリードのワールドカップでは初の表彰台となりました。おめでとうございます。

野口啓代選手
野口啓代選手

安間佐千選手
安間佐千選手

男子の優勝は地元スロベニアの Klemen Becan。女子は Johanna Ernst、地元の Maja Vidmar は惜しくも 2位でした。

過去に、薬物違反でワールドカップの出場停止処分をくらったクリス・シャーマ(Chris Sharm) が今回参加するという噂があったのですが、残念ながら噂だったようです。
男子
1. Klemen Becan
2. Jorg Verhoeven
3. Patxi USOBIAGA LAKUNZA
4. Tomás Mrázek
5. Jakob Schubert
6. Cédric Lachat
7. Flavien Guerimand
8. Sachi Anma
女子
Johanna Ernst
Maja Vidmar
Akiyo Noguchi
Caroline Ciavaldini
Natalija Gros
Charlotte Durif
Yana Chereshneva
Mina Markovic

リザルト詳細は以下を参照して下さい。

男子リザルト (IFSC)
女子リザルト (IFSC)



また、今回は今年度の締めと言うこともあり、年間ランキングも発表されております。リード部門では、野口啓代選手、安間佐千選手ともに 5位という成績でした。

女子のトップは今年からワールドカップに参戦した Johanna Ernst がぶっちぎりでした。昨年の覇者 Maja Vidmar は 2位。これまでダントツの強さを見せていた Angela Eiter は 13位と奮いませんでした。

男子は去年 3位だったオランダの Jorg Verhoeven がトップ。Thomas、Ramon と続いています。Top 4 はほとんど変わりませんが、そう考えると 5位に入った安間選手は凄い。来年に期待です。

リード年間ランキング男子 (IFSC)
リード年間ランキング女子 (IFSC)



さらに、今年から、リード、ボルダー、スピードの順位を足した総合ランキングも発表され、何と、女子は野口選手が受賞しました。おめでとうございます。ボルダーの年間ランキング 2位というのが効いたのでしょう。マルチですね。

ちなみに、男子は今年ボルダーに力を入れていた David Lama でした。

男子総合ランキング (IFSC)
女子総合ランキング (IFSC)

参考情報
★WCLクラニ★予選★(★NOGUCHI AKIYO★)
★WCLクラニ★準決勝★ (★NOGUCHI AKIYO★)
★WCLクラニ★決勝★ (★NOGUCHI AKIYO★)

クラニワールド杯 (サチのブログ)
セミファイナル (サチのブログ)
クラニファイナル (サチのブログ)

スロベニア③ 予選 (Roast Beaf)
スロベニア④ (Roast Beaf)
スロベニア④ (Roast Beaf)

関連エントリー
IFSC Climbing Worldcup 上海 2008 (2008/6/29)
Climbing Worldcup Chamonix 2008 (2008/7/14)
Climbing Worldcup Bern 2008 (2008/9/14)
Climbing Worldcup Imst 2008 (2008/9/22)
Climbing World Cup Puurs 2008 (2008/9/29)



2008年11月18日

池田常道氏講演会

リマインダーになります。

都岳連海外委員からのお知らせです。

11/20(木) に行う「第 20回 海外の山を知ろう」 では池田常道さんに講演をしていただきます。

内容は、現在岳人にて連載されている "現代アルピニズムのプロファイル" をベースに最新のマカルー西壁の話まで多岐にわたると思われます。海外登山に興味がある方は是非。

"現代アルピニズムのプロファイル" 連載リスト
◆ 世界の前線はいまどうなっているのか - 横山勝丘
◆ 2000年以降に行われたおもなアルパインクライミング一覧
◆ ジャヌー ウエスト・ピラー 自己の限界を乗り越えて - ワレリー・ババノフ
◆ パヴレ・コジエク30年の足跡 人間性なき登攀はあり得ない
◆ フレンチ・アルピニズムのTGW、クスム・カングルからプマリ・チッシュへの軌跡
◆ ガリボッティのセロ・トーレ縦走
◆ カラコルムの大岩壁を攀じる - ケリー・コーズ
◆ ビッグウオールのフリークライマー - ニコラ・ファヴレス
◆ アラスカの巨大な壁に挑む その1 - Giri-Giri Boys
◆ デナリ南壁壮大な継続登攀 - Giri-Giri Boys
◆ アイガー男のヒマラヤ挑戦 - Ueli Steck
◆ ロシア魂をもったイタリア人クライマー シモーネ・モーロ
◆ ガルワールヒマール・カランカ北壁 BUSHIDO初登攀 - 佐藤祐介



