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2011年5月 5日

第 2回逗子海岸映画祭『El Capitan』

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大型連休中に、逗子海岸でおこなわれている、第 2回逗子海岸映画祭で上映された『El Capitan』を観てきました。

会場は海岸の一画を利用しており、砂浜をロープで区切り、小テントや、舞台、スクリーンで構成されていました。

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小テントでは、ちょっとした料理(スペイン料理) やアルコール等の飲料の提供も有り、ここだけでも楽しめるように完結しています。

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会場は昼間からオープンしており(昼間は入場無料、夕方から 1000円)、映画スタート時刻の 19時までは、バンド演奏がおこなわれており、野外フェスの雰囲気。

映画を観る場所では、20人ほどの座席は用意されていたものの、観客の数には全く足りず、基本的には砂浜にめいめいが敷物を敷いて、好きなように座っていました。



『El Capitan』は1968年に、Lito Tejada-Flores、Gary Colliver、Richard McCracken という 3名のクライマーが、El Capitan の Nose を登る様子を、Glen Denny が撮影し、10年後の 1978年に公開された山岳映画です。

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芸術性のある映画として公開されたようですが、当時、まだ Nose は数登しかされていなかったことより、どちらかというと記録的な側面が強く、当時のクライミングスタイルを、動いている映像から知ることができました。

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クライミングのスタイルは、根本的に道具が違うことより、現在とは全く違い、フラットソールやハーネス、ヘルメットと行った基本的なギアはもちろん、カムやナッツもなく、プロテクションは残置のボルトとピトン類が基本で、片手でジャムをしながらピトンを叩き込む技術は見ていても凄かった。

ラインは今と同じで、ボルトラダーもすでにあったようです。また、ブートフレークの振り子トラバースも相変わらず大変そうでした。

芸術的な側面として、通奏低音として不協和音が常に流れており、結構不快でした。繰り返し流される振り子トラバースのシーンや鳥、落ちて行くも、上昇気流で巻き上げられる空のペットボトルのシーンなど、飛ぶことや浮くこともテーマとしてあったのかもしれませんが、良くわかりません。

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逗子の海を背景に、砂浜でヨセミテの映画を観る。まるでカリフォルニアを彷彿とさせるような 演出は、映画館や自宅で観るのとは大きく趣が違い、雰囲気も含めて楽しむことができました。


El Capitan trailer

関連リンク
上映プログラム | cinema caravan (第 2回逗子海岸映画祭)
El Capitan (film) (Wikipedia)




2011年5月 7日

[映画] 岳

# 映画の内容に関するネタバレが多分にあります。

5/7 から公開になった映画『岳』を観てきました。

映画『岳-ガク-』オフィシャルサイト

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『岳』は北アルプスに住んでいる遭難救助ボランティアの島崎三歩が、日々救助活動に奮闘する様子を描いた漫画で、現在は 14巻まで刊行されています。

原作者の石塚真一さんが漫画を描き始めたのは 28歳。最初に入社した会社が 1年で潰れ、心機一転、ハウツー本をたよりに漫画家を目指して描き始めたそうです。

アメリカで 5年間、山や岩場を登って回った経験をベースに描かれており、これまでの山岳救助を扱った漫画とは違い、遭難という暗い場面であっても、主人公の三歩の明るさや、「よく頑張った」「また山においでよ」といった前向きなセリフに、場面とのギャップが強く印象に残り、人気を博しています。



単行本では三歩(小栗旬) の活躍がメインですが、映画では、紅一点のヒロイン・椎名久美(長澤まさみ) が長野県の山岳警備隊に配属され、訓練と経験を積みながら、一人前のプロの救助隊員に成長していく様子を、単行本からの数話を混ぜて、描いていました。

山の中で飛んだり、跳ねたり、走ったりという状況は普段はほとんどありませんが、そういった三歩の躍動感も、漫画特有のオーバーアクションやコミカルなシーンも、冷静さを失わない救助隊の隊長(佐々木蔵之介)、タバコの煙が渋いヘリの牧さん(渡部篤郎)、何でもわかってる谷村山荘のおばちゃん(市毛良枝) らの共演者の盛り上げもあり、彼らの雰囲気も含めて上手く表現されていました。

この手の映画のクライミングシーンは突っ込みどころ満載なので、措いておくとして、最初と最後の空撮による、立山周辺や穂高の稜線のシーン、夕日の映像の雄大さ、迫力は、日本の山とは思えないほど素晴らしかったです。『剱岳 点の記』とはまた違った表現でした。