題目:「海外高峰登山の潮流 - これまでとこれからを展望する」(仮)
講師:池田常道氏 (山岳ジャーナリスト/元『岩と雪』編集長)
期日:2008/11/20(木)
場所:池袋豊島区立勤労福祉会館

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関連エントリー
知られざるアフリカの山々 (2006/6/29)
第16回・海外の山を知ろう/菊地敏之講演会 (2006/11/9)
山野井泰史 講演会 「グリーンランドのクライミング報告」 (2007/11/15)
ネパールのトレッキングピークの登り方 (2008/7/17)



2008年11月19日

[漫画]孤高の人 4巻 - 坂本眞一

(2008/11/19 集英社)
孤高の人 4巻 - 坂本眞一

モデルは加藤文太郎というよりはやっぱり山野井泰史さんでしょう。それぞれのエピソードがさりげなく混ぜてあり、分かる人には分かるシーンが多々ありました。

クライミングのシーンに関しては、瑞牆のシーンを除けば、これまでの展開よりは非常に現実的で理解できる範囲。

ただ、この時代に誰も登れていなかったラインをオンサイトで初登ってことはないでしょう。しかも、ボルトルートってことは誰がボルト打ったの? オープンプロジェクト? フィクションに突っ込んでもしょうがないですが、カラビナのゲートの向きが逆です。

あそこまでストイックな人は、現実的には絶滅危惧種ですが、一昔前の山屋さんには結構いたのではないでしょうか。

この巻では K2東壁に向けて少しずつ動き出していますが、"14マウンテン山岳会" はやり過ぎwww

今号の巻末インタビューは竹内洋岳さんです。

また
「かつては世界屈指のチームが 37日間かけて登攀に成功した岩壁をその後たった一人の青年が四時間強でクリアしちまったり」
というエルキャプを背景にしたキャプションがあるのですが、どこのことだろう? Nose だと、初登が45日で、ソロのスピード記録は 11時間台だったはず。

関連エントリー
孤高の人 第1登 校舎登攀 (2007/11/1)
[漫画] 孤高の人 1巻 (2008/4/19)
[漫画] 孤高の人 2巻 (2008/7/19)
[漫画]孤高の人 3巻 - 坂本眞一 (2008/9/20)



2008年11月20日

海外高峰登山の潮流 - 池田常道講演会

海外高峰登山の潮流 - 池田常道講演会

都岳連海外委員主催・「第 20回 海外の山を知ろう」 では池田常道さんに、「海外高峰登山の潮流」というテーマで講演をしていただきました。



池田さんのお話は 1956年の槇有恒のマナスル(8125m) 初登から始まりました。

日本のヒマラヤでの登山スタイルは最初にマナスルがあり、その後はすべてそのスタイルを踏襲するというマナスル病にかかりました。

いわゆる、大量に物資を投入し、フィックスロープをベタ張りする包囲法のスタイルです。この流れは 1980年代まで続きます。

そんな中にあっても、1959年の飯田山岳会によるサルバチュム(6918m) 初登、1962年の全日本岳連隊のビッグ・ホワイトピーク初登(7083m)、1964年のギャチュンカン(7922m) 初登といった日本山岳会以外の会や1962年のインドラ山インドラサン(6221m) 初登、1964年のアンナプルナ南峰(7256m) 初登といった京大隊の成功は注目に値する記録でした。

飯田山岳会の隊は 30万で行けるような遠征を目標にしていました。また、京大を始め、同志社や慶応、明治などの学生隊も頑張っていました。

それに対して他国は、1963年にアメリカ隊がエベレストで西陵から南東稜へのちょっとした縦走をした時点で、日本隊のようなスタイルから脱却し、1975年のイギリス隊のエベレスト南西壁で巨峰におけるメジャーな壁の登攀も主なモノは終了となりました。

このエベレスト南西壁は皮肉にも 1969年と 1970年に日本隊が行ったエベレスト南西壁の試登時の情報が使われており、このときの日本隊は植村直己さんらの南東稜からエベレスト本峰への登頂を優先させたため、小西政継さんらの南西壁は断念しており、チャンスをうまく生かせていません。

ちなみにエベレスト南西壁にはその後も 1971年1973年に RCCII が分裂するきっかけになった遠征を行っているものの、結局南西壁は失敗し、加藤保男さんらを南東稜から登頂させるにとどまっています。

その後の 1977年の日山協隊の K2(8611m) も登頂を優先させたため、結局は初登のイタリア隊のルートを踏襲するにとどまります。しかしながら、日本のマナスル病スタイルは人を育てるという面ではいいようで、この K2 隊からは広島三朗、森田勝、重廣恒夫などを輩出していおり、登山学校という側面もありました。



1970年代は日本隊は遭難が多いと思われていたようで、このときに、その後の悪しき風習となる推薦状問題が起きます。

当時はネパール・パキスタンで登山を行うには、日本山岳協会(?) / 文部省(?) による推薦状を各国政府に提出する必要がありました。しかしながらこの制度は、日本側が勝手に作った制度で、ネパールはまだしも、パキスタンに関しては実際は全く推薦状は必要なかったようです。

また、当時は外貨枠の制限もあって、自由に海外へ行くことはできませんでした。他にも遠征を行うためのスポンサー探し、先の推薦状問題など実際の登山以外の政治的に解決しないといけない問題が多々ありました。

そんな状態だったため、日本山岳協会系列で許可を独占していたため、労山隊は実質ネパール・ヒマラヤに入ることはできず、インド・ヒマラヤを中心に登山を行っていました。

この頃の目立った記録としては 1971年の静岡登攀クラブによるサラグラール南西峰(7184m) 西壁初登攀、1976年の戸田直樹隊によるチャンガバン南西稜初登攀があげられ、クライマーの視点によって登られた記録になります。

1978年の秋に行われた群馬岳連のダウラギリI峰(8167年) 南東稜隊では雪稜のフィックスロープ上での事故によって木暮勝義さんら 4名が亡くなり、プレ・ポストモンスーン問題が起きます。春の東京ヒマラヤ登山隊の南陵では問題にならなかった雪の問題がポストでは起きたそうですが、これまでは慣習的にプレモンスーンに登山が行われていただけで、特に根拠がなかったため、その後の問題にはなりませんでした。



ラインホルト・メスナーによって 1978年にエベレストが無酸素で登頂され、世界的に無酸素の流れができあがります。しかしながら日本隊が 8000m峰の遠征で行動用の酸素を使わなかったのは 1979年の静岡県岳連のアンナプルナI峰(8091m) の遠征が初めてで、完全なる無酸素は 1980年の山学同志隊によるカンチェンジュンガ(8598m) 北壁初登が最初になります。



1978年、静岡登攀クラブによるパインターブラック(7285m) 南壁の遠征は、南壁は登ったものの、山頂直下 10m で登頂を断念したため初登とは成りませんでした。似たようなことは 2006年の JAC東海支部による冬季ローチェ南壁(8516m) 隊でも問題になりました。日本では谷川や錫杖のルートを登っても山頂までは行かなくても登攀自体は成功と見なしていますが、ヒマラヤの場合は壁のルートであっても、山そのものが対象となるため、山頂まで行かないと登頂とは見なしていません。



1978年に中国の山が解禁になり、地理的に近かった、情報が結構あったこともあって、登山料や撮影料が高額であったにもかかわらず日本隊が押し寄せます。ただその当時は正確な情報を欧米に対して発信しなかったこともあり、レベルの高い遠征があったにも関わらず正当に評価されていません。



1982年の日本ヒマラヤ協会によるブリクティ(6720m) 初登、1983年の弘前大隊によるネムジュン(7139m) 初登は目的となった山とは違う山に登頂しています。ネパールの用意している山のリストが曖昧で、山座同定が難しかったことが原因です。特にブリクティはそれっぽい山 4座を登るということをしています。ネムジュンに関しても当時はヒムルン・ヒマール(7126m) とされており、ネムジュンと分かったのは 1992年です。



近年のヒマラヤ登山はアラスカ・ヨセミテの感覚で登るクライマーと公募隊のガイド登山で登るお客さんの 2極化しています。

ガイド登山は問題のあるガイドや登山隊が多く、日本の場合はシェルパが多くてガイドが少ないという隊が大半で、問題になっている。特に酸素の使い方が問題で、高度順化のために 7000m前後まで上がるとかえって疲れてしまうお客さんが多いため、生身で 7000m前後まで上がるタクティクスは取らずに、最初から最後まで酸素を使って一気に登らせるパターンが多く、順応不十分による事故も増えている。