ただ、原作は遭難救助の話なので、映画でも遭難にまつわる悲惨なシーンが多く描かれています。滑落して手足があらぬ方向に曲がっている遺体、岩壁から遺体を投げ落とす、ピッケルで生きてる人間の足を切断などなど。

本来であれば山の魅力、素晴らしさを最大限に伝えてもらいたいところですが、この映画のように、山の厳しさや危険性、救助隊の人たちの頑張りなど、普段は余り表に出てこない影の面にスポットを当てる映画も、近年の安易な遭難が増えている傾向に警鐘を与えるという意味では必要なのかもしれません。

最後にちらっと平山ユージさんと作者の石塚真一さんが登場していました。ただ、新聞に掲載されていた、石塚さんへのインタビュー記事では「本職の俳優さんに悪いので二度と出ません」と語っています。


映画『岳-ガク-』 予告



蛇足のおまけ 1
映画で使われている話を原作からピックアップしてみました。
1巻 3歩 - 滑落してシュルンドに落ちる話
1巻 4歩 - 遺族の親に殴られる話
2巻 3歩 - 落ちていく友人に手を伸ばして触れられなかった話
2巻 6歩 - 雪崩に吹き飛ばされる話
3巻 2歩 - 久美ちゃんが遭難者をしかり、本人が遭難する話
3巻 3歩 - ナオタの親が遭難する話
4巻 2歩 - 岩壁でのトレーニング
4巻 5歩 - ピッケルで足を切断する話
4巻 6-8歩 - 久美ちゃんがヘリから降り、制限時間内に登らせる話
5巻 6歩 - 遺体を落とす話
5巻 7歩 - 2日間遺体を担ぐ。スパゲッティの話
6巻 1歩 - 授業参観の話
6巻 2歩 - 父親に山頂をプレゼントする話

久美ちゃんの父親に関する話は映画オリジナルのようです。死を意識してから、コメントをテープに残していたのは、さながら現代版『風雪のビバーク』といったところです。



蛇足のおまけ 2
ギアマニアな皆さんこんにちわ。映画の中の三歩と同じ格好をしたい人向けの情報。

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バイル - CLIM BUBU Flamingo
既に数年前のモデルなので入手は不可。リーシュもシャルレ(ペツルが後に吸収) の古い物が使われていましたが、本来はリーシュレスのアックスなので、しかも右手だけで、位置もおかしいので不思議な感じがしましたが、ピッケルとしても使っていたので、ピッケルバンド的な使い方かな? 原作ではペツルのクオークや BD のコブラが描かれています。ピックのカバーは BD のプロテクター

ザック - Mammut Trion Pro black-fire
脇についてるスノーバーはエキスパート オブ ジャパンの製品かな? プローブ(ゾンデ棒) もちらっと見えたけど不明。ピッケルも良くわからず。Simond?

ハーネス - CAMP Air
ぶら下がっているクライミングギアは、ルベルソは一番初期のモデル、エイト環も使い込まれていたり、全体的に古め。デイジーチェーンは昔の BD のナイロンモデルかな? ロープマンは太いロープ用。スリングは石井スポーツオリジナルと BD が中心、カラビナ類は良くわかりません。

靴 - AKU Spider Kevlar GTX
アイゼンは Simond というバンドが見えますが、いつのモデルかはよくわかりません。

アパレルは詳しくないのですが、ジャケットは Mountain Hard Wear、パンツは The North Face 、グローブはマムートのようですが、製品名まではわかりません。

途中の岩場で履いていたクライミングシューズは三歩がスポルティバのミトス、久美ちゃんが 5.10 のスパイアーと紫で揃えた渋いチョイス。



蛇足のおまけ 3
クライマーさん向けの話のネタになりそうなファイト一発シーンを 3つほど。

1. パラレルに同時登攀。最初に担いだ友人とのクライミングシーン。岩壁で "一緒" に登っているはずが、なぜかバラバラでパラレルにロープソロをしているというおかしな事に。原作だとハーフドームのラインをそれぞれソロで登っている設定なのでこんな描画になったのかな。

2. 久美ちゃんがソロをしているシーン。たぶんペツルのトラクションを使っていると思いますが、上からのロープにぶら下がりつつ、確保支点用のハーケンを打っており、状況が良くわからじ。しかも両耳にイヤホンをしており・・・。

3. 最後に三歩が斜面をかけ降りてきて、シュルンドにダイブしてダブルダイノでアックスを刺して止まるという、まんまバーティカル・リミットなシーン。肩はずれるって。



関連エントリー
岳 -みんなの山- (2003/12/12)
岳 ~みんなの山~ 1巻 (2005/5/17)
『岳』 2巻 (2006/10/25)
岳 3巻 (2007/1/18)
岳 5巻 (2007/10/30)
岳 6巻 (2008/1/30)
岳 7巻 (2008/7/2)