この酸素の問題に関しては講演会の Q&A で労山の近藤和美さんも問題視しておりました。



先鋭的なクライマーに関しては、自力で情報を集められるかどうか、クライマーとしてどこを登るのかといったセンスの問題であり、無理をして遠くまで行かなくても、チベットにもまだまだ未踏峰は無数にある。



手元のメモを元に再現してみましたが、根本的な間違いはないはず。間違っていたらすいません。知らない山ばかりでまだまだ勉強不足。池田さんの偉大さがよく分かりました。個人的には近年の遠征までやって欲しかったところですが、たぶんそうなると 5-6時間はかかってしまうんだろうなぁ。



その後の飲み会での野口病に関する議論も面白かった。竹内洋岳さんによると現在の遠征隊はメディアに対してきちんとした登山内容の説明をしないため、七大陸だとか単なる最高峰、最年少など間違った価値観が横行しており、非常に問題になっている(野口病)。少しずつでいいので正していくべき。



2008年11月22日

瑞牆山・十一面岩末端壁・調和の幻想

連休は北アの奥地に籠もろうと思っていたのですが、雪のやむ気配が全くなく、自分の実力では無理そうだったので中止。

急遽、知人がクラックに行くとのことだったので混ぜてもらいました。

八ヶ岳は真っ白でした
八ヶ岳は真っ白でした

甲斐駒はまだまだら
甲斐駒はまだまだら

八つや南アを見ながら走れる広域農道が好きなので、最近は小川山も瑞牆も不動沢も、行くときは須玉IC ではなく、韮崎IC を使っています。ちなみに、五郎舎からの瑞牆を見るのも好きなので塩川ダムも左折派です。

瑞牆自体一年以上近づいていなかったので久しぶり。混んでるという噂でしたが、十一面岩には誰もおらず、完全に貸し切り。植樹祭の駐車場ですら車は 4台。

植樹祭の駐車場から瑞牆
植樹祭の駐車場から瑞牆

しかし、寒い。昼前でも気温は -2度

有名課題・組手には倒木が。何とか登れるそうです。
有名課題・組手には倒木が。何とか登れるそうです。

クライミングに関しては、当分はリハビリの予定だったので、登れればどこでもよく、知人がまだ調和の幻想を上まで登ったことがないということだったので上まで抜けてきました。

久しぶりのマルチだったこともあって、ロープの流れが悪かったり、確保支点を作るのに時間がかかったりと、忘れていることが多々ありましたが、終わる頃には大体思い出しました。

調和の幻想は何回か登っているはずなのですが、こんなに内面登攀多かったっけ? ていうくらいずーっとずり上がっていた気がしました。ただ、やっぱりクラックは楽しい。全ピッチリードさせてくれたパートナーに感謝。下降は 60m ロープ 2回の懸垂で下までこれました。こんなに短いのか。

降りてきて時間があったら、ペガサスでも登ろうかなと思っていたのですが、岩が暖かくなる昼まで待っていたこともあって、全然時間に余裕はなく、駐車場に戻る頃は完全に闇でした。

m081122-5.jpg
今日は時間がなく、写真は帰り際のこれのみ。



帰りはピラニアに寄って閉店まで登り、その後は室井邸にお邪魔しました。黒本の表紙の方たちがいらっしゃり、色々と有意義なお話を聞くことができました。



2008年11月23日

Ice Extreme Kuni 改装作業 11/23

今日は Ice Extreme Kuni での改装作業。

朝食を室井邸で頂き、吉川・室井夫妻に挨拶をしてから 9時に群馬に向けて出発。しかしながら、軽井沢で大渋滞にはまり、六合村に着いたのは 14時。たかだか 180km に 5時間かかりました。もっと早く出ないと駄目だなぁ。

高所作業車を使っての作業

今週は高所作業車を使ってのルーフ拡張作業。角材を増やしてコンパネを張り、ルーフの部分を 1.5倍にしました。その後、ルーフにも白ペンキを塗って張りぼてを設置して増設作業はほぼ完了。あとはホールドを取り付けてのルートセットになります。

下部の壁では、石原さん、足立夫妻にルートセットをしてもらいました。白い壁に原色系に塗ったホールドは見栄えがしていい感じになりました。

月曜日に用事があったため、今日は直帰する予定だったのですが、サブローママがケバブパーティをするとのことだったので、バーデ六合で入浴してから別荘まで上がり、22時過ぎまでワイワイやってからおいとましました。





2008年11月24日

狭山スキー場 11/24

雪山を総合的に楽しむ場合に、やっぱり山スキーははずせないだろうということで、今年は山スキーを復活させるつもりで、知人と狭山スキー場に行ってきました。

2004年 5月に、白馬の大雪渓で山スキー中に膝の靱帯を断裂して以来、スキーからはほとんど遠ざかっていました。今回は膝の確認の意味もあって行きましたが、3時間続けて滑っても特に違和感は感じられませんでした。

狭山スキー場は初めて行った場所ですが、非常に狭い施設であるにもかかわらず、結構な混雑で、リフトに 10分並んで、2分で降りるといった感じでした。

狭山スキー場

昨晩は夜中に群馬から帰宅し、すぐに寝ればいいのに、UK とカナダから注文していたクライミング DVD が届いていたので、思わず見てしまい、今日は終日あくびが絶えない状態でした。危ない危ない。



2008年11月25日

クライミングニュース(2008/11/25)

トピックス
■ 高所
10/5 平出和也、谷口けいペア、カメット南東壁 "Samurai Direct"(M5+ AI5+ 1800m) 初登
11/17 ガチャピン、ネパール・ヤラピーク登頂
■ フリー
?/? ディーン・ポッター、ヨセミテ・ロストラム・Alien Roof(5.12d) をフリーソロ
11/17 アダム・オンドラ、オーストリア・Schleier Wasserfall・Open Air(5.14d) を第 2登
■ コンペ
11/15-16 Climbing Worldcup Kranj 2008 で、野口啓代選手 3位
■ その他
11/10 Alpinist 売りに出される



■ 高所
◇ 10/5
Much-Eyed Face on Kamet Finally Climbed (Climbing Magazine)
Japanese climbers Kazuya Hiraide and Kei Taniguchi have completed the first ascent of the 6,000-foot southeast face of Kamet (7,756m/25,446') in northern India.

来月発売のロクスノに掲載されるようですが、Climbing Magazine の Web にも記録が掲載されました。

平出和也さんと谷口けいさんがインド・ガルワール・ヒマラヤ(Garhwal Himalaya) にあるカメット(Kamet/7756m) 南東壁6日間かけて初登し、ルート名を "Samurai Direct"(M5+ AI5+ 1800m) としました。壁のど真ん中を突き上げる素晴らしいラインです。逆に今までよく登られずに残っていたなぁというラインです。それだけ難しいということでしょうか。

カメット南東壁 Samurai Direct
カメット南東壁 Samurai Direct

カメットはガルワール・ヒマラヤではナンダ・デヴィ(Nanda Devi/7816m) に続く第 2の高峰で(インドでは 3番目の高さ。最高峰はカンチの8586m。)、1931年に UK のエリック・シプトン(Eric Shipton) によって初登され、世界で最初に登られた 25000feet(7620m) 以上の高度を持つ山です。現時点ではインドで登れる最高峰になります。

今日伺った話だと、

- 2005年にシブリンを登ったときに目を付けていた
- 高度順化とルート偵察で一般ルートを 7200m まで登った
- アタック直前に大雪が降り、荷物をデポした C2 は完全に雪に埋まり掘り出すのに苦労した
- このときの大雪が Giri Giri Boys のカランカ隊では停滞を余儀なくされた雪となった
- 南寄りの風の時は天候安定、北寄りの風の時は雪
- 南壁の核心は 3箇所
- 食料は 5日分。朝はアルファ米 1袋を 2人で
- シュラフは半身用を 2人で使用

とのことでした。

遠征のダイジェスト映像(要 Windows Media Player)

参考情報
ICI石井スポ-ツ|アウトドア|平出和也の部屋



◇ 11/17
ガチャピン日記
ダンテとガチャピンが、11月17日午前11時30分(現地時間)
ヒマラヤ・ヤラピークに登頂しました~~~!!!