(2007/1/25)
マンガ大賞2008、『岳』が受賞 (2008/3/28)




2011年5月11日

東北の岩場情報

地震後の東北と栃木、茨城の岩場の情報を、一部ですが、まとめてみました。日付にご注意下さい。

岩手県
震災後の侍浜、中野クライミングエリア (徳べえのクライミング日誌)
岩泉ひょうたんケイブ (徳べえのクライミング日誌)

宮城県
食料を確保のために大倉に行ってみた。 (Team Bangees)

山県県
山形に行ったついでに黒伏南壁見てみた。 (Team Bangees)
山寺の岩場を見に行ってみた。 (Team Bangees)

福島県
青葉の状況報告 (子鹿茶房)
大日岩
放射能が降る岩場 (卑しい系アウトドアマンの待避所)
二ツ箭山 (いわきの山遊人)

栃木県
塩原
情報色々 (岩妖怪のブログ)

茨城県
笠間
ボルダリング日記
ボルダリング日記

関連エントリー
地震関連情報[3/23] (雪山大好きっ娘。2.0)



2011年5月29日

BWC 2011 第4戦 Canmore

5/27-28 にカナダ・キャンモア(Canmore) で行なわれた BWC 第 4戦、男子は掘創選手、女子は野口啓代選手が優勝し、日本人のダブル優勝となりました。堀選手は WC初優勝です。おめでとうございます。


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予選

5/27 の予選、会場では雪が降り続き、数センチ積もった模様で、気温が非常に低い中で行なわれました。会場の屋外テント自体は、ヒーターがたかれていたため、ある程度の温度は保たれていたようですが、それでもほとんどの選手が長袖、ロングパンツというスタイルで登っていました。そんな中、日本人選手はなぜかみんな異常なまでに薄着。寒さに強い茂垣選手に至ってはタンクトップに短パンというスタイルでした。



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結果は、男子はなんとトップスリーが日本人選手という独占ぶりで、堀選手、茂垣選手、杉本選手の順でした。そして、13位に清水選手、14位に杉田選手が入り、岩井選手は 37位でした。女子は野口選手が 6位で予選通過、萩原選手が 24位でした。



アジア選手権予選(笑)おわ! なぜか2位だ。。。  久しぶりにぬめり知らずだったな〜 明日もこの天気でおねがいしまーす☆  less than a minute ago via web Favorite Retweet Reply

日本人やばいす!1位堀君、2位もがさん、3位ぼくです笑 ジャパンカップだ。 しかもワールドカップで初めて3完登しました!やったー(^0^)!less than a minute ago via web Favorite Retweet Reply

女子予選終了★ 4-5で6位通過(。-_-。) 登れなかった課題は...ニーバーに気づかなかったぁ↓↓まあ明日が勝負っすね♡ あさきは24位でした(´;ω;`) 明日は雪が降らない事を祈ります★ yfrog.com/h46kvgpqj yfrog.com/h3d5pesjless than a minute ago via Twitter for iPhone Favorite Retweet Reply

死んだほうがいいわ〜〜〜全身ぴくぴくぷるぷるんして何も持てんかった... 動けんかった... あーまじ。less than a minute ago via ついっぷる/twipple Favorite Retweet Reply




準決勝

日付が変わり、5/28 に行なわれた準決勝、日本人選手の勢いは止まらず、男子は清水選手が ただ 1人の 3完登、トップで決勝に進出、堀選手も 5位で通過。堀選手は最後のランジで始まる課題、最後の一手が中々止まらず、時間いっぱいギリギリで止めての決勝進出でした。女子は野口選手が 2位で安定して決勝進出。



他、男子は今年の WC 初参戦、地元のショーン・マッコール(Sean McColl) が 2位で決勝に進出し会場を盛り上げました。オーストリアのキリアン(Kilian Fischhuber)、オーストラリアのクリス(Christopher Webb-Parsons) の強豪(競合) がここで脱落。女子、去年は決勝常連だったアメリカのアレックス・ジョンソン(Alex Johnson) は、今年から同・アレックス・プッチョ(Alex Puccio) が参戦するようになったからか、決勝には全く残れなくなってしまいました。



準決勝 終了! 決勝進出したぜーい(♥´ω`♥)嬉 3-3で2位通過!!! しーかーもっっなんと日本人3人決勝進出したよおぉぉぉお\(^o^)/ あつぽんが唯一の3完で1位通過! はんぱなーい!!!!! つくるも執念の2頑張ってで5位通過! ぐっぢょぶ!!!‼less than a minute ago via ついっぷる for iPhone Favorite Retweet Reply