11/7 に日本を出発したガチャピン11/17 にネパールのヤラピーク(Yara Peak/5520m) に登頂しました。

1118MdgHimalaya2.jpg

ノーコメント。

参考情報
ガチャピン、ヤラピーク登頂! (けんけんブログ -guide diary-)

関連エントリー
ポンキッキーズ21 30周年記念 ガチャピン チャレンジシリーズ (2004/1/4)



■ フリー
◇ ?/?
potter solos yosemite's alien roof
The soloist Dean Potter has made the first solo of the Alien Roof (5.12b) on the Rostrum in Yosemite.

ディーン・ポッター(Dean Potter) はヨセミテ・ロストラム(Rostrum) 北壁の 7P目にある Alien Roof(5.12b) をフリーソロしました。彼は、Alien Roof を登り、そのままロストラムを抜けていますが、スタイルは今年の夏にアイガー北壁でやった Baseジャンプの装備一式を背負っての Base Solo

The Rostrum
The Rostrum

ヨセミテでは原則的に Base Jump は禁止されているのですが、Base Jump装備を背負ってのクライミングはオーケーだろうとのことでやっているようです。

彼がこれまでヨセミテでおこなったフリーソロは Dog Roof(5.12b)Heaven(5.13a)Astroman(5.11c)Separate Reality(5.12a) などがあります。

関連エントリー
クライミングニュース("FreeBASE": Dean Potter on the Eiger Nordwand) (2008/8/25)



◇ 11/17
Groundbreaking 5.15 Gets Second Ascent
Adam Ondra has made the second ascent of Open Air at Austria's Schleier Wasserfall, a route first done when Ondra was only three years old.

アダム・オンドラ(Adam Ondra)オーストリアSchleier Wasserfall にある、Open Air(5.14d)第 2登しました。5日間9トライでの完登です。

アダム・オンドラ @Open Air
アダム・オンドラ @Open Air

このルートは 1996年アレックス・フーバー(Alex Huber) によって開拓・初登されました。アダムは今年登った他の、5.14d・5.15a のルートと比較してもグレードは 5.15a ではないかとコメントしています。

Ondra skipped an easily clipped bolt before the crux because, he said, "If I clip it, the friction on the rope takes about 10 kilos of weight down and it won't be fair."

というコメントが面白い。

参考情報
Czech Climbing - Zpravodaj



■ コンペ
◇ 11/15-16
Climbing Worldcup Kranj 2008
11/15 - 16 にスロベニアのクラニ(Kranj) にて、今シーズンの最終戦になる、リードのワールドカップが行われました。

日本からは野口啓代選手、安間佐千選手、角田大樹選手が参加され、それぞれ、3位、8位、42位になりました。野口選手はリードのワールドカップでは初の表彰台となりました。

詳細はこちらのエントリーを参照して下さい。



■ その他
11/10
Alpinist's Assets For Sale
The Assets of Alpinist, The Most Distinguished Climbing Magazine With The Most Fanatical Readers, Are For Sale!

アメリカの金融危機の影響から、資金難に陥り、休刊することとなった Alpinist が売りに出ています。値段は不明ですが、お金がある方はいかがでしょうか?

- 14,000-paid circulation with over 8,500 subscribers
- 300,000 page views per month on website
- Distinguished advertising list
- Active wealthy male readers with average income over $91,000


あれだけの内容なのに、全世界で 23000部程度しか売れていないというのは驚きです。Webサイトの月刊 PV が 30万で、このサイトの約 6倍。それでも年間の収益が約 1000万というのもこれまた驚きです。それだけ信頼されていると言うことでしょう。

関連エントリー
Alpinist誌休刊 (2008/10/18)



関連エントリー
クライミングニュース(2008/11/15)
クライミングニュース(2008/11/5)
クライミングニュース(2008/10/25)
クライミングニュース(2008/10/15)
クライミングニュース(2008/10/5)
クライミングニュース(2008/9/25)
クライミングニュース(2008/9/15)



2008年11月27日

European Youth Cup 2008

11/22 - 23 にスロベニア・クラニ(Kranj) で行われた、European Youth Cup 2008 で、安間佐千選手が優勝しました。おめでとうございます。

安間選手はジュニアの部で参加し、予選 2課題は完登、決勝も完登、スーパーファイナルの末、僅差での優勝だったようです。

ヨーロッパの大会のため、正式なリザルトとはならないようですが、IFSC のサイトには掲載されています。

また、一緒に参加されていた、角田大樹選手は 31位でした。

男子ジュニア最終リザルト (IFSC)