準決勝終了。僕は1完4撃で13位でしたぁ(><)そしてあつし君が1位通過!やばす!!5位堀君、11位もがさん、13位ぼく、20位おびさん。女子はあきよちゃんが2位で通過しましたぁ!!日本人男女優勝狙えんじゃないすか!?less than a minute ago via web Favorite Retweet Reply

決勝行けなかった~(・・;) でもいまの日本チームとても雰囲気いいので決勝では3人が頑張ってくれるはず!! まじガンバ~less than a minute ago via Twitter for iPhone Favorite Retweet Reply



決勝

日本時間の朝 8時から始まった決勝、ライブ映像を見ながら日本でも応援している人が Twitter 上でも多数散見でき、現地でも DJ が変わり、会場に BGM も流れるようになり、凄い盛り上がりでした。ライブ放送も、予選、準決勝で割れていた音が修正され、見やすくなりました。



第 1課題、男子はハリボテから変な体勢で最後のホールドへのランジを掘選手が 1撃で決め、唯一の完登。女子は、キム・ジャーイン(Kim Jain) が凄い深キョンでスタティックに技で完登したのに対し、アンナ(Anna Stöhr) はあっさり軽いデッド + パワーで押さえ込み、野口選手は時間ぎりぎりの最終トライで完登しました。



第 2課題、男子はリーチの必要なバランシーなトラバース、その後のハイステップも鬼門で、スロベニアのクレメン(Klemen Becan) のみが完登。女子は、キム・ジャーインが巧さでじりじり完登したのに対し、アンナはあっさり、野口選手もじわっと完登。



第 3課題、男子は最終ホールドへのランジが核心。これを止めたのは堀選手と地元のショーンのみ、クレメンはホールドタッチでした。ここで堀選手が 2完登と一歩抜け出し、優勝がだいぶ見えて来ました。女子はアンナ、野口選手、ジャーインが完登し、優勝争いはこの 3人に絞られ、トライ数も僅差で最終課題へもつれ込みました。



最終課題、堀選手は前半に苦しみ、完登ならず。クレメンは 1撃で登らなければ優勝できない状況、最終的には 3撃で登り、僅差で堀選手が初優勝を決めました。女子はアンナが完登し、野口選手は 1撃で登らないと優勝できないという、昨年のワールドカップ最終戦と同じ状況の中、見事 1撃で完登を決め、優勝となりました。凄かった。アレックス・プッチョは課題が合わなかったのか、まさかの 0完登。最後の方はほとんどやる気ゼロな感じでした。



ゆーしょーだー!マジで最高!今まで実感わかなかったけど、ツイッターを見て皆さんからの応援や祝福の言葉で泣きそうになりました!この結果は多くの人に支えられて出すことができました!本当にありがとうございます!今シーズンはまだまだ続きます!次回からまた気を引き締めて頑張ります!less than a minute ago via TweetMe for iPhone Favorite Retweet Reply


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みんな 応援ありがとー♥♥♥ あきよ&つくる W優勝したよぉぉぉお(♡´ω`♡)!!! 嬉しすぎ!!! 嬉しさ倍だよ!!! 最高の誕生日プレゼント♡ http://t.co/1Z23cXD http://t.co/UKbgWix http://t.co/MSwPt7wless than a minute ago via Twitter for iPhone Favorite Retweet Reply


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女子
1 Akiyo Noguchi
2 Anna Stöhr
3 Jain Kim
4 Juliane Wurm
5 Mina Markovic
6 Alex Puccio
男子
1 Tsukuru Hori
2 Klemen Becan
3 Sean McColl
4 Stefan Danker
5 Atsushi SHIMIZU
6 Wouter Jongeneelen




IFSC Bouldering World Cup 2011

5/30 が野口さんの誕生日と言うことで、表彰式の最後に、会場も含めて歌でお祝いされていました。



『岳人 6月号』で、監督の千葉さんが、日本チームの層の薄さを不安視していましたが、全然大丈夫そうです。この勢いで来週のアメリカ・コロラド・ベイルでの WC も突っ走って欲しいところです。



会場で掲示されている情報は不明ですが、ネットでは安定したストリーミング放送を観戦でき、リザルトもリアルタイムで更新されるため、選手の一挙手一投足に応じて一喜一憂することができ、さらに、同じ映像を見ているであろう、ネット上の人々の感想を Twitter のタイムラインで見ることによってさらに楽しむことができ、ネットのありがたみをひしひしと感じました。





 
 
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