参考情報
ミシャペチ成果と再びクラニ (サチのブログ)
ヨーロピアンユースファイナル (サチのブログ)

スロベニア⑥ (Roast Beaf)
スロベニア⑦ (Roast Beaf)



2008年11月29日

北ア・立山

某ライターさんに誘われて、立山で行われたガイドの黒田誠さんの山スキー講習会に参加してきました。色々と貴重な体験、有意義な経験ができました。

1日目(11/29)
扇沢から立山に入るのは初めてだったことと、集合場所を勘違いしていたこともあり、集合時間に大遅刻。大変失礼いたしました。

室堂で簡単に講習生全員 6名でお互いに自己紹介をして、ビーコンをチェックし、スキーにシールを貼って出発。ボーダーの方はスノーシュー。室堂では天気は快晴。3名がボード、1名テレマーク、2名が山スキー。黒田さんは山スキー。

一ノ越を目指して 1時間ほどハイクアップ。途中でライン取りや歩き方の簡単な指導を受けました。ざっと見た感じ、室堂周辺には 50人ほどの滑り系の人達がいました。

一ノ越から、御山谷、後立方面
一ノ越から御山谷、後立方面

一ノ越から室堂方面
一ノ越から室堂方面

一ノ越
一ノ越

当初は一ノ越から龍王岳方面へ上がる予定で一旦アイゼンに履き替えるも、急に風が強くなり天気が悪くなってきたため、ここから滑って戻ることに。

室堂山荘のすぐ裏手まで滑り込む。パウダーと言えばパウダーなのですが、自分の技術では全然まともに滑れず、とりあえず下ったという感じでした。

室堂山荘からは 3人一組になって、ホワイトアウトを想定しての地図を読みながらの行動。この頃は視界は 30m 程度しかなかったため、実践に近い形でのトレーニングになりました。

室堂駅に一旦戻ってから近くの雪庇の下で雪洞堀り。7人が入るため、2時間ほどかけてかなり巨大な雪洞を作りました。雪洞を掘るのは久しぶりでしたが、雪が柔らかかったこともあり余り汗をかくこともなく、快適な作業でした。

雪洞を掘り終わる頃には天候は大荒れでした。2方向から雪洞を堀り、両穴ともツエルトでふさいでいたのですが、あまりの烈風で抑えていたバイルもろとも吹き飛ばされました。

ただ、やっぱり雪洞は非常に暖かく快適でした。前日の睡眠時間が皆無だったこともあり、夕食を食べたらすぐに眠くなり、朝まで爆睡でした。夜に雪洞の一部が崩壊して大変だったそうなのですが、全く気づきませんでした。失礼しました。


2日目(11/30)
起床時には多少陽は差していたものの、すぐに降雪とホワイトアウト。ので今日は山スキーで使うロープワークの講習。

建物の中で講習を行い、最後に外へ出て実践となりました。山スキーだけではなく、汎用的に使える技術ばかりで、非常に勉強になりました。というより、冬壁登ってるなら知っていないといけないようなことばかりで反省。

昼過ぎに講習を終え、扇沢まで降りて解散となりました。その後は大町温泉郷でお風呂に入り、ご飯を食べて帰路につきました。

後記 1
今回参加したメンバーに生年月日が全く同じ方がいてびっくりでした。会社の同僚に 1日違いはいたのですが、全く同じというのは初めて。

後記 2
帰りに江本さんに久しぶりに会いました。

「えのきど君のスキー道具は化石だね。大町山岳博物館から借りてきたの?」と揶揄されました。

確かに、数年前に歩ければいいや程度で型落ちモデルを買ったので、相当古いモデルだと思います。今回、道具の重要性を痛感したので、装備一式買い替える予定です。

また、スキーの道具の知識が限りなくゼロに近いので、少し勉強します。

後記 3
実は、今回はあこがれだった黒田さんに会うのが最大の目的でした。一時期、黒田さんのブログを勝手に本にして、読み込んでいた時期がありました。最近乱発されているガイドブックや技術書よりもよっぽどためになります。

いつものごとく、緊張してしまい、話したいことの半分も話ができませんでした。

噂に違わずはんなりとした方で、恐ろしいほど勉強熱心かつ知識量が豊富な方でした。命がかかっている仕事なので当然と言えば当然なのですが、プロの凄さを実感しました。

今後ともよろしくお願いします。

関連情報
立山です (D-sukeもの申す)



 
 
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